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特別立法急ぐ 参院自民被害視察班語る

参院自民党災害視察班米田正文、
鹿島俊雄、谷村貞治の三氏は、現
地視察を終わり、三日午後県庁を
訪れた。小川副知事、柿土木部長
らから陳情を受けたのち、一行は
次のように語った。
 五月三十一日から宮城縣の被災
 地を皮切りに大船渡、陸前高田
 釜石、宮古、久慈、八戸など三
 陸海岸一帯を視察した。公共施
 設が八戸を除いて少ないので、
 個人災害が大きいのが特色だが
 政府としても、この点に対策の
 重点を向けねばならないだろ
 う。われわれの視察結果を党に
 報告し、来週中にも三陸津波対
 策特別立法という形で被災者を
 一日も早く救済できるよう措置
 したい。とくに漁具の整備と個
 人住宅の建設は急を要する問題
 だと思う。社会党のいう変則国
 会のための特別立法が実現できな
 いという懸念もあるようだが、
 安保とはまったく別個な問題で
 単独審議でも立法化する。

特別融資は三億円程度に 松田金融公庫理事語る

国民金
融公庫
理事松
田文蔵
氏は、
災害状況を視察のため、二日夜来
県したが、三日午後一時から国民
金融公庫盛岡支所で記者会見を行
ない、災害資金は十分用意してい
ると大要次のように語った。
一、沿岸からの申し込み状況は二
 日現在で大船渡、陸前高田を合
 わせて百十件二千八百二十五万
 円、山田、釜石、大槌を合わせ
 て百二十一件四千百三十六万円
 だが、視察状況からみて資金需
 要は三億円程度ぐらいとみられ
 た。従って県から五億円の融資
 要請があったが、災害特別融資
 は三億円ぐらいで大丈夫でない
 かと思っている。
一、災害関係の貸し付けは、急ぐ
 ように指示しているが、本県は
 十日から始める。取り扱いは伊
 勢湾台風のときと同様にしたい
 考えである。
一、従って、金利は現行の九分三
 厘から六分五厘に引き下げる方
 針で、政府と交渉しており、実
 現できる見通しである。また一
 件当たりの貸し付け額は五十万
 円だが償還期間は半年据え置き
 で五十ヶ月の月賦償還とする。

七日に持ち越す 特別立法の原案

【東京支社発】政府は三日の閣議
で津波災害復旧に対する特別立法
の原案をかためる方針だったが、
北海道を視察中の村上建設相の帰
京が遅れたので、七日の閣議まで
持ち越すことになった。

風土計

厚生省社会局から日赤
県支部にはいった厚生
省と日赤本社寄託の義
援金品配分比率表によ
ると、宮城県が四八・
六%、本県が二八・九
%、残る二三・五%が
北海道、青森、三重、和歌山、徳
島、高知、宮崎、鹿児島県に配分
されるという▼行くえ不明を合わ
せ本県の犠牲者は六十三人で、人
命の損傷では全国一、物的損害で
も同様と考えていた本県関係者に
とって、この配分比率はフに落ち
ないものがある▼この比率査定に
当たって厚生省社会局は、各道県
からの被害報告の数字を基礎にし
ている。いま配分比率の基礎にな
った宮城県と本県の数字を比較す
ると、宮城県は死者四十二、行く
え不明十二、家屋は全壊千三十八
流失四百六十八、半壊千百四十九
被災者六千七百五十七人になって
いる。本県は死者五十五、行くえ不
明八、家屋の全壊三百七十七、流
失四百七十三、半壊八百三十五、
被災者三千四百三十五人で、家屋
の損失からすれば、たしかに宮城
県と本県は、この配分■程度の損
害になる▼問題は被災者数である
本県災害対策本部調べによると、
三万三千六百七十二人で、厚生省
社会局のそれに比べ十倍になって
いる。もちろん同局は家屋を損傷
した人たちだけを被災者に取りあ
げたのかもしれないが、それにし
ても宮城県と本県の災害が、配当
立の基礎数字ほどの差があるもの
とは考えられない▼以前、宮城県
警に奉職したある警官から聞いた
話だが、天災に見舞われた場合、宮
城県警は、被害程度を水増しして
報告する例があったという。今回
の場合もとは断言できないが、も
しその慣例がいまなお守られてい
るとすれば、正直に報告している
本県は、全くバカを見ることにな
る▼本県もまた、かつての宮城県
にならっれ被害を水増ししろとい
うのではないが、天災に便乗する
者は、救済物資を余計にもらえる
ろいうことであっては、義援金品
を寄託する美しい同胞愛、人類愛
を裏切ることになりはしないか。
そしてまらこういう基本数字は、
あらゆる復旧事業の面について回
るものである▼被災して本当に困
っている市町村が救済されず、そ
れほどでもないところがいち早く
予算を過分に配当されて災害前よ
りも肥え太っている事実は、いま
までにもしばしばあった。こうし
た災害便乗組を黙過するじちは、
正しい政治ではないことはもちろ
んであり、災害便乗組をなくすた
めにも中央からの視察団は、徹底
した指圧をすべきだし、中央官庁
も正しい数字をつかむよう努力す
べきである。