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罹災地救援の 大工の実費  賃銀一円を  県に陳情

五日県社会課に盛岡大工組合代表より震災に際し労力奉仕に百二十名を送って約二十日間小屋掛け等に従事帰盛したので実費として賃銀一円程度を申し受けたいと陳情した。社会課では食費と汽車賃だけの実費は支払うことになって居り最初奉仕の意味で災地に赴いたのであり今更賃銀を請求するのは失当であるとの見解を有しているが一方家族の生活問題もあるのでその対策を講じつつある。

胆江漁網□□□  復活のチャンス   津浪の沿岸で大量の注文    柴琢治氏の出県談

災害地唐丹村小白浜の柴琢治氏は五日出県したが直ちに水澤町に向かった。六日再び出県の筈だが氏は語る。
 漁網が殆んど流失したので水上氏が之を仕入れることになり之が買入れのため自分が出県して来たが低地漁業の大敷網一把でも五萬円、之を三把で十五萬円と巾着網二把二萬円を買入れたいと思うが本県自力更生の見地から往時の胆江方面網屋の復活により制作したものだ と思う現在では大阪、三河等から仕入れて居るが出来るだけ地元製品を使用したいものだ。

水澤町に  漁網組合   町長の提唱

水澤町の特産物として世に知られて居た漁網は最近廃たれて殆んどそのかげをひそめたが之を遺憾とし後藤町長、及川県議が発起となり水澤町に保護責任漁網製造販売購買組合を設立する事になり胆澤江刺の両郡から組合員を募集中である。出資一口の金額は二十円で第一回の払い込は二円である。

バラック地獄  罹災地の悲惨   吹きさらしから病人続出    県から衛生注意

沿岸被害地に急設されたバラック建家屋は目下住居人輻輳して特に衛生施設に重要な欠陥を生じている。即ち現在床下、■の板等の隙間より遺憾なく風が吹き入って室内と雖も外と変りない程の温度となって居り夜間の如きは昼間に比して十五六度も低温となる関係上感冒ジフテリア、■■マチス、結核諸病等の原因となり現に続出して居り、また下水設備なく井戸、便所等共用されている結果暖気に向って消化器系統伝染病の発生を見んか一朝にして猛烈な伝染が行われる事となるので県衛生課にては五日画警察署、町村当局に注意を発したが一般に於ても左の諸注意が必要である。
一、バラック外■いには■、こも等を多く用い、床下部分は風を防ぐため土砂を以つて防ぐこと
二、飲料井戸は■ロール石灰を以て消毒する事
三、便所は常に石灰を以つて消毒する事
四、火災を出さぬ程度に火鉢を多く使用室内温度を保持する事
五、速かに下水を構築し流■水汚水の排水をはかる事
六、一般に偏食する傾向あり混食を心掛くる事

釜石にチフス

釜石町字澤村岩田康男(十四)遠中生は五日腸チフスと検断されたが頗る重態で町衛生係では此の様な重態に陥るまで腸チフスと決定せず隔離もせず治療に当った医師の処置に時節柄厳重な報告を発した六日は同所付近一帯に亘って予防注射をなし患者は隔離する。

三陸海嘯(四月五日県扱い) 義捐金

五十三円九十五銭県商工水産課 三十円九十九銭県地方課 四円鳥取県中郷小学校児童 二十円元山商工会議所会頭杉野多市 三百六十一円七十銭花巻町長取扱の分 七十円仙台市日本婦人海外協会宮城支部氏家愛子 二十四円二十二銭遠野警察署長取扱 二十七円六十三銭山口県沖浦村長取扱の分 四円全■■道栄山浦公立実科女学校生徒 三百七円五十銭京城岩手県人会 十円東京市城西学園中学校 五十円東京市河合昇 二十円神戸市中道通衛生組合 一百円台南方面委員会 二円三十銭熊本県■川小学校児童 八円五五銭広島県西野村取扱 七十二円六十八銭稲■村長取扱の分 五十円五七銭福岡村長取扱の分
 日計 一千二百十八円九銭
 累計 二千八萬六千二百七十七円六十三銭