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”その机動かさないで”  今ははや 呼べども答えぬ主ながら 華となりても 共に学べよ  志津川中 なき友と一緒に勉強

 きょう二十四日はチリ津波から
 ちょうど一ヶ月目。志津川町の
 人々は当時の悪夢のような思い
 出をかみしめながら再起を誓っ
 ているが、同町、志津川中学校
 (中目智校長)一年二組と四組
 の教室中央にポツンとあいた机
 の上に、黒ワクのボール紙が立
 てられ、そのかたわらにはナデ
 シコ、ツリガネ草など色とりど
 りの草花を盛った花びんが二つ
 飾られている。津波でなくなっ
 た須藤はる子さんと阿部とよ子
 さんの机だ。
同校はさる九日、津波後しばらく
ふりに授業を再開したが、須藤さ
んと阿部さんの机はあいたままだ
った。学校側ではいたましい思い
出を消すため一日も早く机の配置
替えをしようとしたが、生徒たち
は「一緒に勉強するんだ」といっ
てきかなかった。先生たちもこの
いじらしい生徒たちの声に勝て
ず、二つの机を当分そのまま残す
ことにし、中目校長が策をとって
一首を手向けた。
”今ははや 呼べども答えぬ主ながら
 華となりても 共に学べよ”
と、書かれたボール紙のかたわら
に、生徒たちは季節の草花を持ち
よっては、なき二人の級友のめい
福を祈っているが、四十九日の来
月なかばまで飾る方針だという。
【写真】なき級友の机を飾る友情
の花びん(一年二組)