文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

本社特派員現地から第一報 紀南の被害甚大    救護隊海陸から續々

二十一日早曉の強震により、尾鷲、木本方面の通信は不通とな
つたので本社では同日直ちに高木社會部記者、秋田?■■員を
現地に特派した
 兩特派員は夜を徹して列車不通の相賀から徒歩で尾鷲へ、さ
 らに矢ノ子峠を経て木本、そして全滅を■えられている新宮
 市へといまペンとカメラを抱いて強行をつづけている

各地の被害

内務省に報告された二十二日午前
五時現在の被害状況左の通り

===最も激しい震撼===   ミシガン大學でも記録

【ニューヨーク二十一日發ロ
イター】(共同)ミシガン大
學ジエムス・ウイルソン教授
は二十一日日本の地震に関し
て次の通り語つた
 二十日十九時三十六分(グ
 リニツジ標準時間)
 から三時間にわたつて地震
 計に震撼が記録されたがこ
 の地震は大學の地震計にか
 つて記録されたもののうち
 最も激しい震撼の一つであ
 つた

新宮市は全市倒壊  二千五百戸全燒、死傷多数

罹災者卅萬  救済へ全力注ぐ    内相談

二十二日正午現在内務省着報の被
害集計
 死者六五六、負傷六四一、行方
 不明九六、住家全壊四七二八、
 半壊一一四四五、流出二三〇三
 非住家全壊四五七、半壊四五五
 流出全壊工場一〇、半壊七、浸
 水家屋二四一二七、船舶流失一
 二三八、漁船九五七未報告の分
 を加えると相當增加の見込み

世界の關心集まる   外國電報は地震で持切り

グリニツチ標準時二十日十九時二
十分日本に大地震起るの報道は世
界各國で多大の関心を呼んでおり
二十一日以後の國際電報は地震に
関する報道で持切りである、VP
電報は海外放送の大半を地震報道
にさき在日特派員が共同通信社そ
の他から入手して打電するニュー
スを刻々編集し「一九二三年の関
東大震災以上の大惨害」として被
害全貌ている
 APも「地震と津浪に襲われた
 日本の惨禍」として「共同通信
 社の報道によれば今回の地震は
 日本の近海に震源地を有する地
 震として、史上空前のものであ
 る」とまで報じている、またロ
 イター、フランス通信などいず
 れも特派員の電報を中心に多彩
 なニュース■を展開している

死傷四十名  家屋の全半壊二二八戸  本縣被害

二十一日早曉の強震による縣下の
被害全貌は二十二日縣公安課の調
査によると次の通り
 △死傷、死者九名、傷者三十一
 名△倒壊、住家六十四戸、非住
 家六十五戸△半倒壊、住家八十
 七戸、非住家十一戸△浸水、床
 上七百四十三戸(吉津二百、島
 津二百、錦二百、引本十七、南
 輪内百二十六)床下六百九十二
 戸(九鬼三、錦四百、二鄕三十
 尾鷲六十、神原十三、穂原一、
 五ヶ所十五、引本百、南輪内三
 十、長島四十)△流失、住家三
 八戸、非住家五(全部南輪内)
 △交通機関一、省線、五ヶ所不
 通、尾鷲--相賀間(復旧見込不
 明)尾鷲--木本間バス(復旧見
 込不明)紀勢西線、井田--阿田
 和間(當分復旧見込ナシ)二、
 社線、三重交通、二見--山田間
 (復旧見込不明)三、道路、三
 ヶ所、大杉谷--長島間(橋梁陥
 落)志摩磯部--五ヶ所間(橋梁
 流失)尾昌志--阿田和間(道路
 崩壊)△通信機関一、警電二十
 三■中二■(木本、鵜殿)を除
 き連結可能二、逓電、紀州方面
 いづれも不通 三、鉄電、紀州
 を除き可能△電燈関係、全縣下
 消燈したが、宇治山田の一部が
 二十一日中に復旧△堤防被害、
 尾鷲一ヶ所十米須賀利三ヶ所九
 十五米△その他の被害一、楠村
 田 八町陥没 二、引本麥畑五
 町、南輪内麥畑五町南輪内田十
 町いづれも流失 三、醤油十五
 石流失 四、漁具、漁船流失損
 害百万円(尾鷲方面)五木材な
 ど厚木二千石、製品 五百石、
 杉皮八百束(木ノ本署)製炭用
 かまの破損により山火事三ヶ所
 損害軽少

徳永警察部長尾鷲へ急行

 徳永
縣警察部長は紀州方面震災状況■
察のため廿三日午前八時自動車で
津發、廣急■薬品などを積んで尾
鷲に向ひ同日船便あり次第佐伯知
事代理として全滅を傅えられる新
宮を訪問する豫定

復■用に神宮材を■下げ

 宇治
山田市では 震災被害家屋の應急
復旧用として神宮御造■用釘と御
残材の拂下げを受けることになり
二十二日仁科総務課長が神宮司祭
を訪問、懇請した

酒三十石流失    三重郡の震禍 

         三重郡では楠
町宮崎酒造場の酒倉が全壊し、酒
二十石、同三重酒造場でも十石計
三十石流失した

■災者、引揚者の座談會

  四日
市市では二十一日引揚者、震災者
の座談會を開いたが、対策のとも
なわない実態調査では何にもなら
ない
 引揚寮や母子寮を観察に来るの
 はいゝが我々は見世物ではない
 から眞実味のある■観を希望す
 る
など眞剣な要望があった

配給

【桑名市】味噌、■
油(十二月分)一人
當り味噌五十匁、■
油一合づゝ、廿五、
六兩日、残余は一月十日前後に當る