文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

すすり泣く  遺族席かなし   惨禍の田老村で二十四日    大追悼法会執行

田老村海嘯遭難死者大追悼法会は二十四日に繰上同村清延寺前に於て厳かに挙行されたが此日は珍らしく海上も穏かでうららかな日和であった、午前十時半第一鈴のなる頃三百の遺族が着席、次いで熊谷代議士、前田内務部長、佐々木県会議長、平井県議、佐川支庁長鈴木盛岡署長、星宮古署長を初め各町村代表者多数参列する、平井導師(華■院住職)以下十五名の僧侶は静々と所せまきまでに供物花輪に飾られた霊前に進み香■、読経、回向文と順次に行われ次いで面やつれのした関口村長が涙あらたに一朝にして幽明境を異にした千を数うる村人の慰霊を見つめつつ追弔文を読む声さえ微かにふるえている此頃から遺族席や村人達のなかから、むせびなくすすり泣きが一しきり……居ならぶ参列者の眼にも涙がにじんでいる終って焼香に移り、香煙縷々として参会者の心からなる礼拝に惨禍犠牲となった人々の霊もさぞかし慰められた事であろう。(写真は関口村長の追弔文朗読手前が遺族達、向つ参列者)

小漁船百艘  まず建造   鵜住居両石で

今回の津波で漁船全部六十三艘を木葉微塵に破壊された上閉伊郡鵜住居村字両石部落(全部純漁業)では残った百戸の内今後自力更生出来るものは二十戸に過ぎない窮状にあるので両石漁業組合では先ず生計に一番大切な小漁船百艘を建造する事になった。

岩手太田青年団  大槌に救援賞讃さる

岩手郡太田村青年団では二十一日から二十四日まで大槌町にて道路の跡片附け、バラック建造、慰問品運搬等に労力奉仕したが町当局では多くの救護団体の中でも特に同青年団は軍隊の如く規律訓練あり熱心に努力して呉れたので非常に感謝している。

笹間青年団救援

和賀郡笹間村青年団員十五名は二十五日斎藤副団長に引率され三陸災害地方の救援の為出発し三日間に亘って労力奉仕を為す筈である。

議員様も不景気  両院三陸海嘯義捐金

(東電)三陸地方震災並びに津波惨害救済の為め貴衆両院は去る四日以来義捐金を募集中の所二十六日の締切日を控えて一口十円乍ら応募成績は一向に芳しからず会計課では議員様も不景気と見えると大こぼしである。二十五日正午現在の申込みは左の通りである。
 貴族院三百八十三名中申込み七十二口 衆議院四百五十八名中申込み二百八口

三陸海嘯 義捐金

県扱い(二十五日)
百四十七円五十一銭御堂村村有志一同 六十二円二五銭京都府新舞鶴警察署長取扱 百八十円神奈川県戸塚町婦人会女子青年会 三百円京都市本願寺 二十円花巻高等女学校同窓会 百四十円六七銭仙台逓信局及管区内有志 一円二九銭長野県中野町メソジスト教会婦人会 五円萩荘村青年団小野寺孝吾外九名 百円花輪村長取扱 六円七三銭衣川村北股小学校 二十二円四〇銭茨城県上宿青年会 四円滝沢村一本木青年団 六円九七銭東京市高輪小学校第五学年生 十六円九四銭千葉県旭小学校職員児童 二円東京アヅマ小学校使丁給仕懇親会 百三十五円十九銭岩手県農務課員 十円同耕地整理課高橋一司 五十五円水沢町医師団 十二円六十銭遼陽衛戍病院内日赤臨時第十九救護班 五十五円福島県本宮町取扱 十五円東京市平井鉄男 十円東京市小林源五郎九十二円二十五銭千徳村長取扱 七十三円七十三銭県立水沢学校長取扱 九千五百円東京市報知新聞社 九十円五十二銭岡山県吉山亮敏 三百五十円五銭福岡県旭硝子会社牧山工場曹達工場 四十二円十二銭安家村有志 十七円四十五銭相去村長取扱 五円秋田県大舘町小池基松 三円郷軍小軽米分会三円九十七銭小梨小学校児童 三円軽米町高家青年分団 七円同高家区向島外川区民 八円五十銭大川目釜津田小学校児童職員 一円同女子青年団 二十円東京市国際通運株式会社王子出張所従業員 二十四円四十五銭東京市馬場春都十七円六銭福島県伊藤宥基外二名五円五十銭大湊町海軍班 五円神奈川県底倉慎太郎 二円六十銭浄法寺村青年訓練所職員 二円七十銭相去村役場員使丁
日 計
 一万一千五百八十三円四十五銭
累 計
二十五万五千二百十四円四十三銭