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調査終了次第に  復興予算案提出   菅原君の質問に蔵相答う    衆議院本会議(十四日)

(東電)十四日の衆議院本会議は問題の製鉄合同法案が上程されるのと会期終了が迫ったので傍聴席は満員である午後一時二十五分開会日程に入り
一、震災被害者に対する租税の免除及び猶予に関する法律案(政府提出)
を上程。高橋蔵相の説明ありに対し
▽菅原伝君(政友) 本法は極めて人情味のある法案で結構だが更に震災地復興費を追加予算として提出する意思があるか
▽高橋蔵相 被害状況は目下鋭意調査中であるがこれを終了し次第復興に関する追加予算案を提出する積りである
と明答し十八名の委員に附託。次いで
一、日本製鉄株式会社法案(政府提出)
一、製鉄業症例法中改正法案(同上)
を一括上程委員長若宮貞夫君(政友)より委員会の経過結果を報告し討論に入り
▽小池四郎君(第一控室) 協力製鉄■家管理委員会とも称すべき区間の監視がなければ本会社は直ぐに創立当時の善良な意図にも拘らず将来営利追求会社に■落する恐れがあるよって私は本案の趣旨は涼とするも反対せざるを得ない
と述べ次いで
▽岸田正記君(政友) 本邦の重要産業たる製鉄事業は窮屈な国家管理の束縛から脱して自由且つ臨機応変に経営し得られる立場に置かれるは誠に当を得たものと信じ本案に賛成する
と延べ更に政友会の附帯決議にも言及して降壇次いで
▽亀井貫一郎君(第一控室) 本案に反対するものである
と前提し
 本案の意図は諒解し得るが現在の政治■■の下でこれを実現し得るか又将来経営に当り有能の人物を常に発見出来るかその他の点より見て反対せざるを得ない
次に櫻井兵五郎君(民政)希望条項並に附帯決議に同意を表明し原案に賛成する旨を述べて降壇。
▽岸衛君(国同) 国防上何等の不安ないと云う軍部の保障と公益統括経済主義に合致せる点から見て本案に賛成する
と夫々論じたる後採択に入り多数を以て委員長報告通り可決確定次いで日程を変更し
一、農業動産信用法案(政府提出)
一、漁業法改正法律案(同上)
を緊急上程後藤農相の説明あり。
▽風見章君(国同) 斯くの如き重要法案の何故会期切迫の今日に至って提出したが然かも本案の内容は農村に緊急な根本問題を解決せずして僅かに借金の円滑を計ったに過ぎないではないか
▽後藤農相 本案は農家が生産資金を借入るに役立つと信ずる
と答え委員附託、更に日程を変更して
一、生糸業法中改正法律案(同上)委員長武田徳三郎君の報告あり可決確定
一、輸出生糸販売統制法案(胎中楠右衛門君提出)
一、日本製糸株式会社法案(同上)武田委員長の報告あり委員長報告通り可決確定
一、出版■法案(原夫次郎君提出)委員長牧野睦男君(政友)の報告あり可決確定
一、営業収益税法中改正法律案(木暮武太夫君提出)
委員長小林■君(政友)の報告あり可決確定、残余の日程を延期五時三十一分散会

宮古復興委員  関係官庁へ陳情   復興資金所要額    四百八十三万円

十三日宮古町の復興善後策を講じた同町会では復興委員六名をあげ関係当局へ被害程度の報告並びに援助を仰ぐため十四日午前復興委員の
 熊谷平助、中村喜兵衛、小笠原孝三、篠田米吉、島香直次郎、町助役川原田正一
の諸氏が来盛直ちに県庁を訪問し各課を廻り漁業施設の復興及び土木工事の復旧方について縷々陳情したる後同日午後六時廿五分の上り列車で上京したが一行は十五日東京に於て石黒知事、本県選出代議士、県議と会見し復旧について述べた後関係官庁へ陳情することになった。因みに宮古町の復興資金並びに希望は左の如くで内務、農林、商工各省へ次の復興資金に関する書類を提出する筈である。
  (単位万円)
▼漁船漁具復興資金一〇〇▼水産製造設備復興資金五〇▼漁業組合共同施設復興資金四〇▼水産業者就職資金四八▼漁場施設復興資金五〇▼造船業復興資金二七▼住宅及倉庫建設復興資金五▼商工業復興資金六〇▼製材業復興資金三〇▼製炭業復興資金二〇▼合計四三〇
 町土木事業復興資金
一、閉伊閉川右岸護岸防砂堤及川底浚泄五十万円
一、一設 三万円
一、希望 宮古町以北普代村に至る県道開■促成

水産復興協議 会代表上京

漁業組合の水産業復旧復興協議会で代表者を上京せしめ政府に陳情せしめる事となり左の諸氏は十四日午後六時二十五分発列車で上京した。
 △上閉伊郡荒井儀兵衛、岡本勘平、佐藤亀太郎△九戸郡村上徳一郎、川崎富蔵、山下松太郎△気仙郡佐藤菊五郎△下閉伊郡堀田熊次郎、菊池長右衛門、武内秀策

災害地教員給  交付金の繰上げを待つ

震災で町村歳入に欠陥を生じ諸給支払いに渋滞を来し或は全く支払い停止を余儀なくされる町村あるを慮かり県では諸給料中最も多額を占める小学校教員俸給を義教交附金の国庫補給を求める事になり、まず七年度分八万六千二百十八円文部省に要求するに決定を見たが更に災害町村の歳入欠陥は八年度に於ても容易に回復し得ない状態なので教育課では罹災三十六ヶ町村について明年度歳入欠陥見積り額を歳入予算科目別に詳細調査し主務省に申請特別町村交附金を該当町村に限り新年度四月に於て繰上げ交附の実現を期すことになったがその額は十二万円である。

水難救済会本 部に援助陳情  宮古町支所で

下閉伊郡宮古町の水難救済会支所では今回の震災害で多額の経費を使ったので水難救済会本部の援助を求めることになり小笠原救助長外数氏が十四日上京十五日本部を訪問し陳情をなす筈。

三県知事折衝  関係省当局と

(東電)三陸地方震災復旧予算について対案を携えて上京した三辺宮城石黒岩手多久青森三県知事は十三日政府筋及び政党幹部への諒解運動も終ったので十四日は内務農林大蔵等の各関係省事務当局と予算要求安の内容について折衝を重ねる所があった。

内相鈴木総裁 訪問  岩宮両知事  も総裁訪問

(東電)山本内相は十四日午前九時鈴木政友会総裁を私邸に訪問し選挙法改正案、東京都制案などの審議が衆議院において捗々しく進まないようだからとて之が促進方につき諒解を求め、また三陸地方震災復興追加予算についても懇談するところがあった。尚これと相前後して三辺宮城、石黒岩手両県知事も同総裁を訪問し三陸地方復興につき今議会に追加予算を是非提出されるよう懇請するところがあった。

八角代議士の  復興方針   実地踏査の結果

八角代議士は災害地を慰問し各方面につき調査を遂げたが復興方針に関し氏の意見をたたくと大体左の如き談話を試みた。
一、本回の海嘯明治二十九年のものに比し波浪低く力弱しというものあるも各地方により必ずしも一定せず現に広田村「泊」に至る途中に於ては五十■尺の高さに上りたり、又侍浜に於ては約三十尺の処に大石を打ち上げて地方々々によりて大差あるを以て一局部を見たるのみにては論断するを得ず
二、人命の被害少なきは前回の経験によると称せらるるも釜石以南にては出漁の時刻及海水の減却の度により又地震によりて避難せしもの多し宮古以北に於ては来襲上京南方と差あるが如し
三、一般の防波堤及海岸の護岸、防風林土堤は著しく安全度を増す故に此の地方に於ては船溜りの施設は絶対に必要なり
四、強固なる建造物も亦安全度大なり海岸の建造物はこの点を注意するを要す
五、住宅地の選定、道路を設くるにつきては大なる注意を要す又住宅地と工場作業場格納庫等とは全然区別する如く将来の計画を定むるを要す
六、漁船も宮古以北と以南にて全然形式を異にす(天然の地形の要求により)即ち以北に於ては船底を独木船式とし以南は板を用うるが如し官林払下につきてもこの点を留意を要す
七、気仙広田村小友村方面にては官林払下を希望し居らず之附近に官林なきに依る要するに地方々々を仔細に考究決定するを要す
八、被害なき住民も罹災民を収容し即時救助に当りし関係上その実損害は単に家屋に存するの差あるのみにて同一なり救恤に関してはこの点に留意するを要す
九、漁業者に生業を与え居るともいうべき網の持主、漁船の持主等の救済をも要するものと■む
一〇、河川の状況は損害に大関係ありこの点研究調査をなし改修するを要す
一一、復旧に要する低利資金は国体組合に貸付けその方法を最も簡易にするを要す
一二、沿岸より採取する海藻鮑等の繁殖方法は大いに研究し復旧を速かならしむるを要す
一三、釜石大槌山田宮古大船渡の修築は此際完成するを要す尚防波堤の設備を要す
一四、沿岸交通の整備を速にするを要す(自動車道路鉄道等)
一五、釜石漁の修築は国防上よりするも急を要す
一六、地方■及商業の救済に就ても考慮するを要す
一七、罹災民は最早寝具の外現金救恤を望みつつあり
一八、政府に於て罹災民の生業に復する点に関し速かに声明をなし人心を安定せしむるを要す
一九、一刻も速に漁船漁具住宅に対する最長低資の貸付及び生業資金の低利貸付をなし罹災民に生業に復せしむると同時に災害復興及災害防止に関する資金貸与をなすを要す
二〇、前回海嘯の時は其後中央山■の断層地震ありたり注意を要するものと思わる
二一、各港には或る程度以下の低潮及びある限度以上の高潮に会せば電気装置により警鐘を伝うる如き装置を設備するを要求