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側圧 義捐金ご慰労金

今回の三陸地方の災害にわが大仙台市は県内罹災者に金五千円を、その他に金一千五百円を義捐金として出したということだ。私はこの六千五百円が、仙台市として多いか少ないかというのではない、ただ不思議に思うのは市長や助役が退職の時に貰う慰労金に比して適当かという事だ。
一は家族を失い、家財を失い、寒風にさらされて真に生死の巷にあるもの、一は沢山の資産を擁して生活し得るもの、しかも、それはただ一人に対する幾千百人の身の上だ、それとこれとを比べて、その差が余りにも甚だしいではあるまいか。
私は近き将来において、真に愛市愛郷の心を以てたて市会が何を決議しようが、慰労金などを貰わない様な市長や助役の出づることを望んで止まない、実際官吏等で僅かに二年や四年勤めたからというて、一万だ二万だと退職賜金を貰うものがありましょうか、それも名誉市長という様に、無給或は薄給の人ならば別問題だ、現職中三千円だ五千円だという俸給を貰って居れば、今日の世態から見て敢て不足だとは思われない。
私は斯■にいったからというて、何も一部の階級を呪ったりする何んとかいう■な者ではないという事を断っておく、市長に対する感謝の念では、敢て人後に落ちない積りだが、感謝の方法はこれを他に求めたい、市庁舎に大写真を飾って功績を記念するのも可、記念品を贈るも可この方法によれば、精々四五百円もあれば十分でしょう、そして斯くの如き方法こそ高潔なる「われ等の市長」に対するふさわしい礼ではありますまいか、斯様にして市費の剰余を蓄積するならば今度の如き災害にもっともっと同情を表し生活に迷う人々に幾分なりとも多く救助の手を延ばし得る筈だ、市長にこうした高潔な心があってこそ市民の父であり「われ等の市長」として尊敬と信頼を受け得る権威もつくというものだ。(佐藤生)