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災害を少くした  勇敢な従業員   仙逓局で十四名表彰    功抜群の佐藤ひめ嬢

仙逓局では今次三陸方面大震海嘯に当り危難の真只中に身を挺しながら敢然職務のため身をも家をも顧みず■手よく大衆のためにその災害を滅殺した勇敢なる従業員の表彰を行うべく調査中であるが就中その巧抜群の故をもって目下主務大臣の表彰方を申請中のものは岩手県大槌局の交換手佐藤ひめ嬢で彼女は三日午前二時三十分強震後間もなく津浪来襲の凄音を耳にするや一身の危難も顧みず直ちに事態を山田、釜石の両局に急報したため両地方の被害甚大なるにもかかわらず死傷者の数が少なかったことは彼女の沈着なる行動に負うことが多いという理由である、なおその職責のため危難に善処した左の十四名に対しては仙逓局長より表彰を受くる筈になっている 宮城県の分、雄勝浜局集配手杉山正勇、唐桑局水路郵便請負人吉田万六
 岩手県の分、釜石局交換手、宮館俊子、同伊藤ひさの、同叶井たか、同佐藤みわ、同佐藤ゆき同鎌田はる子、山田局交換手沼崎つい、同内館あき、同湊ちや綾里局逓送手橋本富之助、同集配手原一之、細浦局事務員高橋太栄
更に仙逓局長は左記七名の死者に対し弔慰金を贈ると共に罹災従業員百二十五名に対しそれぞれ十円乃至三十円の慰労金を贈った、
 殉職々員、普代局長大村謙三、重茂局集配手渡辺由吉、田老局事務員畠山元由、同集配手武藤佐平、同運送手黒田善八郎、同運送手村田留吉、雄勝浜局集配手杉山正男

バラック進工  十五浜両部落  に二十三戸

桃生郡十五浜村の罹災者を収容するバラック工事はその後進捗し十五日までに雄勝部落に十四戸、荒部落に九戸建設された。

配給を羨んだ  一部の策動   御崎部落の陳情一蹴    資金調達を斡旋する

本吉郡唐桑村御崎部落四十二戸の代表者六名が本月十二日同村役場に対し漁船漁具流失破損等のため失業し其日の生活にも困るから救済してもらいたいと申出たとのことを問知した気仙沼署において内偵した所、御崎部落は居家その他の建物には被害はないが、部落民四十二名共同所有の発動機船一艘小船十四艘が流失破損し約九千六百三十円の損害を被り、出漁不可能の状態にあるのは事実だが四十二戸中半数は相当の資産を有し、資産がないものもその日の生活に窮するが如きことなく救済を申出でた目的は、
 他部落の罹災者が当局の救済を受け慰問金品の給与をうけているのを羨み、その配給を受けんとして一部のものが策動したもので全部落民の意思でないことが判明した。
村当局はこの種のものを罹災者として救済するとすれば全村民を救済せねばならぬのでその陳情を一蹴し、ただ漁船漁具の新造調査については県当局から資金の融通を取くるよう斡旋することとなった

十五浜校修理  東二青年団の  仁侠で進工

海嘯のため破損した桃生郡十五浜村雄勝小学校は仙台市東二番丁青年団が義侠奉仕的に修理することとなり団長菊地次郎君は青年大工十二名と共に雄勝に至り十五日から工事に着手したが、同小学校の修理後は一般罹災民家の修復に従事する。

少女の死体  荒海岸で発見

水難救済会宮城支部の海嘯のため行方不明者の捜索は十五日も早■から行われたがうち桃生郡十五浜村荒海岸附近で■■作業中の捜索船は午後二時ころ荒海岸を隔る三丁余の沖合の海底から少女の死体を発見飯野川署で検視の結果十五浜村船越字荒七ノ二亀吉三女高橋みえ子(九つ)と判明した。