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災害復旧工事費  宮城県と町村分で五十五万余円   参事会か臨時県会に附議決定    国庫補助、八割五分か

宮城県では罹災者に対する救恤の徹底、復興計画と事業の実施を急ぐと共に、道路、橋梁、河岸、海岸の堤防、港湾の改修を急速に行う事となり県土木課で調査中であったが、これ等復旧工事は県工事八十八ヶ所四十四万六千五百三円町村工事四十一ヶ所七万八千二百五十九円、小計百二十九ヶ所五十二万四千七百六十一円、これに要する雑費三万一千四百八十五円を合し五十五万六千二百四十三円を要する、而して県は、県参事会又は臨時県会に附議して予算支出を決定し、国庫補助を申請するが、京都丹後の地震被害の復旧、関東大震災当時の復旧費国庫補助は何れも八割五分であったから今回も県工事及町村工事の復旧事業費に対しては同様八割五分の国庫補助あるものと見られている。

救護出張所

災害地救恤品の配分及救護事務の円滑をは■るため左記三ヶ所に宮城県救護出張所を設け主任以下六名を配置し六日から事務を開始したが一層敏活に配送するため仙台駅前に出張所を設けこれも六日から事務を開始した。
△石巻救護出張所(石巻警察署内)女川町、大原町、荻浜村、鮎川村、十三浜村、十五浜村
△志津川救護出張所(志津川警察署内)志津川町、小泉村、歌津村、戸倉村
△気仙沼救護出張所(気仙沼警察署内)唐桑村、鹿折村、大島村、大谷村、階上村、松岩村、御岳村
△仙南罹災地の閖上町、坂元村は県直接事務取扱

救助基金  前渡金額   払下米政府給興

六日別表の通り宮城県下罹災町村十三ヶ町村に対し罹災救助基金一万八千八百三十五円を前渡し九ヶ町村に対し政府米の払下を受け百九十二石を(十五浜村六十石、十三浜村四石大原村十六石、女川町四十八石、志津川町九石六斗、戸倉村六石四斗、歌津村十二石八斗小泉村五石六斗、唐桑村二十九石六斗)現品給興した。(単位円)
町村名   食費   被服  小屋掛  就業   学用品
坂元    − −  − 一○八    −
十五浜 一○二○ 一三六○ 二四○○ 一○八○   五二
志津川  一二二    −  一二○    −    −
戸倉    八二  一八○  三六○   五四    −
十三浜   七四  三八一  七二○    −    −
歌津   一五六  五■九 一八二四  二八八   五三
小泉    七一  一四九  四○八   七六    −
大谷    五八   三六   九六    −    −
鹿折    一九   六二   二四    −    −
唐桑   三七二 二三○二 二一六○    −  一八○
大島     九   九四    −    四    −
大原   二七四  七■○    −    −    −
女川   七七六    −    −    −    −
計   三■三三 五七九三 八一一二 一六一○  二八■  

仙台市の  義捐金分配   一町村当十円    合計五千円内訳

仙台市では七日の緊急市会で決定した被害地方への議千金五千円を被害町村に対し一町村当り十円、死亡行方不明一人当九円、家屋の流失倒壊一戸当二円宛として左記の通り分配して直ちに送金の手続きを採った(単位円)
唐桑村    六五○ 鹿折村     七○
大島村     五○ 大谷村     三○
階上村     五○ 小泉村    二○○
御岳村     三○ 志津川村    六○
戸倉村     八○ 歌津村  一、○○○
十三浜村   二○○ 鮎川村     四○
大原村    三五○ 女川町    一○○
十五浜村 一、六○○ 坂元村    一○○
計 三、○○○

復興への第一歩  まず小漁舟建造   十一日参事会にて決定    宮城県復旧計画案

三辺知事は八日知事室において災害地復興計画中第一段になすべき事項について、関係部課長を集め重要会議を開いた結果、被害民をして一日も早く生業につかしめるために最重要なものは小漁舟の建造であるので、これだけは追って臨時県会が開かれるといなとにかかわりなく、一刻も早く手配をなさしめる必要ありとのことに一決これに要する費用を十一日の参事会に提案すべく準備をいそぐこととなった。
 建造費は一隻百円の見込であるので、至急建造を必要とすべきものを千七百隻として十七万円を必要とする。
右費用の転貸関係その他については未だ決定しないが多分県の転貸となるべくこれに対し一部補助をも行うこととなるであろう。建造のために要する日数は一隻一週間として、造舟能力等の関係を考慮しても本月中には全県下災害漁民はもれなく就業することとなる見込である。
なお十一日の参事会に提案されるものは、この外に別記土木関係、耕地課関係の■菜園復旧費救護関係係員の出張、救護品の発送賃等で既定予算計上の罹災救助雑費を起■する部分の費用等で、かくて第一段救護、復興計画は十一日の参事会を以って決定せられこれに基いて全災害民は雄々しき復興への第一歩を踏み出すこととなるわけである。

収支の差愈々甚し  罹災町村の財政状態   結局起債、但償還が難物

災害善後処置に関し、今まで一般に問題とされ来ったものは主として個人生活に関するものだが、つづいてこれ等被害町村の財政救済を如何にするかが重大な問題として考慮されて来た。次ぎに被害町村従来の財政状態を大体等級別に示せば、
 △気仙沼下△唐桑中△志津川下△大島下△戸倉中ノ下△階上中ノ下△十三浜下ノ下△大谷中△御岳中△大川中△小泉下ノ下△十五浜中ノ下△歌津中ノ下△女川下△大原下△荻浜下△鮎川下ノ上△坂本中ノ下△閖上下
といって状況で、これ等の町村は大体においてその殆ど全部が財政状況思わしからず、たださえこの収支不均衡をどうするかは、かねがね考慮され来ったところであった。そこへ今度の災害に見舞われたのであって、
 ために町村の支出は却って増加するに反し、収入は激減する。たとえば、これ等の町村では国県税の減免に準じ、戸数割の減免を行わねばならないことになるであろうが、それによって失われる財源を何によって補充するか
同一町村内に災害に見舞われない富有の人々が相当にあれば、一方の減免をこの人々に対する重課を以って補充することができるが、大部分の被害町村ではそんなことをなし得る余地がない、結局起債によってこれを補充するより外に道はないが、その償還計画を如何にたてるか、これが難問でこの難問を切りぬけるためには
 県において一定の当該町村ないし町村民団体の事業計画をたてさせその収益を目標に低利資金融通の斡旋■もするよりは外はないではないか
と見られているが、いづれにしてもたださえ収支均衡がとれず、旧債償還のための起債までせねばならぬ状態にあったこれ等町村を浮かびあがらせることは極めて困難なこととその前途を憂慮されている

宮城県参事会  十一日に繰上げ   県会開否決定

宮城県では定例県参事会を繰上げ来る十一日午後一時から県参事会を開き今回の震災に対する各種の善後対策施設並復旧事業関係を附議することになった、なお同日午後二時から伊丹県会議長は県会議員全員の協議会を開く旨通知を発したが同協議会に過般の協議により被害地調査の県会議員の報告を求め、臨時県会召集を県に要求すべきか否かを決定することになった。

民政党委員  震災対策成る   府政に進言実行せしむ

民政党の三陸海嘯対策委員会長内ヶ崎作三郎氏外各委員並に党を代表して震災地を慰問した本田、加藤大島三代議士は八日午後三時院内に会合し実地視察の結果に基き協議の結果左の対策を決定しこれを政府に進言して実行を講せしむる事となった
一、応急対策
 (イ)漁船、漁具、船溜、船揚場等の復旧
 (ロ)住宅の復旧
 (ハ)土砂埋没耕地関係、農業関係の復旧
 (ニ)道路、堤防、土木関係の復旧右に必要なる長期返還低利資金の融通、半額国庫補助
 (ホ)地租、所得税、営業収益税の一般的免除及び長期延納
 (ヘ)衛生検査及び疫病の予防
 (ト)船大工を各県より招集して急行せしめること
ニ、恒久対策
 (イ)防波堤修策
 (ロ)住宅地域の制限
 (ハ)住宅地の調査
 (ニ)漁村区域の整理
 (ホ)防風波林の設定
 (ヘ)三月三日を三陸海嘯記念日として三陸地方の各小学校に於て海嘯に関する講演会を開き災害の記憶を新にし併せて海嘯避難の訓練を行わしめること
 (ト)太平洋潮流及び金華山における海嘯の原因調査研究す。

牛馬の死傷  第二師団獣医   部の調査結果

第二師団獣医部では県下主要災害に就て家畜の被害を調査中であったが馬匹の斃死頭数左の如く判明他に牛、豚の被害若干あるが其数判明しない
 亘理郡坂本村一頭、牡鹿郡大原村八頭、本吉郡十三浜村三頭戸倉村一頭志津川町一頭歌津村五頭唐桑村五頭合計二十四頭

塩、煙草の被害  状況調査   鈴木副参事ら

仙台地方専売局管内三陸一帯の煙草小売業者の罹災夥しく■、煙草類の損傷が莫大に上るとの報告により本省から八日鈴木副参事が現状調査の為急遽来仙、同日仙台局内にあって各地からの情報を聴取した上九日早朝橋口事業課長の案内で前後一週間に亘る予定で三陸方面を視察する。

釜石鉱山復旧  諸井■鉱局鉱   政課長帰る

釜石災害の状況視察のため出張中の鉱山監督局諸井■政課長は八日朝帰仙したが釜石釜山の損害について語る
 釜石専用の桟橋の一部損傷その他運搬軌道クレーン等に被害あり損害は約五万円に達する模様であるが鉱山当局は時折柄註文殺到に追われているため三日以来一部の休止を行ったのみで今日では全く常態に復し製■能力を極度に発揮している。