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被災商品を処分 塩釜

津波被害を受けた塩釜市海岸前、
本町、北浜の被災商店では同市と
商工会議所のあっせんで被災商品
の一斉処分を二十八日から一週間
それぞれの店頭で行なう。なお北
浜地区の各材木店でも板材、角材
の処分を同じ期間中に行なう。

国籍を越えた愛の手 仙台の一米人 “子どもの面倒みたい”  被災者へ衣類をどっさり

二十八日の昼過ぎ、一人のアメリカ人が日赤県支部を訪れた。大きな袋いっぱいに衣類をつめて、津波で困っている人にあげてく
ださいという。そしてたどたどしい日本語で「ツナミで家をなくした人や跡片付けで忙しい家庭の子どもさんを、十人ぐらいならワ
タシの家で当分面倒みてあげましょう」と申し出た。被災者の惨状がみるにしのびないので、せめて子どもの世話だけでもさせて
ほしいというのだ。国籍を越えた暖かい“愛の手”だった。——。
この米人は仙台市原町小田原天還
前上一二ノ五の元軍人ジェームス
・F・サケットさん(四四)。妻の光
子さん(三一)と二人暮しをしてい
る。長いこと日本に駐留、その後
故郷ペンシルベニアに帰っていた
が、最近除隊したのを機会に“日
本に永住したい”とこの春来日、
光子さんの出身地仙台に居を構え
たばかり。たまたま二十四日津波
が三陸海岸を襲ったということが
二人の話題になった。各地から惨
状を伝えるニュースがはいるたび
に、子ども好きの二人は「被災
者の子たちはどうしているだろ
う」と心配した。ジェームスさん
夫妻は結婚十年になるが子どもが
ない。欲しいと思っても死産した
り、生後一週間で死んだり、子宝
に恵まれなかった。それだけに恵
まれぬ子のことが人一倍気にかか
る。
 「家のない子もいるだろう。子
 どもがいてはこの際手足まとい
 で困る家庭もあるだろう。津波
 の跡始末がつくまででもそんな
 家庭の子をうちに引き取ってみ
 ようか」ジェームスさんの提案
 にもちろん光子さんも大賛成だ
 った。幸い同家は部屋が六つあ
 り、三部屋ぐらいはあけられ
 る。ふとんも二人一緒に寝ても
 らえば十人分ぐらいはある。思
 いついたジェームスさんは、早
 速、日赤県支部に出向いたのだ
 った。
ジェームスさんは、かつて横浜に
駐留していたとき、毎週一回孤児
院の子を招待してかわいがったと
いう根っからの子ども好き。そし
て“日本人は親切だから大好き
だ”という大の親日家だ。近いう
ちに軍属の仕事でもしたいといっ
ているが、いまは除隊後をのんび
り過ごしている体。いつでもヒマ
だから、子どもたちと遊んでやる
ことができるといっている。
 ジェームスさんの暖かい申し出
 を受けた日赤県支部は、快くこ
 の好意を受け、早速被災地に連
 絡するという。
 ジェームスさんの話 小さな子
を抱えていては、災害の跡始末を
する家庭も大変だ。整理が落ち着
く間だけでも私の家を開放したい
私も妻も子ども好きなので十人ぐ
らいは面倒みれると思う。

二十万円を寄託  秋山太平洋汽船社長

 チリ津波
 で被害を
 うけた三
 陸各地の
 人々にと
 東京都千代田区丸ノ内一ノ二、
 太平洋汽船社長秋山竜氏が二
 十七日、ポンと二十万円の義援
 金を本社塩釜通信局に寄託し
 た。
太平洋汽船はこんど東北造船塩釜
造船所で三千六百トン級の貨物船を
つくることになり、同日行なわれ
た起工式のため秋山社長は塩釜に
きた。そこで悲惨な被災地をみて
「縁があって、これから東北のみ
なさんのお世話になるのだから、
お近づきのしるしというとヘンで
すが…」といって寄託したもの。
同社でつくる貨物船は、完成後は
東北電力の仙台火力発電所の石炭
運搬専用船になる。

白石で拠出運動

 白石市は二十七日午後二時から
 市内百四人の自治会長を集めチ
 リ津波の被災者について協議、
 満場一致で全市をあげて金品の
 きょ出運動を展開することを申
 し合わせた。
募金目標は日赤募金相当額の四十
万円に置く。そのほか衣類、食品
家具、食料品など六月二日までに
市役所、同出張所に集め、三日県
の津波対策本部の指示を得て被災
地へ発送する。
なお同市は二十五日の市議会全員
協議会で市から十万円を出すほか
市議は一人一千円、市三役は月給
の一割を被災地へ送ることに決め
ている。

大河原町で も救援運動

大河原町は二
十七日町内の
各種団体長を招き津波災害地救援
について協議、各団体とも全面的
に協力を申し合わせた。救援期間
は二十七日から六月十日までとし
期間中区長が中心になり運動を進
める。

予備費つぎ込む  県議会 復旧対策を協議

 (一面所報)チリ津波災害の復
 旧対策を政府、国会に要望する
 ため二十七日開かれた県議会全
 員協議会は、全員起立して四十
 二人の県下犠牲者に対して黙と
 うをささげたのち、三浦知事が
 総額八十六億七千万円に上る被
 災状況を報告、特別立法措置の
 実現へ協力を求めた。
これに対し芳賀勝郎(社)、遠藤要
(自)、木村幸四郎(明政)、平野博
(民社)各氏から「特別立法の実現
には賛成だが、県予備費を注ぎ込
んでキメのこまかい応急対策に万
全を期せ」とそれぞれ要望、また小
野寺誠毅氏(社)が「悪徳業者の
横行に事前に手をうってほしい」、
菊池清太郎(明政)が「離島、
陸の孤島の救援対策が不足してい
る」と質問したのに対し、三浦知
事は「予備費をできるだけ注ぎ込
む。県当局が手の回らないところ
も多いので、どしどし実情をしら
せてほしい」と答え、災害合同委
員会を設けて災害地の視察を行な
うことにして散会した。

赤十字国際委 救護課長来県  被災地を視察

 赤十字国際委員会のアンマン救
 護課長(兼振興課長)は、津波
 被害地の救護状況視察のため二
 十七日午前十一時四十五分着の
 全日空機で来県した。アンマン
 課長は北朝鮮帰還国際委員会代
 表としてさる二月から来日中だ
 ったが、被災を知って来県した
 もの。
仙台市北一番丁の日赤県支部で針
生事務局長らから災害の概要を聞
いたのち、県庁で三浦知事と会い
そのあと自動車で塩釜市や志津川
町を訪れた。アンマン課長は「日程
がつまっている
ので二十八日中
には東京へ帰ら
なければならな
い。岩手県の方
までみられるか
どうか判らない
が、できるだけ
くわしく視察し
たい。特に防疫
の状況や救護対
策の状況をみて
いきたい」と語
っていた。

新たに20億円融資 七十七銀行

 七十七銀行は二十六日、首脳会
 議を開き、チリ津波被災復旧の
 ため、新たに二十億円の別ワク
 資金を融資することにきめた。
 二十七日から八月末日まで申し
 込みをうけつける。条件次のと
 おり。
 ▽設備資金=一融資先五十万円
以内。期間三年以内。償還は原則
として一年すえおき以後月賦。金
利は日歩二銭五厘。担保は原則と
して県信用保証協会あるいは県漁
業信用基金協会の保障つき(保証
料は日歩三厘の見込み)、または担
保つき。
 ▽運転資金=一融資先五十万円
以内。償還一年以内。実情に応じ
てすえおきを認める。金利は日歩
二銭三厘。担保は設備と同じ。

赤痢のまん延に悩む  志津川 水道は六割も復旧

 チリ津波で死の町と化した志津
 川町は災害につきものの赤痢の
 発生に町民の悩みはさらに深刻
 となっている。志津川町防疫対
 策本部の調べによると、二十七
 日現在、真症赤痢一、擬似八人
 それに下痢患者二十八人を数え
 うち五人を隔離した。このため
 二十七日から自衛隊衛生班百三
 十人に気仙沼、古川はじめ仙北
 各保健所、日赤などざっと二百
 人の防疫陣で六班を編成、町内
 いたるところにある汚物、便所
 の清掃、町民の手洗い励行の徹
 底に努めるほか、避難所で保健
 婦、警察官の協力で患者収容班
 を編成、早期発見に努めてい
 る。
一方復旧事業は便所の取り払い、
道路の清掃に重点を置き、特に復
旧のさまたげとなっている道路上
の汚物は自衛隊の清掃班が二十七
日の夜間作業で全部処理すること
になった。また二十六日夜から全
戸に電灯がともり、水道は六割復
旧、さらに二十七日にはじめて
町内六ヵ所に配給所が開設され、
砂糖、米など救援物資の配給がは
じまったほか、商店街もぽつぽつ
開店、市民も一斉に立ち上がって
汚物、汚れた衣類の洗たくをはじ
めるなど、町はようやく生気を取
り戻しはじめた。これを力づける
ように同日自衛隊自慢のふろ部
隊、洗たく部隊も小学校に店開き
した。洗たく部隊は一日四千点を
処理、ふろ部隊は八百人を収容し
たが、ネコの手も借りたい被災者
たちは待望の入浴よりも復興に追
われるほど、日中は人かげもまば
らだった。
 なお渡辺厚相、福田農相が同日
 午後相次いで現地を見舞ったが
 ともに「予想以上に被害がひど
 く天災法の融資はもとより高率
 補助を考えているのでがん張っ
 てほしい」と語っていた。

早ければきょう開通  万石橋 本格的工事始まる

石巻地方の災害応急対策は急ピッ
チで進んでいる。二十七日は同市
渡波町の万石橋が落ち孤立して
いる牡鹿半島救援のため、仙台市
苦竹キャンプの陸上自衛隊第二特
科群第百十特科大隊二百三十人が
増子二佐の指導で万石橋を鉄舟で
渡河、さらにトレーラー、ジープ
など四十両と土木建築の用機具約
七〇トンを陸揚げした。同隊は桃
浦など津波でこわれた家や道路の
補修を開始、地元民の期待に応え
たほか、午後からは荻浜や牧浜方
面に向かった。
 一方、福島市の第六施設大隊は
 落橋の万石橋を二十九日まで応
 急修理して開通する予定で1ピ
 ームを現地に運んだ。きょう二
 十八日早朝から本格的な架橋工
 事をはじめるが、この工事は水
 底からレール状の鉄橋を立て、
 その上に仮橋を作るもので、早
 ければきょう二十八日の午後に
 は完成するという。

困りごと相談所開設  塩釜市

塩釜市内の津波被害地の復旧作業
は順調に進んでいるが、同市津波
対策本部は二十七日の会議で二十
八日から三日間、困りごと相談所
の開設などを決めた。これは同
市民生委協議会が主体となり同市
北浜町村田家具店前、寺下東園
寺、福祉事務所の三ヵ所に設ける
 また被災者に対し住宅金融公庫
 が無抽選で貸し付ける、国有林
 を市価の半額で払下げる、五坪
 以内の仮設住宅には国が全額補
 助するなどのことを周知徹底さ
 せるほか、漂流物の一覧表や市
 政だより臨時号を発行すること
 になった。

義援カンパを提案  宮教組、日教組大会に

宮教組は二十七日緊急県委員会を
開き六月四日、十七日行なわれる
安保阻止全国統一行動の体制を協
議、これに続いてきたる二十九日
から盛岡市民体育館で開かれる日
教組定■大会に提出する議■につ
いて話し合った結果、チリ津波に
よる県内の被災のため特に日教組
が全国から義援カンパするよう提
案することを決めた。

堤防26ヵ所流失  浦戸四島

塩釜市の浦戸四島では津波のため
堤防が二十六ヶ所で延べ一千メートルも
流失、決壊した。そのため同市津
波対策本部は二十七日応急工事用
として土俵五百個を急送した。同
島からの連絡だと津波のあったあ
と、いまなお潮位が高く堤防被害
は大きくなるばかり。そこで同本
部は仙台から求めて送ることにな
ったもの。

被災児童生徒 六千七百余人  県教委でまとめる

県教委が二十七日まで調べたとこ
ろによるとチリ津波による小、中
高校の被災児童生徒数は死者四人
を含め六千七百十七人が確認され
た。しかしいまだに連絡普通のた
め状況のはっきりしない学校が牡
鹿町の鮎川、網長、大原、寄磯各
小、中学校はじめ分校などを合わ
せて十八校あるのでこの数はさら
にふえる。
 また臨時休校を実施した学校
 (確認分は十校だけ)のうち授
 業再開したのは塩釜市の■戸一
 小と■戸中、津谷農の三校、志
 津河小、中、戸倉小、女川一、
 二小、女川一中、志津川高など
 は被害がひどかったり、被災者
 の収容にあてられているため授
 業どころではないようだ。
このほか社会教育施設関係(公民
館)は女川町だけでも■間、出島
飯児、横浦、大浦の五分館、鳴瀬
町の月浜分館、志津川町の志津川、
戸倉公民館が全壊または浸水して
六十万円以上の損害となっている

国会議員視察日程

 ◇衆議院農林水産委員会の吉川
久■(自民、長野)、金丸信(同、
山梨)、八木徹雄(同、愛媛)の三
氏と中山調査員の四氏の災害視察
日程は次のとおり。
 ▽二十九日=午後三時五十一分
仙台着、県庁で災害状況をきく。
 ▽三十日=午前九時仙台市発、
塩釜、牡鹿町を通って午後六時石
巻市着、一泊。
 ▽三十一日=午前九時石巻発、
女川町、志津川町、歌津町、唐桑
町を通って気仙沼着、一泊。
 ▽六月一日=午前九時気仙沼市
発、岩手県へ。
 ◇民社党の鈴木一(衆院、秋田)、
竹谷源太郎(同、宮城)の両氏と
同党県連平野博、同■務局長安斎
圭介氏ら一行の災害視察日程は次
のとおり。
 ▽二十八日=午前六時十分急行
「おいらせ」で来仙、県庁で説明を
きいたのち同七時五十分仙台市発
塩釜市、石巻市、女川町、志津川町
を通り午後六時気仙沼市着、一泊。
 ▽二十九日=午前九時気仙沼市
発、岩手県大船渡市へ。

対策本部設ける  川崎町の集団赤痢

 川崎町は同町野上地区の集団赤
 痢発生で二十七日川崎第二小学
 校に赤痢防疫対策本部を設け
 た。患者の収容は二十六日夜三
 十一人を川崎第二小学校の臨時
 隔離病舎に収容、二十七日わか
 った五十六人の患者も同日夕方
 から収容をはじめた。
保菌者宅の消毒は二十八日、その
家族の再検便は二十九日から実施
する予定。このほか全地区の再消
毒とシ尿処理も行なう。なお心配
されていた保菌者家族の田植えに
ついて町と部落で話し合った結果
保菌者でない人たちが応援するこ
とに決めた。

ネコババの 二人を起訴

 二十七日仙台地検は、津波災害
 につけこみ七万円をネコババし
 た二人の男を漂流物横領第一号
 として仙台簡裁に起訴した。
二人は塩釜市泉沢一、佐藤方、日雇
早村一夫(三九)と多賀城町浮島字小
沢原七二、日雇千葉守(三三)で、起
訴状によると、さる二十四日午前
九時ころチリ地震津波のため、塩
釜市海岸通り通称二軒茶屋付近の
川底に流れてきた現金七万一千円
のはいったフロシキ包みを拾い、
早村は五万四千二百円、千葉は一
万五千八百円を分配したもの。
 なお、同地検では、災害に便乗
 する犯罪は悪質であるとして、
 ①遺失、漂流物の横領②被災家
 屋での窃盗③生活、復旧物資不
 足につけこむ暴利行為は厳■主
 義でのぞむことにした。

謹んで津波による災害の  お見舞を申し上げます

八幡製鐵株式会社

謹んで津波による災害の  お見舞を申し上げます

富士製鐵株式会社