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理論と実際が  合致している   野口石巻測候所長の    地震と海嘯の研究

野口石巻測候所長は中央気象台藤原博士、国富技師の指導をうけただけ今回の三陸震嘯の本県下災害地を視察の上帰所し今回三日間に亘って地震と海嘯の理論と実際の研究を行った。同所長は語る。
 地震の発源地は金華山東方海底で東に向いた海岸が当然被害を受けたが東に向かぬ半島、岬の突端にも相当被害があったので実験した結果東に向いた海岸にぶつかった怒涛の除勢で被害があったのが多いことを確め得た、要するに理論と実際が模型試験によって合致したといえる
なお同所では更に精密に沿岸湾形等を地図及び実際に照らして造りこの試験を行って実験しようとのことである。

小型漁船急造  十五浜村で  五十隻

桃生郡十五浜村では漁船流失破損の善後策として成沢村長が県に陳情小型沿岸漁船五十隻を急造する事になり、主として同村船越浜の造船地で急造各漁業組合に貸付する計画を樹て目下造船材料の準備を急いでいるがこれも住宅材料と同時に営林署から主に払下げる筈で去る二十四日から県水産課から堀込県属出張当局と具体的打合せを遂げた。

行方不明者共葬

今回の三陸沿岸海嘯に惨禍を蒙り本吉郡内でも惨状の極を呈した唐桑村只越部落では海嘯に浚われまだ死体の発見に至らない■谷■七外十二名の行方不明者の霊 弔うため同部落民一同が申し合わせ、二十五日午後一時より同部落海岸■にしめやかな共葬を執行した、(写真は共葬)

海嘯罹災者大 施餓鬼  四月一日気仙  沼で

本吉郡新月村宝鏡寺では今回の三陸海嘯に殉難した生贄を祀り併せて海上安全大漁満足の祈願を来る四月八日午前十一時より気仙沼町三日町、少林寺で執行、同午後二時からは気仙沼魚市場前で大施餓鬼を行うと。

バラックでは  保健上悪い   本格的家屋建築に    馬力をかける十五浜村

桃生郡十五浜村では津浪罹災民に対し、既記の如く一戸当り三十円をもってバラックを建設し、取敢ずこのバラックに収容したが、何分二間に一間半の仮小屋のこととて過般の降雨に雨もりを見た家もあるので、何時までもこの不完全なバラックに生活する事は衛生保健上甚だ面白くないというので村当局では昨今本格的復興準備に着手し、流失破損せる罹災民の住宅建築を急がせることになり、先ず以て営林署に交渉して官林払い下げを行うことになった、又必要に応じては先年統一した村有財産の造林地もこの機会に払下げを行って罹災村民に便宜を与える方針であると。