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配給品を荒したり  不徳漢横行にその筋の厳戒   宮古署廿五件検挙

宮古電話)震災直後の罹災地に於ける火事泥式の犯罪は相当ある見込みで警察当局ではそろそろ此の種の犯人の検挙をなして居るが宮古署管下に於ても既に廿五人八十四件が挙げられて居り甚だしきに至っては死人の懐中より金品を窃取し或は罹災者へ配給される食料品を窃取した不徳漢もある。
釜石警察署では救護事務も一段落の形なので愈々司法部員を動員して管内各被害地の取締りに当る事になった。殊に大槌町に於てはいろいろのデマが飛んで町民をまよわして居るので刑事を急派し漂着物横領等の犯罪調査をなす事になった。

震災地を代表  両県議赤十  字社に御礼

(東電)三陸沿岸震災地救護を感謝する同地方代表及び宮城、岩手両県々会議員一行は十六日午前日本赤十字社を訪問し救護班派遣に対し感謝の辞を述べて引取った。

百一名中  二名の死体発見   重茂沿岸潜水作業

(宮古電話)潜水作業に依る海底屍体捜査は愈々開始され初日の十四日は重茂村沿岸一帯に亘り下閉伊支庁三浦技手指揮の下に岩本加賀の両潜水夫が懸命に努力したが同村の行方不明者百一命中僅かに木村亀次郎後川賢二郎両名の屍体が発見されたのみで群がりよって案じ顔で見守って居た村人達も最早断念の外なくしおしお戻る姿は哀れをとどめて居た。尚引続き天候を見て田老田野畑方面の海底捜査が行われるが推任者の三浦氏は左の如く語る。
 重茂村姉吉湾の海底はすっかり変化し藁やぼろ屑が随所に盛上って居り発見した屍体はそれに■りながら半身砂に浸して居た同所は潮流の早いトドケ崎の附近であるだけに他の屍体は殆んど何れかに流されたものと断定される。

配給を固辞  軍人の父近藤氏

気仙郡末崎村出征軍人の父近藤源三郎(五五)氏は家屋の被害も軽少に済んだので救恤金其他の配給を固辞し復興志気を振起せしめている。

漁船新造を好機  遠洋漁業へ   沿岸一帯に   進出の気勢

更生不能とさえ思われた罹災各地の漁港も朝野を挙げての熱誠の同情に力づけられ復興の意気に燃えて居るが之を機として従来の近海漁業より勇躍遠洋漁業に迄進まんとする積極的機運が台頭するに至り。今次の助成資金に依る造船に当っても小型漁船より大型漁船に変革される向きもあり。県漁業家への将来に多大の興味を以て期待されるに至った右に関し水産会の石原主事は語る。
 遠洋漁業の進出は大分前から機運が動いて居ったが疲弊しきった漁業家は今次の災厄に依って新たに漁船を造る様になった為低利融資を受ける事さえ出来るならば此の際実現は可能であると思う。

三七日□□廿三日 田老村で追悼会

(宮古電話)今次の災厄に依り最も惨状を極めた田老村では一家全滅のもの六十六戸もあり死霊を葬ろう遺族もない悲惨な有様で田老村役場ではこれ等遭難死者の冥福を祈る為恰も三七日に相当する廿三日を期し下閉伊仏教会の後援を得て同村青延寺で盛大に遭難死者の追悼会を執行する事になった。
 尚田老村の復興は意外に早く既に十五日迄にバラック三十棟、百五十戸を竣工し罹災者を収容するとともに井戸十本新設され慰問金及び食料品の配給運搬する軌道も役場より通ずるなど非常な活況を見せている。

海嘯追悼会  各宗協会と  神職会で

市内仏教各宗教会連合の三陸海嘯遭難死者追悼会は十八日午後一時より北山光台寺に於て開催に決定一般焼香者の参列を希望している。尚終了後同所にて三陸沿岸派遣僧の報告会が行われる。
盛岡神職会では二十五、六日頃三陸海嘯慰霊追悼会を開催する予定である。

釜石の応急施設  平野町議来盛す

釜石町議、市場専務平野正五郎氏は信用組合理事橋本常造氏と帯同十六日来盛、災害応急施設に関し町会の決議を以て県庁、産組連合会を歴訪打合せ十七日は殖銀、盛銀を訪う筈であるが平野氏は語る。
一、漁船急造資金として殖銀から一万二千円を融通して貰う事町と魚市場とが保証で
一、住宅資金十万円も同銀行より融通して貰う事出来なければ信組連合会から融通する町の保証で
一、右の資金は町より釜石信組に預金し一般に貸付けるか桟橋復旧の為め
一、営林署より栗丸太三百本を払下る事県山林課に之が支援を依頼した
一、盛銀に代物弁償要求
 の要件で参ったのです。実は住宅を建造すべく敷地を盛銀支店に交渉したところ不可能という話なので町会が憤慨し、それなら町魚市場、太洋製氷等の預金でその敷地を代物弁済にして貰いたいのです。焼けた倉庫も借りようとしたら貸さぬと云われ剰え買おうしたら高いことをいうので談判に参ったのです。もう
釜石には魚が揚っておるのです。早く罹災民を学校から住宅に移し漁をさせねばなりません。以上の施設が速かに実現されねば廻来船がやって来ませんあくまでも目的達成に努力するつもりです云々。

本県の窮状 全国に訴う  国防後援統整委員会で

国防後援統整委員会は十六日午後二時から県庁応接室に開会前田内務部長以下各委員出席し震災義捐金募集方法に関し協議した。委員会構成団体は今後全機能を発揮して募集に当ることとし全国市長には知事、盛岡市長、県会議長、町村会長連名にて又商工会議所会頭には知事、盛岡商工会議所会頭、町村会長、県会議長連盟で本県の窮状を訴え義捐金の寄送を乞うこととなり四時散会した。

配給不公平  釜石町再調査

釜石町では罹災民への慰問品配給が非常に不公平であるとの声があがり復刻途上にある災害地に面白からざるふん囲気が漂って居るので町当局に於ては罹災状況再調査の必要にえまられて居るが某方面よりは再調査するとは当局の失態として重視されている。

簡保非常払  罹災地から感謝

三陸罹災民簡易保険非常支払いのため仙台逓信局では直ちに宮城県−気仙郡只出、越喜来−宮古宮古−久慈の三方に分れ保険證書印鑑等がなくも役場證明さえあれば即時支払いを断行して非常に感謝され好評を得ている宮古方面における成績は左の如くであった。
     件数    金    額
 田老 八四 一一、三七八、三〇
 小本 二一  二、七四〇、二四
 沼袋 一二    九四七、〇一
 普代 三一  三、三一六、八〇

孤児十名を  お世話したい

宮崎天主教会より十六日県にこの度の震災で全く身寄りを失った児童十名をお世話したいとの依頼があったので社会課で斡旋資料を集め罹災地に照会することになった。

罹災地小学校  続々開校   学用品も同情   が集まる

(宮古電話)山田小学校は二部教授に依り十一日より授業を開始して居るが学用品等も一般の同情に依り行渡り児童達も喜々として勉学に親しんで居るが同校の教室十三も従来通り避難民の救護所に充てられて居り罹災家族の哀れな姿を見るにつけ小さな心にも去りし日の震災当時の恐怖を想い出して居る。尚船越小学校は十三日より其の他罹災各地の小学校もそれぞれ寺院やバラックで開校して居る。

三陸海嘯 義捐金(十六日本社扱)

五円胆沢郡水沢町双鶴会 五円市内日影門外小路小原流盛花岩手県国風会 鞄三十個市内本町平安堂書店
 小計 金十円
 累計三千百四十二円四十六銭也

県扱い(十六日)

八九円八五銭厨川村佐々木弥吉外三百七七名 十円巻堀青年団々員一同 十円玉山藪川組合村役場吏員一同 六六円十銭玉山藪川村組合村々民一同 三円玉山村川又青年団一同 三円四五銭同軍人分会上田班工藤岩治外三二名 三十銭同日戸班中村耕一外二名 六十銭同中島益太郎外五名 六円六十銭玉山村釘の平自警団一同 一円玉山藪川村組合軍人分会上田班斎藤清一郎外五名 三円二十銭志和村仏教婦人会会員一同 二百円新潟市和田喜一郎 十八円四一銭盛岡測候所々員一同 三六円神奈川県海軍工廠中沢悦三 百円東京衣類市場組合一同 一百円東京市神田川正米市場組合一同 三円八二銭東京市吾妻町請地親和会一同 十三円六十銭平泉村平泉青年団員一同 同四十円四七銭東京府小宮村第一小学校児童職員第一農業公民学校生徒一同 五円小山村青年訓練所、女子青年団一同 三円千葉県南三原聖路加教会 一円五十銭佐比内村女子青年団員一同 十二円九七銭長岡村永澤小学校児童職員補習学校職員児童一同 九十銭神奈川県三好雅夫 一五〇円伊保内村村民一同 九円七銭川井村小学校児童及職員一同 二一二円七七銭東京眼鏡製造販売同業組合一同十五円神奈川県秦野各宗教友会員一同 十円東京市小宮栄三 八五円東京京浜労働抜友会組合員一同六五円一四銭東京市三光町青年分団々員一同 六二円七十銭東京市初音森之町会 一百円台湾伊ヶ崎虎吉 二十円同嘉義東北会 十八円九十銭宮古土木管区職員一同 五円八十銭宇都宮市田中靴店々員一同 一円京都市峯山警察署一巡査部長 三円伊保内長興寺小学校児童職員一同 三四円九十銭宮古警察署々員一同 三円四一銭黒沢尻女学校生徒一同 三円七一銭兵庫県婦人連合会々員一同 十円京都府宮津女学校職員生徒一同 一〇〇八円東京逓信局有志及管内各局有志一同 三十円千葉県銚子東北人会 一円五十銭愛媛県義安寺日曜学校教員児童一同 一円金田一村川守田義雄 二円三十銭富山市富山県織物工場操糸部女工 四円三十銭戸田村宇堂口小学校職員児童一同 十一円八四銭玉山小学校川又小学校職員児童 二円五十銭■■花■港分屯大隊某 三百円松尾鉱山中村房次郎 五十円松尾鉱業所林知義 六円八八銭小川村門小学校職員児童一同 二円三十銭小国村小国少年共済会 五円福島県小室西原農事実行組合 四五銭福井県上味見小学校河内分教場一.二年児童 四円葛巻村小田小学校職員児童一同 一円九五銭東京府東三鷹小学校高等科第一学年一同 十七円四六銭岩手県特高課員後藤吉五郎外九名 十六円五十銭秋田県横手仏教会員一同四円五十銭姉休村女子青年団々員一同 一円北海道池田巳■ 五円秋田県小坂町曹洞宗寺院一同 五円八四銭岐阜県日吉小学校職員及児童 十五円長野市興国同志会長長野市連盟一同 三十円新潟県糸魚川町小学校職員児童一同 四円七四銭荒沢村五日市青年訓練所生徒一同 四円五十銭浪打村来田小学校職員児童一同 二円■■村菊池いと 四七円福岡県修養■組■子牧山工場支部婦人部員一同 三円二四銭福島県会津新聞社野沢支局 八九円六五銭軽米青年分■長千葉孝一二円八十銭軽米町百鳥区長 十七円九十銭■土木管区職員一同
日計 三千二百三十九円三十二銭
累計十一万八千七百十五円五十七銭