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三陸地方の海底異変で  魚群磐城沖に移動   滅多にとれない魚が網にかかる    ここに二三日来大活況

岩手、宮城両県下における今回の稀有の詩人は金華山沖合を震源地とするだけわが国三大漁場の一つたる所いわゆる三陸沖の海底の何等かの異変が生じたものの如く魚群は俄かに姿を消したといった、状態を現出するに至ったので同地方における今後の海洋産業は頗る重大視されることとなったが、この三陸海底の異変がはからずも反動的に福島磐城沖合いに好影響を■したものか磐城沖を中心とする近海底曳漁業は二、三日この方大豊漁を見漁夫連を驚かして居る、この豊漁は或は一時的現象ではないかとも見られて居るが、しかし何れにしても磐城浜で滅多にとれない珍魚が続々網にかかるので三陸地方地震の結果によることは疑いなく磐城浜は他県の禍を外に非常な活況に包まれて居る、右につき同県小名浜町水産試験場飛塚場長は語る、
 三陸地方の海底に異変が生じた結果海底が攪乱されたため敏感な魚群が他に移動したことはあり得る、しかしそれが本県沖合に移動して来たかどうかは未だ調査されていないが底曳網の豊漁に続いて珍魚が漁獲されたことは或は三陸地方の海底異変が当地に好影響を齎したのかも知れぬ現に鰯が地震前大漁を見たことによっても判ることであるが詳細は調査の結果によって判明するだろう。
 沿岸漁民諸君はこの貴重な体験により漁業組合でも組織し根本から更生することが必要であろう個人個人に対して復興資金を支出することは全く至■であるから団体的に更生し、これに低利資金を運用して貰うことが大切である県当局も漁村の組織改革に先ず着目すべきである−
と教えている。

臨機の処置  印鑑通帳を紛   失した向いの

罹災地方の預金者に対し郵便局は勿論、民間銀行方面は出来るだけ簡便な方法に依り預金の非常払い出を行っているがあの突発惨事で印鑑や通帳を紛失した向に対しても左の如き臨機の処置を取ることを広告している
△七七銀行 女川、鮎川、志津川気仙沼、石巻の各支店では何れも臨機応変簡便な方法で預金の払出を行っている、通帳や印鑑を失った向に対しても適当な保証人を附して代印で即時払を行うことになっている。
△宮城貯蓄 気仙沼、志津川、女川方面の各代理店に対し取りあえず四月三十日まで非常払出を行うことになった、定期積金の中途解約者に対しても相当の利息を附して即時払を行う外印鑑通帳紛失者に対しても適当の保証人を附して払出を行う、なお定期積金を担保として資金の借入希望者に対しては掛込金の範囲内で簡便に取り計らう方針である。
△東北実業貯金 鮎川、志津川、女川、石巻の各代理店は目下適宜の方法で預金の払出に応じているが印鑑や通帳の紛失者でも代印で結構である、定期積金の解除や払出も行っている。
△農工銀行 罹災地関係の預金は皆無であるが簡便第一主義でやっている。

地震で流れた  酒二百四十二石   九万七千円の酒造税がフイ    仙台税務監督局調査

先般の地震で東北各県酒造業者が受けた被害高、酒の流失量は今般やっと判明した、これによると仙台税務監督局管内の酒屋さんが一朝の地震で無為に流失して了った酒は総数二百四十二石五斗一升に上りこれによって酒造税が九万七千円フイになってしまった、酒造税の減額査定については各酒造業者の深刻を待って決定される筈であるが石当り四十円の税額によって算定される訳である関係各県別税務署の被害額は左の如し
 ▽宮城県、仙台十三石、古川六十五石五斗、築館十八石五斗、石巻八石二斗▽岩手、遠野四石▽福島、須賀川二石六斗、坂下二石六升△秋田、秋田十一石七斗大館四石六斗、能代二石四斗、本荘七石一斗、大曲十四石九斗一升、横■十石▽青森、弘前三石二斗、野辺地八石七斗▽山形酒田三十一石一升、盛岡二十九石四斗、米沢五石