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畏し皇后陛下より  罹災者へ御下賜品   衣服料と裁縫料きのう到達す    聖恩洪大、知事謹話

本県沿岸の震災者に対して皇后陛下には痛く御同情遊ばされ衣服料と裁縫料を御下賜遊ばされ四日県に到達したが石黒知事は恐懼して語る。
 今回の惨状に対して宸■を悩まし給い■に御内帑を御下賜遊ばされ侍従を御差遣親しく沿岸民罹災の状況視察をなさしめ給うと共に罹災 民に対し有難き聖旨を伝達せしめ給い更に今回は皇后陛下より衣服料と裁縫料を御下賜遊ばさる聖恩洪大感激の至りに堪えず。罹災地の人々は固より県民亦至誠聖恩に応えるの覚悟をもたねばならぬ。御下賜の衣服料は愛国婦人会支部其他をして速かに調製伝達せしめるが県としては取敢ず本日皇后宮大夫に御禮言上の執奏方を電報でお願いした。
 (写真は県■正■の御下賜品の一部)

非仁術的事実  続々現わる   海嘯救護班の不親切から    某病院に当局憤慨

今度の三陸津波災害救護班派遣の問題から盛岡市内某病院に於ける救護班の不親切極まる事実が暴露され延いては同病院の貧困施療患者に対する非仁術的事実が県の係当局の知る処となり、大いにその非人道的態度が問題となって居る。今回の救護班のうちで県係当局の見る処では県自身の救護班と某病院救護班が最も不親切で罹災患者の非難を買った事実に鑑み県では大いに閉口し再三之等に注意をなしたものだが更に施療患者取り扱いにつき現に江刺郡梁川村農平野達治(三〇)が貧困のため■生会施療券で眼科の診療をうけるため某病院に赴き三月十日から二十五日迄入院手当てせるも殆んど快癒せず約二メートル先のものさえ見ることが出来なかったが引続き入院加療の必要を認めずとて無理強いに退院させられた事実あり。同人は翌二十六日岩手病院に入院し遊座眼科部長の手術を受け加療しつつある事実がある。
 県当局の談
右につき県係当局では語る。
 実に不徳義極まる病院もあるものだ。三陸津浪災害の如き非常時には病院が空っぽになっても救護班を派遣するのが本当なのだがアノ不親切はどうだ。あの病院は本来の使命をも顧みず貧困者に頗る不親切で現に県某課長女中が肋膜炎のため救療券で入院させようとしたら僅か三日で退院を命ぜられたが課長は強硬で一ヶ月程入院させた事実があった

罹災地勤務 看護兵

本県沿岸罹災地勤務在郷看護兵募集は志願者二十三名中より銓衡の結果左記二十名を採用頭書の通り駐在する事に決定した。尚手当金額は三十五円以上四十五円である。
 ▲高田町村上鶴吉▲小友村鈴木末吉▲末崎村伊藤三蔵▲赤崎村伊藤金三郎▲越喜来村菊池鐵蔵▲綾里村佐藤勇蔵▲鵜住居村佐々善太郎▲大槌町阿部由太郎▲大澤村小島清三▲重茂村大倉善之助▲宮古町工藤彦次郎▲田老村白間福治▲田野畑村清水藤次郎▲久慈町高山丑松中野村水上清之助▲種市村西村由松▲唐丹村蒲谷氏安太郎▲船越村山崎賢一郎▲山田町上野松寿▲普代村中村辰五郎

三陸震災義 捐金(県扱い四日)

四円五十銭御所村青年団南畑支部五十円市内木材業組合岩手林業株式会社外十九名 五円四十銭藪川村小倉長四郎外三十一名 三十円岩手県■内視学室 五円澤内村中川錦次郎 六百八十六円六十銭日本勸業銀行重役並行員 十円東京市横澤重治 百六十五円盛岡警察署長取扱 四円山形村青年会■支 会 四円三十六銭釜石土木管区新田留吉外七名 十円二十五銭一関町長取扱 八円四十銭東京市東富士教会本部 十四円七十五銭宮崎県日見村長取扱ノ分 二円東京市佐藤静 二円十銭群馬県岩鼻青年会台新田支部 二円大分県森脇■市 六円神奈川県青根小学校職員児童 四十四円四十五銭■南仏教会取扱ノ分 一円福島県上岡小学校大井光夫加藤光正 二十五円和歌山県富永藤平取扱 五円水澤町取扱 一千六百四十七円十九銭高知県取扱 五円新潟県岩田小学校児童 十円宮崎県を肥町婦人会十円兵庫県広谷町満福寺内金剛■三百九十二円日蓮正宗管長阿部日開 一萬一千円福島県知事取扱 三円四六銭三重県一宮青年団 四十五円北海道芽室村南部同郷会 三百円第二師団参謀長取扱 五十五円本門法華宗大本山光長寺住職九十円横須賀市長 七百円神奈川県平塚市長取扱
日計 一萬五千二百四十四円二十九銭
累計 二十八萬五千六十四円五十四銭