文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

罹災者に 租税の免 中小納税義務者に重點

申請は廿日限り

過般の震災被害

者に對する租税の減免、徴収猶
豫の勅令が■■公布され即日實
施された、減免、徴収猶豫の恩
恵を受けたいものは來る二十日
までに所轄税務署長あて所要の
申請を行はなければならない、
現在までのところ縣下の罹災地
における申請者は極めて少數で
主旨の徹底を欠いてゐるうらみ
があるので津税務署では九日次
のやうに申請の手續その他につ
き一般の注意を促した、なほ減
免猶豫の恩典を受ける被害の程
度は資産等に過般の被害を受け
たものを限界としてゐるが適用
の範圍をなるべく寛大に取扱ふ
方針であり、しかも中、小納税
義務者に重點をおいて行はれる
ことになつてをり、また申請は
必ず行はなければならないので
罹災者はこの際どしどし所轄税
務署に申出でるやうのぞんでゐ
る、樣式その他につき不明の點
があれば各税務署、市町村役塲
または十日津市の縣商工經濟会
内に開設される税務相談所に問
合せられたい
一、租税の減免徴収猶予の對策
となるものは震災によつて受
けた家屋倒壞、家財の流失、
工塲建物、機械損傷、漁船、
魚網流失、農作物の被害等で
あつて所得の基因となる資産
又は事業の用に供する資産に
過般の被害を受けた者に對し
て行はれる、不動産所得、事
業所得に對する分類および綜
合所得税に對しては第四期分
を、(納期二月)住宅 又は家
財に過般の被害をうけたもの
に 對しては同樣 第四期分を
(納期二月)營業の用に供す
る資産に過般の被害を受けた
者には營業税の第二期分(納
期一月)および 臨時 利得税
の第三期分(納期一月)第四
期分(納期三月)が夫々減免
されることになつてゐる、減
免の程度は總所得金額によつ
て割合に差等があるが一例を
あげると所得税に於て五千円
以下は第四期分を全免、五千
円から一万円までは第四期分
二分の一減免、一万円以上五
万円までは十分の二減免、五
万円以上は減免なし、營業税
では三万円以上減免されない
適用を受けんとするものは被
害の状况を記載した申請書を
一月二十日までに所轄税務署
に提出しなければならない
二、住宅又は家財に過般の被害
を受けた者は十二月分から今
年の五月分迄、甲種勤勞所得
丙種事業所得に對する分類所
得税が減免されるが、これは
給料、賃金等の支拂を受ける
塲所及び被害の状况を記載し
た申請書を一月廿日迄に給料
賃金らの支拂者を經由して税
務署へ申請しなければならぬ
三、震災に因り死亡したる者は
乙種勤勞所得に對する分類所
得税及び綜合所得税の第四期
分が減免されるが、一月二十
日迄に其の旨税務署に申請し
なければならぬ
次に徴収猶豫に關しては、震災
に因り被害を受けた者の納付す
べき十九年分所得税、個人營業
税、個人臨時利得税、地租、十
二月七日迄に開始したる相續に
對する相續税、十九年三月三十
一日迄に製造の同日迄に製造塲
より移出したる酒類に對する酒
類造石税、十月乃至十二月の各
月分酒税、淸凉飲料税、砂糖特
別消費税、物品税、遊興飲食税
入塲税、特別行爲税に付ては一
ヶ年以内其の徴収を猶豫する事
が出來るが適用を受けんとする
者は一月二十日迄に其の旨税務
署へ申請しなければならぬ、又
震災に因り所得の基因たる資産
又は事業の用に供する資産に過
半の被害を受けた個人に付ては
昭和二十年分の所得税、營業税
臨時利得税に付其の所得等の計
算上損害見積額を必要の經費と
見做すのであるが、この適用を
受けんとする者は一月三十一日
までに二十年分の所得等の申告
と同時に損害見積額を記載した
申請書を税務署に提出しなけれ
ばならぬ、尚法人に關しては其
の所有の家屋、船舶、機械等の
資産に損害を受けた時
(一)之により受取つた保險金
を未決算整理した塲合は之を
益金に算入せず(二)此の損
金を以後五ヶ年間に限り損金
に算入する事が出來る(三)
又斯る損金を資産に計上し以
後五年内に償却した時には之
を損金に算入する事が出來る
等の特例が認められて以るが適
用を受ける時には、決算後の普
通の申告と同時に必ず申請しな
ければならぬ

津税務署長 松本茂氏談

◇…震災罹災者の實情はまこと
に氣の毒であるが重大時局にあ
たつて一日も早く起ちあがつて
戰力增強に奮勵してもらはなけ
ればならない、かういふ主旨で
租税の面から政府の親心の免税
徴収猶豫などの恩典があたへら
れたのであるから罹災者は早速
所要の手續きを行つてもらひた
い、申請は所轄税務署長あて來
る二十日までに行はなければな
らない
◇…申請を怠ると適格者でも恩
典を受けることが出來ないから
特に注意を要する、税務署は申
請に基き一應被害の状况を調査
の上出來るだけ寛大な範圍に適
用して行きたいと思つてゐる

津、木本線國道に編入 國 防 道 路 遂 に 實 現 紀勢の山嶮に蜿蜒百五十粁

熊野灘沿岸地方は國防上重要な地位にあるので縣
では昨年以來紀州半島と中京をつなぐ路線の■
■編入について■■内務省に折衝をつヾけてきた
が、昨年五月二十二日内務大臣に國防道路とし
て國道編入を正式申請、さらに過般の通常縣会で
は意見書が提出されるなど官民一致でその促進
をつヾけてきたがいよいよこの畫期的な措置が実
現される旨九日内務省から縣へ通知があつた
■たに國道に編入される縣内の
路線は從來の指定府縣道たる津
本本線の大部分で松阪市より國
道一路線を分岐して飯南郡、多
氣郡、度会郡の各町村を經て北
牟婁郡に入り難嶮矢の川を越え
南牟婁郡をへて和歌山縣新宮市
に至る延長百六十キロにわたる
もので和歌山縣下では新宮から
和歌山に至る路線が同時に國道
に編入された、内務省では現在
國道の認定については殆ど取扱
はぬ方針であつたが今回この措
置をとつた所以はとくにこの地
方の國防上の重要性をみとめた
わけであり、正式の名稱は八日
付で告示されるものとみられ、
國防の見地のみならずこれが改
修によつて産業開發に資する點
は莫大なものがあり、年産二百
五十万石中百五十万石を占める
木材をはじめとして薪炭その他
の林産物の開發によつて緊要物
資輸送の幹線道路のもつ使命は
大きい

持 永 知 事 談

紀勢和半島を中京とつなぐ國道
の編入については官民一致での
本縣多年の要望でもあり、過般
の通常縣会でも意見書が提出さ
れたが■よこれが實現されたこ
とについては寔に■宜を得たも
のであり、國防上の見地からは
もちろん、緊急重要物資の搬出
に資する利益は尠からざるもの
がある、本縣ではこれまで帝都
と神宮をつなぐ一號線、四日市
市追分から分岐して京都を經て
鹿兒島に至る二號線と二つの國
道があり、前者は昭和十二年以
來、後者は昨年から改修に着手
され本縣としてはめぐまれた状
况にあつたのであるがさらに今
回この路線が國道の認定をみた
わけで本縣としては當初志摩半
島の沿岸地帶を過ぎて紀州に至
る路線の國道編入を要望したわ
けであつたがこれについては縣
としてさらに改修を行ひたいと
思つてゐる
新國道路線の改修は當然行は
れなければならず、とくに矢
の川峠についてはこれをうん
と掘り下げて路面を低くしト
ンネルをつくる必要があるの
ではないかと思ふ、いづれに
せよ本縣としては木本をつな
ぐ陸土唯一の路線が國道に編
入され國防上には潮岬を中心
とした紀州半島の沿岸に沿ふ
重要地区がこれによつて固め
られることは喜ばしい

山崎監理課長談

今回の國道編入實現については
その衝に當つてまた當路の者と
してまことに喜ばしい次第で、
この路線は大正十二年に府縣道
に指定されたもので現在有効幅
員平均四米半、この改修につい
てはたヾちに實施することは難
しいであらうが重要地點につい
ては遠からず實施は必然で縣と
しても十分現地へ出向いて促進
するが維持費は從來どほり縣が
支出するが改修は國がやること
となる、新國道編入にさいして
路線の變更は實施されないもの
と思ふ
本路線中尾鷲ー木本間は過般
の震災で被害をうけたが十五
日には貨物自動車の通行も可
能の見込である、しかしこの
地點は何分險路で延長六十キ
ロ、三時間半を要する難所で
あるだけにこの改修が何とい
つても最大の問題であらうと
思ふ

短 信

南 ■山戰士から震禍見
牟 舞 紀州■山では工員
婁 一同から紀南の震禍見
舞として被害地へ義捐金四千三
百二十八円六十五錢に添へ衣類
百六十八點、食器具三百七十點
を贈つた

志 ■藩主より見舞金
■志摩鳥羽の藩主■■
摩 長賢子爵から震災見舞
金として五百円を鳥羽町へ、五
百円を地方事務所に届けられた
ので地方事務所では子爵の篤志
を各町村に分割して交付するこ
ととなつたが鳥羽町では目下適
切な使途を考究中である

度 島津村に■る復興氣
運 島津村では柳生村
會 はじめ各種團體、村長
民の逞しい協力により災害復興
が著々進捗し早くも三棟五十戸
の住宅建築工事は落成を見るに
至つた

震災義捐金寄附者芳名 九日正午現在

五千円、天津日界住吉街永安公
司機械工作所主川守安藏▼三千
円、東京都品川区南品川山口喜
三郎▼二千円、四日市市赤堀加
藤政吉郎▼一千四百三十八円六
錢、津市廣明町持永義夫▼一千
円、關兵器工業三重製造所長乾
久▼一千円、三重郡楠漁業組合
▼一千円、靜岡市安西二丁目和
波商店▼一千円、志摩郡答志村
橋本■藏▼一千円、三重郡川越
村川村久次郎▼一千円、名古屋
市西区鹽町 太田重太郎 ▼一千
円、度会郡中島村岸傳次▼一千
円、志摩郡鳥羽町柳原幸太郎▼
一千円、山口縣▼一千円、東京
都日本食肉統制株式会社▼一千
円、津市京口町村田眞一▼二百
円、(一人分)

累計金
六十一万三千七百二十九円九錢