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震災漁村復旧資金  県治農林案に反す   知事の面目問題惹起か

県震災漁村の復旧資金は過般の県会で町村の起債により漁業組合又は水産会に貸付けることに決議されたので別項の如く四郡水産会代表が大挙上京し漁業資金は農林省の方針通り直接漁業組合又は水産会に貸付けられたいと陳情しここに県と農林省案とは大なる開きを見せるに至ったのでついに石黒知事の面目に関する重大なる結果を招来するに至った。即ち本県沿岸の漁業復旧資金は先に石黒知事が声明せる如く県債を起しこれを組合法による漁業組合又は水産会に転貸する方策を定め過般の臨時県会にも専らこれを原則とし復旧案を上程するものと見られていたが県の原案として提出されたものを見ると明かに『町村債による』と限定されていたので知事も少なからず狼狽しこの案の修正をはからんとしたがこと既に遅くついに十七対十五で原案の儘可決され農林省の方針と相反する結果となった。

どんな手違いか  知事に事情聴取   災地四郡代表の陳情に対し    石黒農林次官語る

(東京支局発)本県震災四郡の漁業組合水産会の代表村上徳一郎、岡本(九戸)堀田、菊池(長)(下閉伊)荒井儀兵衛氏外一名(上閉伊)唐丹組合長佐藤主事(気仙)の諸氏は十八日朝着京直ちに農林省に後藤農相、石黒次官を訪問し
 過般招集された震災復旧臨時県会において震災の漁村の復旧資金に充つべき三百二十萬円の貸付けは岩手県会の決議により罹災町村において町村債を起し漁業組合若しくは 水産会に転貸する規定を作製したが斯くては凶作とパニックつづいて海嘯の被害をうけたこれ等地方民は疲弊困ぱいその極に達し■税力全くなきため折角の復旧資金も意の如くならず昨今漸く復旧途上にある三陸漁民は宝をいだいて再び■に泣くの現状である須らく資金の回収可能である漁業組合もしくは水産会に対し県が町村を経ず直接転貸するよう取り計られたし。
と延べ陳情書を提出したこれに対し石黒農林次官は
 岩手県知事の非常な努力と奔走で漁業資金は県債を起し組合法による漁業組合又は水産会及び十人連帯責任の者に対し転貸するよう計画を進め農林省では資金関係について は大蔵省と再三協議しこの方策で資金を斡旋したつもりです、それがどんな手違いで町村が起債し組合や水産会に貸付けることに変更されたのか全くの初耳だいづれ岩手県知事からその辺の事情を聴取し万全の策を講じたい。
 と回答するところあった

宮古湾内漁組 漁業口開き

宮古湾内における宮古磯鶏、重茂崎山、鍬ヶ崎の五ヶ町村漁業組合専用漁業の口開きは愈々来る二十五日から二十七日迄ウニ二十八日から角又五月一日より夫々採取が開始される事になったが前記宮古磯鶏鍬ヶ崎は曲がりなりにも使用小舟は揃っているが重茂、崎山方面は過般の津波で小舟を流失し採取不可能に陥っているのでこれ等に従事する漁民を如何にするか組合側の問題となっているが期日も切迫しているので注視されている。