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復興と各方面 努力を払う  西尾勤銀支店長談

損害が詳しく判らないうちに復興計画は立てられない。その他各方面に亘っている事ですから如何になすべきか目下調査中だ。尤も県知事のこの間発表された案は何処までも実行して行かねばならぬ。低利資金等も大変にこみ入っておりそう簡単には答えられない極めてむずかしい問題だ。先ず復興させるには資金がいる。これはきまりきったことだが、岩手県は従来この種の災難に幾度となくぶつかり、その度に救済資金を出すのに困っていたような状態を続けて来ている。現に私の銀行では救済資金を出した事が十四度もある。毎年と言っていい、そして今度の大災害、勿論、我々としては責任を持ち努力して復興事業を進めねばならぬと考えるが、一度発表した事は責任を以て実現せねばならぬから、うっかり空手形を出すような事は絶対に出来ない資金は勧業銀行は出来る丈けの努力を払って救済復興に当る。具体策は未だ出来ていないと答える他はない。

理想的な  小屋を造れ   中沢三蔵氏談

県や御社の方で慰問品義捐金等の募集をしていられるようですが罹災民は何よりも住居のないのに困っているでしょう。政府等からも木材は行っているようですがあれはどう言う方法で分配しますか。板何枚柱幾本と言った風にするものでしょうが素人が建てたのでは一万円の材料費が五千円にもならないでしょう。東京の震災の時にもああして沢山の小屋を建てたがその後どうなったでしょう。我々でしたら五円の物でしたら三円位にはしますがどうでしょう。一つ県で我々職人をかり集めて現場へ出さないでしょうか。ここ一段落着いたら一斉に職人を動員して一軒二間と言った家をずらりと建てると言う工合にやれば最も理想的なんでしょうが。

震災被害に  各国の同情   ぞくぞく集まる

(東電)三陸地方の震災海嘯による被害に対し各国大公使は四日来続々外務省に内田外相を訪問慰問の辞を述べているが、六日早朝よりグルー亜米利加大使、ワイル、シット伊太利代理大使、飽観澄満州国代表其他ブラジル大使トルコ代理大使シャム公使等続々外務省に内田外相を訪問何れも丁重なる慰問の辞を述べて辞去した。尚其際飽満州国代表は百円を、又伊太利代理大使は個人として百円を何れも義捐金として寄附したので外務省では直ちに右を内務省社会局に回附し罹災民の救助基金にあてる事となった。

近県小信

宮城県内の災害損失額並びに復旧額は前者二百八十九万三千三百五十円、後者二百三十九万二千百六十三円である。
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宮城県では県下災害の復旧資金として大体二百万円の低利資金を転貸する計画で多分今月中には参事会を開いてこれを附議することとなるであろう。
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宮城県では罹災者に対しさしあたっての救助金として罹災救助金の中より二万四千円を支出することとなったがこれに既定費七千円を合すれば三万一千円となる。
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岩手県地方大震火災につき武部知事は岩手、青森、宮城三県知事に見舞電報を発したが同知事は本県では大正三年の■強首震では大分県外からも同情を得たし被害程度が判明次第内務省では何等か救済策をたてるではなかろうかと思うからその節は秋田県民として大いに同情義捐の美挙に出たいと思うと語った。

早池峰森林軌道

陳情の一行
 大急ぎで帰町す。
附馬牛村早池峰山麓から遠野町に森林軌道速成陳情のため遠野、松崎、附馬牛の関係町村長及び町村有志は二日午後四時四十七分遠野駅発列車で出発したが青森に於て三陸沿岸の震災を知り急ぎ帰町せる小原町議は語る。
 今回の災害は多分尻内地方を進行中まで少しも知らなかった。青森附近に至りて車中の噂となり一行は大いに心配し青森駅に至り下車するや駅長に聞いたら判然せず其の中に東奥日報の号外で災害の大きい事を知り急速に榛葉営林局長に陳情の上午後一時半の急行で花巻に下車直ちに自動車貸切で一行は午後十時頃帰町したが陳情の模様は頗る好結果にして八年度より九年度には土工を終え十年度には軌道を敷き完成の見込であると言明したが農林省の予算次第早める予定である。