文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

身の毛もよだつ“黒い潮” 緑の郷土、一朝にして泥海 大船渡 起きた時は床下へ

【村上大船渡支局長】津波に見舞われら大船渡市の最上は目をおおうばかり。昭和八年の三陸津波に数倍する大打撃を受け、平和郷は
一瞬にして■■の町と化した。
二十四日午前四時二十分ごろ、市
民は■■になり響くサイレンに安
らかな眠りを■られた。魚市場の
職員及川■さん(四三)

怒濤、鉄都制す 起重機うなりもとまる 釜石

【高橋釜石支局長】恐怖の夜明け
が過ぎて数時間、外海はどこまで
も青く風さえない好天気だが、港
という港、海辺という海辺は悪臭
がただよい、つぶれた民家、田畑
にあがった船、水びたしの家財道
具など目をおおう惨状だ。釜石港
は数百のタルとドラムかんが湾内
に浮かび、転々と貨物船、漁船が
散らばっている。いつもなら耳を
つんざくばかりのクレーンの音で
活気に満ちる鉄都の桟橋も静まり
返り、無気昧なロをあけている岸
壁のキ裂と、重さ百七十トンのクレ
ーンが曲がっているのが、津波の
恐ろしいばかりのエネルギーをは
っきり物語っている。
 床上浸水五百五十八戸、被災者
 は着のみ着のままだったので、
 フトン、タタミ、衣類のはてま
 で水びたしになり、塩水につか
 って全くてに負えない。商店で
 は食品類から機械類まで水をか
 ぶり泣くにも泣けない人たちが
  多い。市衛生課、釜石保健所は
 総出で消毒をはじめ、市福祉事
 務所は災害家庭に毛布、ナベ、
 カマを支給して救助の手をさし
 のべた。

織笠で百戸流失

【山田町で西川特派員】山田町
は大沢と■笠がもっともひどい。
電話線もメチャメチャで連絡がと
れず、陸の孤島化している。大沢
は日東捕鯨のドラムカンがへいを
破って山手にのし上げられたため
裏手一帯の水田はドラムヵンで一
ぱいとなり、重油もこぼれたので
こんごの稲作が心配されている。
織笠は集団地帯三百五十戸のうち
百戸が流失した。