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宮城県の被害総額  三百五十四万何千三百円   知事、状況報告の資料纏まる    判明せる種別と内訳

畏きあたりへの御礼言上並に震災状況報告を兼ねて善後措置のための国庫補助申請其の他震災関係にて上京の三辺知事は、震災の被害状況報告のため正確なる調査を急がしめていたが十一日判明した被害種別と被害額等左記の如く実に三百五十四万七千三百六十七円に達した。その内訳は左記の通りである(単位円)
耕地関係 一四七、三一五(内訳)▽田地三二、三九丸▽畑地一四、九二五▽開墾地四八、○○○▽溜池一七、七○○▽樋■二八、五○○▽用排水五、八○○
土木関係 九四六、二一五(内訳)▽道路三五二、一○六▽橋梁二五、七九○▽河川六、○○○▽海岸三七四、七九七▽小計(以上県施設)七五八、六九二▽道路五二、七三○▽橋梁二、○○○▽海岸一三二、七九二▽小計(以上町村施設)一八七、五二二
農畜関係 三五一、○六七(内訳)▽畑作物二一、七九○▽穀物一七、八五四▽農具一三、一六六▽農舎三三、二六○▽桑園八三、八七一▽蚕室蚕具一六五、九九六▽畜産八、四五○
産業組合 六、六八○
水産関係 八九一、四二○(内訳)▽船舶一八一、一二四▽漁具一八六、七二○▽建物(共同施設)一三、六○○▽船溜船揚物八九、四九○▽製造工場加工品三一三、三六六▽養殖及養殖場一○七、一二○
家屋其他 一、○九九、二○五(内訳)▽家屋五六二、○七六▽其他不動産五三七、一三九
商品 一○○、○○○
電気関係 一二、一四五
合計 三、五四七、三六七

災害応急施設資金  緊急県参事会決議の内容   限度外の支出も認む

震災対策緊急参事会は十一日午後一時半から開会、漁船建造費、耕地復旧、養蚕対策等の震災海嘯応急施設資金として町村への転貸その他応急施設諸案を附議したが決定の事項は、
一、七年度追加予算、警察費七千二百八十二円計上(震災並海嘯警備費)財源国庫補助
一、警察庁舎修繕費六百五十九円(国庫補助)
一、教育費補助二万■千九十三円(国庫補助)
一、勧業費補助六千円(■水産組合へ補助)財源公園会計より運用
一、県債費百五万二千六百七十九円(内十七万六千円は応急施設資金その他は高利債の低利借替)財源百■万二千円県債六百八円、国庫補給金、七十一円雑入
一、貸付金十七万九千六百円内十万円漁船建造費四万七千円耕地復旧費、一万六千八百円、種苗共同飼育並農具費一万五千五百円、夜具並■家■(財源起債)
一、震災並海嘯応急諸費三万七千百五十五円(国庫補助)
一、罹災救助基金積立金中より二万百十三円を知事の専任により流用、これで十一万四千八百十一円を追加し既定予算を合し十四万二千八百十三円をもって左記の通り支出する、食費一七三一二円、被服費二○、九○七円、治療費五八八円、小屋掛費二三、○七○円、就業費四三、四九四円、学用品二、二五○円埋葬費三、○三○円、運搬費二七七三円、雑費一、三八七円
以上の外罹災救助基金管理支出及補充規則第四条により限度の二倍以内の給興をなし得る様限度外支出の件を決議した。

二十ヶ町村の  税金収入減   町村費支出を要する場合は    基本財産流用を勧める

今回の震災被害による町村の収入減並これが対策につき県地方課では被害三町十七ヶ村、
 閖上、坂元、宮戸、十五浜、大原、女川、鮎川、荻浜、志津川戸倉、十三浜、歌津、小泉、御岳、大谷、階上、松岩、鹿折、唐桑、大島
以上につき調査した結果、町村税の収入減を予想されるものは、運戸数割九千六十四円、家屋地租附加税一千三百十六円、家屋税附加税七百四十三円、舟税一千百六十三円、過年度収入一千三十円、合計一万三千三百二十円
以上を見込まれているが此外町村費をもって、復興すべき土木関係の復旧費七万五千円を予想されている然して前記二十町村の基本財産は帳簿面において三十一万二千余円あるが事実は盛銀関係その他許可を求めず流用している等、相当減額されているが町村の歳入欠陥、その他町村費の支出を要する場合はこれ等基本財産の流用、用を勧める方針である。

満州国民間も  義捐金募集   三陸震災に同情

【新京十日発連合】東北地方の震災義捐金募集につき満州国は早くも各国に先んじてその義学に取りかかり既に中央政府は張景恵氏を委員長、栄厚中央銀行総裁を副委員長として中央救済委員会を組織しその実施方に関して鋭意協議を重ねている、
一方民間側におちても昨秋の北満水害に対して寄せた日本の好意に酬ゆるためと東北地方出身の将兵が討熱工作のため甚大な功績を残し三千万民衆を今日の楽土に導いた労苦に酬ゆるため義捐金募集に着手する事になった。

復興への歩みを  力強く踏み出   きのう十六町村長の対策協議会    急速合理的なる処置

宮城県では震災町村中の被害甚だしき十六町村長を十一日午後二時より県庁会議室に招集し、震災対策事務打合会を開いた、招集された町村は、
 唐桑、鹿折、大島、松岩、階上大谷、御岳、小泉、歌津、志津川、戸倉、十三浜、女川、鮎川、十五浜
以上各町村長で漁船建設費交附、罹災救助、慰問金交附、被害耕地に対する復旧事業等につき決議したが漁船建造費は
 貸付金の内定通知書を町村長に交附し、町村長は同内定書で造船業者と契約し竣工した場合建造船を所要者に交附して転貸手続きをとること、而して町村長は町村会を招集して決議を経て資金借入と起■許可の申請をなすこと、貸付金の交附を受けんとするものは造船契約書を添附差出すこと
等急速にして合理的な処置を採り以上の外、漁業就業資金の供給、就業用具調達等その他罹災救助基金より支出救助金の運用、慰問品の分配、被害耕地の応急処置、農具、種苗の配給等につき協議を重ね復興への歩みを力強く踏み出す事となった。

震災地地租免除  猶予案議会に提出   きのう臨時閣議で決定

十一日の院内臨時閣議において三陸地方震災地租免除並に猶予等に関する法律案を決定し議会に提出することになった。

震災地免租  法案愈よ衆議院に提出

政府は去る三月三日の三陸地方の震災及これに伴う火災海嘯による被害者に対し租税を免除しその徴収を猶予する必要があるところから
一、震災被害者に対する租税の免除猶予等に関する法律案
を十一日衆議院に提出した、同法案の全文左の如し
【震災被害者に対する租税の免除猶予等に関する法律案】
第一条 政府は震災(昭和八年三月三日の震災及これに伴う火災又は海嘯等以下同じ)に依る被害者の震災地における納附すべき昭和七年度第三種所得税第四期分について命令の定むるところによりこれを免除すること得
第二条 政府は震災により著しく利用を妨げられたる土地につき命令の定むるところによりその地租を免除することを得
第三条 政府は震災地において納附すべき昭和八年度分の第三種所得税個人の営業収益税及乙種資本利子税に限り課税に関する申告及び申請並に課税標準の決定に関し命令を以て特例を設くることを得
第四条 政府は震災地において昭和八年三月三日以後に納附すべき租税につき命令の定むる所によりこの徴収を猶予することを得
第五条 第一条、第三条及び前条の震災地は命令を以てこれを定む
第六条 第一条または第二条の規定により免除される租税は法令上の納税資格要件に関して免除せられざるものと見做す前項規定は北海道地方税及び県税にして震災地より減免されたものにつきこれを準用す
附則 本法は公布の日よりこれを施行す。

災害対策協議

(上)宮城県会全員協議会=議事堂=
(下)町村長の打合せ会=県庁=