文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

第二予備金より  復興費を支出す   内務省で大蔵へ交渉

(東電)内務省は三陸地方災害地に対する復興事業その他につき経費を調査しているが今議会に提出する。昭和八年度追加予算には到底間に合わないので第二予備金支出その他の別途の方法によるべく大蔵省と交渉する事に決定した。

帰京の上で  対策を講ずる   災害地を視察して    八角代議士宮古で語る

県出身代議士代表として帰県した八角中将は本社後藤主筆と釜石、山田、大槌各地の視 慰問を終え九日夜来宮したが直に佐川支庁長伊東町長を初め熊谷平助町議等多数有力者と会見し当時の惨状並に今後の復旧更生策に就て聴取しなお在京諸代議士の奔走事情を述べて諒解を求める処あったが同日は熊谷旅舘に一泊し十日午前八時熊谷海産部より特に廻された漁船にて田老、小本、普代を経て久慈着の予定であるが帝国在郷軍人会副会長中野中将の一行も便乗した。なお八角代議士は宮古にて待ちわびている在京代議士に宛て長文の電報を発してから左の如く語る。
 当時海軍省に達した最初の情報が余りひどくない様なので安堵していると号外が出る。情報は刻々と急を告げて来たので意外に被害程度の大なるを知って驚いた訳だ、地元の県当局すら主務省への第一報は実害より遥に少なく報告している位で勿論東海岸一帯に亘る被害がそう早く精細に分る訳でもなしまた考えて見れば各町村にしても初めに報道して来るのは比較的被害の少い処で通信連絡の杜絶した様なひどい部落ほど逐次判明するに極っている。私も気仙に視察の第一歩を踏み入れた頃は大した事もない様に思ったが唐丹、釜石と当地に近づくに従ってその惨状は予想外であった。然し途次各町村をくまなく慰問して来たが実害の大なるに反し前回の三陸ツナミの経験もあった為め人命の被害が割合に少なかった事はせめてもの幸いである。罹災民の救護に関して気付いた事は一般に寝具の欠乏を訴えている事であった、悪気流と疲労にさいなまれた罹災民には充分暖をとって寝ませる事が何よりである、と同時に一日も早く将来の更生を期せしむべきでそれにはこの際政府が速に漁船、漁具住宅、復旧資金を支出する旨言明し罹災民を安心させ力づけねばならぬと思う。なお此度の震災が報ぜられるや急遽在京県出代議士会を開催し罹災民救護、復旧の両策に就て熟議を重ね主務要官を歴訪して極力全慮策を請うぜしめるに至ったもので各位とも帰省し親しく慰問したきはやまやま乍ら議会は開会中であり加えて応急策の実現にはどうしても中央にあって東奔西走しなければならないので私が体も丈夫であり公職にもあるので取り敢えず代表して視察慰問に参った次第であるから各位の意のある処と殆んど不眠不休に尽力されている諸代議士の労を県民に対し紙上を通じてよろしく御伝え願い度い。

震災補給及び 貸付要求額  百六万五千円

県の本年度震災関係補給並びに貸付金の要求額は百六万五千九百九円で内訳左の通りである。
 ▲救護費四十四万二千九百五十九円▲警備費五万二千六百五十一円▲応急施設費十三万一千七百十三円▲県歳入欠陥補償額十一万八百五十八円▲町村歳入欠陥補償額三十二万七千七百二十八円

強制加入を  求む   水産利用販売   組合未加入に

現在の県水産利用販売組合の加入組合は十四組合であるが同組合は水産業復興の第一線にたつ重要な役割を演ずることとなり従って組合内部の充実整備を図り名実共に組合連絡統制機関としての機能を発揮するのが要があるため県では設立協議会の際加入を見合せていた四十六組合に対しこの際強制加入を求めることとになった

三陸の損害  警保局の発表

(東電)内務省警保局では三陸地方の地震津波の損害見積り額に就て各関係知事よりの報告に基き鋭意調査中であるが十日午後四時迄に被害の最も甚大であった岩手県を除くその他の被害地に於ける損害額はその総額百六十七万一千二百八十八円で岩手県の損害額に就いては未だ正確に判明されていないが現在迄の調査によれば三百万円を越す事は確実だと警保局では言明しているから今回の損害を内輪に見積って四百七十万円以上に達している。尚死傷者行方不明の数は同日午後四時現在に於て総計三千九百十六人に上り前回に発表した三千六百七十八人に比較して二百三十八人も増加している各府県別(岩手県を除く)による損害見積り額は左の通りである。(単位円)
 宮城県  一、二七〇、六二七
 青森県    二二七、九五六
 北海道    一六八、〇〇〇
 福島県      二、四〇〇
 山形県      二、三〇五
 合計   一、六七一、二八八

県債により  発動機船建造   総数六百五十隻    県、水産組合援助

小舟建造の復旧策決定と共に県では八年度から事業着手の予定であった水産組合を極力援助し本県水産復興の第一線たらしむべく十日前■内務部長高瀬水産課長沢田県議等応急対策を協議したがこれ又漁船の建造を以て最先決策となし石黒知事の裁定を求め組合事業方針の拡大化を図ることとし漁船の建造に就いては四月より七月に至る四ヶ月間に発動機船六百五十隻を竣成せしめ製造加工場も増設し七ヶ所位置未定になすに決定を見たが建造計画の内容は
 五トン以下二百隻五トン乃至十トン二百五十隻十トン乃至二十トン二百隻
内いか漁其他発動機船は
 四百五十 延■流網漁業の発動機船百隻■旋網漁業発動機船百隻
建造費の内容は
 五トン以下一隻千円として二十万円
 十トン乃至二十トンは一隻四千円として百万円
 十トン乃至二十トン一隻五千五百円として百十万円内
 以上合計二百三十万円
遠洋漁業船十隻一隻の建造費十五万円とし資金は県債によることになっている。

安原部長視察

 安原東京府学務部長は十日午後六時十七分発で釜石方面視察に赴いた。

知事上京延期  今夕出発す

石黒知事は十日午後六時二十五分発で上京の予定であったが復旧及び復興予算の審議に更に精査を加える要ありとしそのため十一日に上京延期した。

森部部長上京  警察官増員の  国庫補助陳情

森部警察部長は県下災害地警備の任に当っている警察官は三日以来不眠不休で活動し急遽交代せねばならない状況にあり又増員の要求なるに鑑み非常時の際震災警備費国費に仰ぐべく十日午後六時十七分盛岡発急行にて上京した。尚森部警察部長は警保局に於て衛生費国庫支出についても種々協議する筈である。

佐藤主事上京

県水産利用販売組合の設立はこの度の海嘯によって急速実現の必要に迫られたので県では一切の手続きを了し十日知事の決裁を得たので佐藤農林主事は十二日状況主務省に設立認可促進の急を説明認可書の下付を乞う事になった。

損害一億円とし  政府に交渉する   県選出代議士会の意向

(東京支局電話)本県沿岸の浸水害復興に関しては永久的見地より防波堤を設定、水道計画、住宅地の特設等沿岸漁村民に対する根本的施設を要するので総復興費八千万円を下るまいと見ている。殊に県が内調査した損害高だと町村道の復旧、宅地流失、現金被害等は全然度外視しているので之等の損害高を厳密に調査すると少なくとも今回の損害高は九千万円と推定され県と民間側では大なる開きを見せているから本県より政府に提出すべき災害復興費は今後一億円説を固守し政府と交渉を進めるものと見られている。

三陸海嘯義 捐金(十日本社扱)

一円メリヤスズボン市内生姜町吉田電気商会社員一同 十円花巻町花巻産婆一同 三円江刺郡広瀬村宮田無名会 三十 宮城県岩沼町日本酒造会社社長小野惣助 五円東京市小石川区音羽町柏原熊太郎十六円川崎市扉町昭和肥料会社川崎工場岩手県人会一同学用品四百点市内薪穀町木津屋本店七十一銭和賀郡川尻小学校尋三岩城孝一外三名八十一銭同尋六菅原武三外二名一円八十六銭同小松キヌ外六名三十八銭同尋六菅原スエ尋六菅原富代 六円六十銭松緑神社大和山会盛岡支部会一同衣類一包市内日影門小路盛岡天理公教会 十円大阪市中里正 百円神奈川県鎌倉町小町柵瀬幹子
 小計 百七十四円五十五銭
 累計 二千五十八円六十五銭

県扱い(十日)

五十銭東京市吉村清 一円五十銭同竹内伊左夫外四名 八十銭同長栄軒店員 二円同尋五塩見照子 一円同尋六吉島文夫 十円横浜米穀問屋商業組合組合長望月政春 四七円四八銭(罹災児童生徒、教員へと指定)東京文理科大学、東京高等師範学校、第一臨時教員養成所、岩手県人会(大塚学友会) 十円神奈川乙訓嵩欣 七円大更村山子沢小学校職員児童 十四円八十銭同大更小学校職員児童 四三円九戸郡戸田村村民 二七円二戸郡荒沢村村役場扱 三円同 十円下閉伊郡川井小学校職員児童 三円五十銭近衛歩兵第三連隊第三中隊岩手県人同志 二円北海道永田親賢 十円仙台消防組頭山口龍之介 五円山梨県浅間神社々司中村富蔵 五十円東京市私立仏英和高等女学校附属小学校 五十円福岡県菊池勇夫 一二五円東京市本郷区駒込千駄木町上町会長清水弥兵衛、太田邸内桔梗会青年団長子爵太田資 帝国在郷軍人会本郷区千駄木町上町班長今井房吉 四円香川県多渡津青年訓練所生徒一同 二五〇円群馬県大光院内楽生会々長鈴木■■十円東京市板橋町生会 二十円七三銭東京市■会 一七円六五銭東京市蓮田親友会代表田中栗次 五円広島県■地方課溝辺速雄 三十円五四銭日詰警察署員一同 三円乙部村樋沢利夫 二二円八十銭水沢町役場扱 三十円二一銭横川目村外七団体 二円五十銭宮城県刈田郡白石町自力更生会 一円同無名氏 一〇〇円塩釜町合資会社阿部勘 五円長野県三日町青年会 一円広島県平田峻 二円長野県落合村小学内机学友会一同 一円千葉中山小学校尋四の二吉田時子 一円秋田県金足小学校尋二灰野茂七円十銭小山田村軽井沢小学校職員児童 十二円六十銭花巻町南城小学校職員児童 五円京都市青木堂本店々員一同代表永原三次 三円七十銭福井県世話方土田市郎右衛門、北島勇吉 二円三重県杉野弘 一六円三十銭東京市帝国在郷軍人会日本橋区分会第二部第二班班長五味直治 一円静岡県日坂小学校高二松浦繁一外十名 五円同井伊谷村商工会代表中井耕造 三十円東京市松崎商店時計部 四円五十銭和賀郡笹間青年学校 十二円六七銭藤根小学区雄児童職員 十四円十四銭更木小学校職員児童五円永岡村永徳寺小学校職員児童十四円水沢町水沢高等女学校職員生徒 十三円二六銭東磐井郡薄衣村役場扱 三円六五銭十二鏑村東晴山小学校職員児童 四円五十銭福島県太田病院職員看護婦一同総代太田三郎 二十円島根県庁衛生課狩野久市 二十円東京市■本法華宗宗務庁 一〇〇円東京市麹町区貴族院内石橋徳作 十円石鳥谷八日市尋常補習小学校職員一同 三円兵庫県西宮基督教会教会学校少年女科生徒一同十九円岩谷堂町役場扱十円軽米町軽米警察署扱在郷軍人分会長 六円同笹渡小学校長 十六円二三円同軽米警察署員一同 三十円七銭稗貫郡矢沢小学校職員児童 二円八七銭向矢沢補習学校生徒一同 二円二八銭同矢沢青年訓練所指導員生徒 二二円四八銭沢内村新町小学校職員児童三六円二二銭江釣子小学校職員児童 二二円二六銭米里村婦人会長沢口瀧太郎 二十円大迫小学校母の会 十六円四十銭大迫尋常高等小実菜補習学校職員児童 十円国幣小社駒形神社員一同 五円東京市神道評論主幹小笠原省三 十八円二二銭金ヶ崎小学校職員児童 五十円東京市小野圭吉 二二円紫波郡不動村(村民名簿添付)帝国在郷軍人会不動村分会長菅原庄一郎十三円七二銭相去小学校職員児童使丁 十五円五十銭飯豊小学校職員児童 十一円七四銭岩崎村煤孫小学校職員児童 十二円四銭江釣子村清田小学校職員児童 九円三九銭大原町内野小学校職員児童三四円七四銭佐倉河尋常高等小補習学校職員生徒 二円岩手郡簗川村女子青年団長赤坂福治 五円遠野財務出張所員一同代表佐々木正志二十円六銭土沢小学校職員児童 六円九四銭立花小学校職員児童 一円千葉県横芝町青年団第一支部三 御所村女子青年団支部 一円東京市王子区(王子警察署扱)四円六五銭御所村繁小学校職員児童 二円五十銭南都田女子青年団七七円九戸郡大野村(村役場扱)第二回分 五十銭長野県中村久雄五円五八銭谷内村田瀬小学校職員児童 二円弘前市米久女給一同 四円五六銭前沢町目呂木小学校職員児童 四円六四銭矢越村上折■小学校職員児童五円二七銭岩崎村山口小学校職員児童 一円近衛歩兵第四連隊第十一中隊伊藤守一 一〇〇〇円仙台市長 一〇円盛岡市在住司法代書人一同 六五〇円七一戦二戸郡(二戸署下二十一団体分)四円東京市王子署扱 一〇八円六四銭紫波郡見前村村役場扱八円瀧沢小学校職員児童五円茨城県本宮村役場扱藤沢■之助 五一円七五銭黒沢尻小学校職員児童 一四三円二〇銭岩崎村各種団体 四四円一〇銭江刺家村一般村民及二団体 七一円七九銭水沢町一般民 一〇〇円山目村同 一〇七円三三銭一戸中学校職員一同 八九円七銭千厩町■業学校職員一〇〇円大阪海産物株式会社二二円四〇銭沼宮内町沼福寺金峰観音会々員一同 六七円三銭湯口村役場扱 五円福岡県谷口せつ子 二〇円横浜市帷子上町町内会青年団 一円六五銭茨城県古河男子小学校高等二学年二十七学級一同 二円六〇銭静岡県大宮小学校一年女子一一同 一〇円東京市恩田鉄弥 一八円二戸郡荒沢商業組合渋谷善次郎外十八名 二〇円明治製乳株式会社岩泉工場従業員一同
日計 四千四百五十一円六十六銭
累計 八万〇三百七十一円五銭