文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

聖旨の存する所を  克く了得せしめよ   御下賜金頒賜に関して知事より    災害地町村長に訓令

 負 傷 者  同   三円
 住宅の全焼、全流失及倒潰
       一世帯当 一円
 罹 災 世 帯  同   一円
 出動将兵の罹災世帯
        同   一円
一、御下賜金は五日以内に伝達を了しその上知事に報告すべし
一、死者及行方不明者に対する御下賜金はその遺族に伝達すべし若し之れなき者は親族の最近なる者に伝達し尚お親族なき者は町村長に於て弔祭の方法を説くべし
一、御下賜金を本人に伝達するときは包装して伝達すべし
一、御下賜金を伝達したるときは拝受證(印鑑所持せざる者は捺印すること)を作製し十日以内に之を進達すべし
一、伝達式挙行後に於て調査洩等の為 御下賜金の頒賜を受くべき者にして未だ受けざる者を発見したるときは事情を具し氏名並罹災事項を知事に急報すべし

御下賜金  町村頒賜額   十四日一斉に伝達

畏き辺りより本県東海岸の震災に御内帑金三万円を下賜されたので聖旨を体しその徹底を期すため県では十二日午後二時から罹災者に対する伝達頒賜の方法を協議の結果伝達式は十四日震災地久慈町役場に安部健康保険課長、小本村役場宮川会計課長、下閉伊支庁佐川支庁長、山田町役場櫛田官房主事、釜石町中野警務課長、盛 役場井上農務課長、高田町役場に佐藤視学官以上知事代理として臨席各附近町村長の出席を求め午前十時より一斉に伝達式を挙行するに決定伝達を受けた町村長は五日間以内に罹災者に洩れなく頒賜し聖恩の無窮なるを伝えることとし五時散会した、町村頒賜額左の通りである。
 ▲大船渡四〇八円▲高田三一▲気仙四〇三▲米崎一四四▲赤崎一一六八▲吉浜一二九▲越喜来九四五▲綾里一、七二二▲広田六二九▲小友二七四▲末崎六八一▲唐丹三、一四七▲計九千六百六十一円
 ▲久慈一二円▲野田二〇五▲種市九一七▲侍浜三五▲中野一四▲夏井三九▲長内一〇二▲宇部六三▲計一、二八七
 ▲小本一、四二六▲田野畑九九六▲普代一、六四八▲宮古一六三▲山田一、四四九▲船越四八三▲田老七、二九二▲重茂九一一▲津軽石八一▲崎山八▲大沢七二六▲織笠一一八▲磯鶏一八九▲計一五、〇四〇
 ▲釜石三、二〇六▲大槌二、一二〇▲鵜住居四八七▲計五、八一三

県課長会議で 御内帑金協議

県庁部課長会議は十二日午後二時から県庁に開会し罹災地配給方法に関し協議の結果今後主として寝具炊事用具の配給に力を注ぐ事になり所要寝具は約一万の見込みである。義捐物資はなるべく現金として受領したい県の意向でこの徹底方法を講ずることとし終りて御内帑金頒賜方法に就いて打ち合せをなし五時散会した。

県の復興原案を  十五日頃政府に提出   きのう知事等東京で協議

(東京発)三陸震災復興第二回打合せ会は十二日朝着京の石黒知事を中心に同日午前十一時から内幸町東拓ビル内三陸救済会本部に開催復興に関する県の具体案を練り同日午後六時から日比谷陶々亭で開き県議及び代議士の協議会に提出し原案を作製の上十五日頃政府へ提出することになった佐々木議長は語る。
 三陸震災の復興計画には応急策と恒久策があり応急策では速かに生業資金を融通し漁船漁具をあたえ一刻も早く生業につかしめる事で■く共生業資金だけで四千万円位融通したいと思うがその辺は石黒知事とよく協議し代議士諸氏の意見を聞かぬとわからない。永久施設としては防波堤を設置し高台に住宅地を移転することでこれがためには上水道の敷設が必要であるから予想以上多額の復興費を要する事と思う田老村の如きは飲料水がないため低地に住宅を建て今回の災厄にあったもので水道を設け住宅地を高台に設定すると津波の惨害は半減すると考えている。

協議会を終り 石黒知事語る

(東京支局電話)きょう(十二日)代議士各位の御参集を頂き復興策について隔意なき意見を拝聴した上今後のお力添えをお願いした次第である復興予算中昭和七年度分は十一日政府に提出しましたが更に昭和八年度分は明日(十三日)提出す事になって居ります。

漁船漁具費を  各地義捐金で   水産局の意向に    県議等は反対す

(東京支局発)三陸震水火災の罹災者に対する応急策は漁船漁具を速かにあたえ一日も早く生業に就かしむることであるが低資の融通には少くとも一ヶ月余を要するので農林省水産局の意向では各新聞社の許託義捐金の一部を以て漁船漁具をつくり支給する方針で着々計画を進めているが県出身代議士及び県会側の希望では義捐金は単に食料品購入等の救済基金に使用したき旨を洩らし両者間に意見の相異を来したのでこれ又石黒知事の意見を斟酌の上義捐金の使途について方策を建てることになった。

県の復興計画を  飽迄実現に努力   ◇……八角代議士語る

災害地慰問の八角代議士は十一日夜十一時着列車で陸中八■駅より来盛杜陵■に一泊十二日県庁に前田内務、湯本学務部長を訪問視察状況を報告し種々打合せを行ったが同氏は語る。
 大体県の復興計画は私の考えて居る事と符合して居る。あれで政府を鞭撻し県民の急を救ってやらねばならない。只県南と県北では漁船の製法が違う。それでゼヒ共国有林の払下をして舟を造ってやらねばならないのでいま東京に急電を発した処です。四日間に七十二里を突破したので之から花巻温泉に向いそこで調査した処を整理し説明の材料を造って上京する積りです。(写真は本社を訪問した八角中将)

復興関係起債の  利子は国庫で補給   生業、住宅資金低融資融通等々    内務省の対策方針