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御救恤金の伝達式  本日宮城県下十四ヶ所一斉に   交附金額、出張官吏決定

宮城県下の震災につき特に天皇、皇后両陛下より御下賜あらせられた御救恤金金八千円の伝達式は昨報の如く二十日罹災十七ヶ町村に対し十四ヶ所において一斉に挙行するが御下賜金交付標準伝達金額の町村別額、伝達日附、場所、伝達のため出張するものの官職氏名等左記の如く決定した
  【御下賜金交附要項】
 一、死亡者、行方不明者一人当
 十円、
 一、負傷者一人当四円、
 一、住宅全流失一世帯当七円、
 一、住宅全潰一世帯当五円、
 一、住宅半流失、若しくは半潰
 一世帯当二円、
 一、住宅床上浸水—世帯当一円
而して伝達を受けた町村長は住宅の罹災者について世帯主に、死亡者、行方不明者についてはその遺族(遺族なきときは葬祭を行う者)負傷者に対してはその本人(又は世帯主)にそれぞれ交付する、
  【伝達の日時、場所】
日 時  場 所 伝 達 伝達の
         町 村 為出張
             の官吏
二十日  唐桑村 唐桑村 二見内
午前十時 役場      務部長
同    気仙沼 大島村 二見内
         鹿折村
午後二時 警■察 階上村 務部長
         大谷村
同    小泉村 小泉村 小川官
午前十時 役場      房主事
同    歌沢村 歌津村 小川官
午後二時 役場      房主事
同    志津川 志津川 木村兵
午前十時 町役場 町   事課長
同    戸倉村 戸倉村 木村兵
午後二時 役場      事課長
同    十五浜 十五浜 渡辺
午前九時 村役場 村   会課長
同    十三浜 十三浜 渡辺社
午後二時 村役場 村   会課長
同    女川町 女川町 桂特高
午前十時 役場      課長
同    荻浜村 荻浜村 桂特高
午後二時 役場      課長
同    大原村 大原村 鈴木警
午前十時 役場      察部長
同午前十 鮎川村 鮎川村 鈴木警
一時   役場      察部長
同    閑上町 閑上町清水谷学
午後二時 役場     務部長
同    坂元村 坂元村 猪股農
午前十時 役場      務課長
  【御下賜金伝達金額】
 ▲一、四七三円唐桑村▲五一円大島村▲八二円鹿折村▲四〇円階上村▲四四円、大谷村▲三三五円小泉村▲一、三八二円歌津村▲一〇〇円志津川町▲一〇三円戸倉村▲二、二七七円十五浜村▲四七八円十三浜村▲三〇三円女川町▲五■円荻浜村▲一、一〇一円大原村▲四五円鮎川村▲三円閑上町▲一三一円坂元村▲八、〇〇〇円

被害世帯実に一千五百  宮城県の正確なる調査

御下賜金伝達に当り宮城県では罹災調査の正確を期すため町村当局警察署、県派遣官吏の各々調査一致まで慎重を尽し、問題の十三浜村に属する分が十八日に至り漸く調査一致を見たので別項の如く伝達金額を決定確定した被害状況は
 死亡及行方不明者   三〇六人
 負傷者        一四〇人
 住宅全流失     三九二世帯
 住宅全潰       八七世帯
 住宅半流失及半潰  一五七世帯
 住宅床上浸水    八九一世帯
以上の如くで死亡、行方不明、負者の外被害世帯は実に一千五百傷二十七世帯に及んでいるその町村別調査は左記の通り
 町   死行   負  住   同    同及   同
 村   亡方      宅   上    上び   上
 別   及不   傷  全   全    半半   床
      明      流   潰    流潰   上
             失        失    侵
                           水
唐桑村  五八   九  九三  一六   一一  一〇五
鹿折村   四   二   一  —     二   二三
大島村  —    二   三   一    三   一一
大谷村  —   —    六  —    —     三
■上村   一   一  —    二   七三     
小泉村  一五   八  二〇  —     二    九
志津川  —    三   二   二    一   六二
戸倉村   一   六   五   二    四   一六
歌津村  八四  二一  六〇  —    一二   一五
十三浜  一一   九  三三   八   一三   三五
女川町   一  —   —    三    八  二六二
大原村  六二  二三  四〇   三    三   八九
荻浜村  —   —   —   —    —    五二
鮎川村   一   二   一  —     二   一六
十五浜  六八  四二 一二八  三九   八二  一七五
閑 町  —   —   —   —    —     二
坂元村  —   一二  —   一〇   一二    九
計   三〇六 一四〇 三九二  八七  一五七  八九一

震災地への寄贈品  その後も相当

三陸罹災地方は災害の痛手を忘れひたすら復興の途上にあるが全国各地から寄せられる同情義捐品はその後も相当あり仙台駅には連日連夜同情の結晶義捐品が到着する関東震災の罹災地方からは目立って多く同情を寄せられて居るのは報恩の表示であろう、だが噂も七十五日が立前で昨今に入って寄せられる義捐品の数が流石に激減している仙台市清水小路合同運送の一部に借家している宮城県庁震災義捐品取扱所では
 七日開設依頼既に気仙沼出張所に一千百三十九梱、志津川出張所へ一千九十三梱、石巻出張所には二千五百二十一梱、亘理坂元へは二百三十一梱を送達している
これ等は何れも全国各地から寄せられた貴重な同情品で衣類が八割を占めているがこの頃罹災地方では食料品炊事道具寝具類等の欠乏を訴えているのを聞き伝えてこの種の寄贈も数多くなったと係員は感謝している。

松川小部落の  復興遅々   バラック建設   僅かに六棟

宮城県下の罹災地中兎角の噂あった本吉郡十三浜村では相川、小指両部落の全潰、流失家屋に対し一戸あたり六十円、半潰には三十円を補助をして四十棟のバラックを建設することとなったが、目下のところ自費で建設した六棟のバラックがあるのみで他の罹災者は今以て親族等に同居してる有様である。一方十五浜村における罹災者収容のバラック建設は村当局の活動よろしきを得て雄勝部落では四十戸完成、二十三戸も数日中に完成すべく、荒部落では十一戸建設成り全部罹災者を収容した。

青年団員総出 動で死体捜索

桃生郡十五浜村雄勝青年団員六十名は十九日今回の海嘯で行方不明となった部落民の死体を捜索すべく出動、附近海上の大捜索を行った。

犠牲者死体発見

本吉郡小泉村今朝磯光石川重太郎は十九日午前六時ころ同村二十一浜沖合で刺網演業中死体を発見した。気仙沼署で検視の結果海嘯で行方不明となった小泉村中館賢之助(二四)と判明。

震災義捐金宮城 県扱い六万余円

宮城県下震災に対する義捐金は県庁取扱の分のみで十七日現在六万二千八百二円九十七銭に達した。

災害地の感冒

災害地の感冒流行其他に就き石巻署で調査中だが、十九日午前中に判明せる分は女川町感冒六名、凍傷三名外五名で大原村では感冒六名だ■である。