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東京学校代表  沿岸各地慰問   集まった二萬円を携行し    配給は教育会一任

今次三陸沿岸海嘯に当り東京市中等学校並に夜間中学、補習学校、青年訓練所、小学校生徒一同は罹災地小学校教員及び児童に対し慰問金を募集しつつあったところこの程二萬円が■りこれを東京市視学課長広田伝蔵氏及び前記代表上沼久之丞中澤晋氏の三氏が■え三田地盛岡城南、鳥取山岸両校長の案内で十二日正午自動車で来宮。直ちに支庁に佐川支庁長を訪れ慰問の辞を述べ自動車で山田に向ったが大槌、釜石を経て大船渡気仙沼等の各罹災地を慰問して帰京する予定である広田視学課長は語る。
 おくればせながら慰問に参りました。新聞紙上や何かでお聞きして居りましたが実際視察して見ると大変な惨禍を蒙って居られる様です。罹災地の皆様には何ともお気の毒です。さき程来東京各学校から慰問金を募集しそれを携えて参りましたが配給方法は県教育会におまかせしましたから適当に処分されるでしょう。これから順次慰問してかえり度いと思います。
(東電)過般の三陸沿岸地方大震嘯の惨状をきいて満州国公主嶺公学校児童九十名から可憐な慰問状が十三日内務省社会局に送付されて来たが不自由な日本文ながら何れも達筆で罹災者慰問の心情を吐露している社会局では感激して直ちにこれを一冊に纏め罹災地宮城、岩手、青森、北海道の順序で回覧せしめることに決定し丹羽社会局長官の通牒と共にまず宮城県知事宛送られた。慰問状のうち代表的なもの数通を原文のまま掲載すれば左の如くである。
 (其ノ一)
 拝啓 貴国の岩手県、宮城県に大きな地震と津波があったことを聞きました、私の心は大変心配しています、貴方に行きたいですけれども道路が大変遠いですから行くこと が出来ません、私の父さんはこのことを思わない災難ですといいましたから今日私はわざわざ手紙をお上げします、また私の災胞(罹災同胞の意か)も返事を私に下さい
  三月三日
   東北地方公主嶺公学校初級四学年男生
 (其ノ二)
 私共はお国の宮城、岩手に地震がありましたことを聞きました私共は大変心配です、お国に行きたいですが道が大変遠いですから仕方なく手紙慰問します、謹具
   東北地方公主公学校初級四年女生

海嘯義捐金募集 巡回映画会

盛岡市大澤川原曹洞宗会館石橋恵信師は第二回三陸義金募集のため、来る二八日県公会堂に映画会を開くが之に先立ち十四日から岩手、和賀両郡下で巡回映画会を開くこととなり十三日夜会館で試写会を開いた。映画は時代劇仁侠二刀流木曾篇と涙の渡り鳥の二種で巡回プログラムは左の通り。
 ▽十四日沼宮内昭和座△十五日川口町△十六日巻堀村△十七日渋民村△十九日和賀郡更木村△二十一日藤根村

三陸海嘯(十三日本社扱い分) 義捐金

金二十円羅南咸北県人会海野雅、藤村徹、小野孚、千田馬之進、佐藤安正、佐藤仲蔵、佐藤数馬、青木栄三、大坪年丸、関口藤吉、上野道順、鎌田岳城、千葉俊胤、小川収、板垣貞夫
累計 三千三百六十四円三十一銭
県扱い(十三日)
七百九十七円五十銭大阪府愛国婦人会扱分 十一円広島県田京村■字寺核会会員 七円九十六銭台湾新竹州新竹女子公学校児童有志 四円京城岩手県人会会員 七千円茨城県知事扱分 三千六百九十九円島根県知事扱分 四千九百十円七十一銭静岡県知事扱分 五円千葉県豊海村青年団団員 二円気仙郡下矢作女子青年団団員 三十八円八十銭横須賀挟桑教太教■■員二円五十銭栃木県東大芦村挟桑教上都賀教務■員 十一円大阪府玉川村天■教会 一円北海道森町石倉村青年学校生徒 二十円広島県三浦徳松 四千八百六十八円五十九銭山梨県知事取扱分 一百円宮城県今井彦三郎
日計 二萬六百五十九円五十六銭
累計 三十八萬三千百七十円十八銭

腐乱死体漂流  田老沖で発見

震災後四十日を経た今日今なお遭難死者行方不明の死体が時折海上を漂流し或は海浜に打ち揚げられるが十一日宮古町鍬ヶ崎上田馬吉所有発動汽船漁幸丸は田老村南沖二浬の所を航行中極度に腐乱せる二十五六才の女の死体を発見し宮古署に届出た。