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殉職二警官へ功勞章 加藤、堀江兩氏に重なる榮

過般の震災によつて尊
い殉職を遂げた前吉津署長故加
藤六一警視と前木本署勤務堀江
武雄警部補はさきに破格の二階
級進級をもつて報はれたが廿八
日堀江警部補、廿九日加藤警視
の警察葬が各鄕里で執行される
にあたり警察官の金鶏勲章とも
いふべき警察功勞章が贈られる
ことに決定した旨上京中の小野
澤警務課長から縣に通知があつ
た、警察官の最高の榮譽である
功勞章の授與者は縣下ではピス
健の兇彈に傷ついた橋爪忠男巡
査、松村政男巡査部長、森本久
吉巡査につヾき今回で六人目で
ある

堀江武雄警部補 警察葬昨日執行

過般の震災に際し身を挺し救護
に敢闘し遂に尊い殉職をした紀
南新鹿村駐在所勤務堀江武雄警
部補の警察葬は二十八日午前十
時から鄕里飯南郡花岡町■部田
菩提寺なる光明寺に於て佛式に
より
葬儀委員長持永知事代理官後
藤警察部長はじめ福尾安濃津
檢事正、縣会議長代理龜井正
雄縣会議員、戸叶津聯隊区司
令官代理、中部三十八部隊長
代理、津海軍人事部長、憲兵
隊長代理、石倉 木本 警察署
長、新鹿村長、縣警察部各課
長その他軍官民多數參列
斯くて定刻同寺住職以下多數僧
侶參列のもとに後藤警察部長祭
文を奏上、警察官代表西村松阪
署長その他關係方面の弔辭があ
り引つづき縣下各署長はじめ關
係筋から贈られた弔電の披露が
あり特高課長代理增田次席が各
課長を代表してその他順次遺族
近親の燒香があつて近來にない
盛葬裡に式を閉ぢた

南郡で百九十戸 縣營住宅の建築決る

震災復舊本部では南輪内村へ九
十六戸、■坂村十三戸、新鹿村
八十戸の縣營住宅を建築するこ
ととなり既に敷地も選定、資材
到着次第に建築に着手する
住宅は六疊一間に六疊の土間
の四間長屋、將來改造の塲合
は二、三軒を一つに出來るや
うに仕組めれてゐる、貸付は
親戚身柄のないもの、職歿者
出征軍人を優先的にする
復興に起上る 震禍を
紀南の海岸村 蒙つた
南牟婁郡の海岸村は起ちあがる
ものの逞しさを示して一路復舊
に敢闘精神を發揮、どつしりと
落着きを見せてゐる
◇南輪内村では村營住宅百戸建
設を決議、縣營に振り向けた
ほか供出炭三万五千三百五十
俵を是が非でも明年三月まで
にはと、尾鷲燃商聯から六千
俵の空俵をとりよせ製炭に突
撃してゐる
◇北輪内村また流失麥畑の蒔直
しに增産班長を第一■に早く
も二町歩を終つた
◇新鹿村は十八日から二十三日
まで國民学校兒童をはじめ村
民出動して麥踏みをやつての
け震禍克服へたくましい足並
みを揃へてゐる

正月は特に防空 警報下に焚火は禁物 中條警防課長要望

年末年始の神經
戰効果をねらつて敵機がクリス
マスの氣焔に乘じ來襲する可能
性があるので中條縣警防課長は
つぎのとほり語り歳末から新年
へかけての防空陣營強化を要望
した
◇…敵がクリスマスのお祭さわ
ぎを十分滿喫したのちわが神經
戰効果をねらつて大擧空襲を企
圖するといふことは十分察知せ
られるところであり、もつとも
警戒しなければならない
◇…もつとも大切なことは家を
空けないといふことで年頭にさ
いしての必勝祈願の神詣りだけ
はしてもよろしいがこのさいで
も警報に應ずる留守宅の處置を
忘れてはならないし、また警報
があればすぐに歸宅して防空配
置につかねばならないことはも
ちろんで醉余の不覺、防空活動
ができないといふやうなことが
あるとすればもつての他である
◇…またお正月にお雜煮を祝ふ
などのことはあつてもよいが警
報があれば焚火は絶對に控へな
ければならぬことは勿論であつ
て要はお正月氣分を一掃して寸
刻の余裕を防空壕と防空資材の
點檢強化に集注し百二十万縣民
の鉄壁の備へをますます固めて
もらひたい

一 家 一 室 を 完 全 に 遮 蔽

歳末から新春へ空の衛りの新し
い覺悟を次のやうに津署および
市防空本部から市民へ發した
◇防空精神の昂揚 敵
機の頻襲に馴れて却つて安心感
をいだくものがあり夜間空襲警
報發令中防空態勢を怠るものが
多くなつた、防空精神の弛緩を
嚴に戒め、ますます旺盛な士氣
をもつて万全の準備を整へる事
◇防空設備資材 待避
壕の管理が不行届きのものがあ
り水槽、砂、火叩き、救急資材
など今一層完備しておくこと、
警報發令中は特に家中あらゆる
容器に滿水にしておくこと
◇燈火管制 夜間漏光す
るものがが相當ある、一家一室
の完全隱蔽室を設けること、炊
事、風呂などの火光をもらさぬ
こと、十時以後の管制を怠らぬ
こと
◇防護監視 防護監視は
特設防護團、防衞部から發せら
れた待避信號を部内に傳達する
のを原則とするが獨自の状况判
斷によつて待避信號を發するこ
とも出來る、立哨者は乳幼兒あ
る婦人を避けて活動の自由をは
かること
◇待避 なほ一層敏速な行
動を要し状况判斷によつて防衞
部で適當に解除をするも差支へ
ないがこの塲合信號を發してか
ら十分間の間は最も危險である
から注意を要する待避壕には疾
病豫防に充分留意すること
◇防空服装 常時防空服
装を勵行して不斷に準備してお
くこと
◇その他 連續空襲にそな
へ生産活動を阻碍せぬ限りなる
べく睡眠をとつて防空活動に間
隙のないやう併せて體力の維持
增強をはかること

紀北沿岸に魚群 船と漁具を急整備

紀州沿
岸にブリ、ワラサ、ウルメ、イ
ワシ、 サンマ、カツヲの魚群が
大量に回游してゐるが過般の津
浪によつて被害をうけたので船
と漁具がなくて、みすみす手を
こまぬいてゐるとの報告が廿八
日縣水産課へもたらされたので
同課では使はない漁具の供出
を要望するとともに全縣的に
漁撈陣の機動性を計畫、さら
に本格的な整備を急ぐことと
なつた

短 信

度 罹災船主の義侠
宿田曾村宿■鈴々丸船
會 主加藤■太郎氏は今回
の震災で相當大きな被害をうけ
たにも拘らず同縣南島方面の罹
災者に食糧や夜具などを贈つた
ほか二十六日地方事務所を經て
縣へ三百円、その他二ヶ町村へ
各百円、また自己經營の宇治山
田市■水■館からも■■二ヶ町
村へ各五十円、合計六百円の見
舞金を贈つた

震災義捐金寄附者芳名 廿八日正午現在

二千円京都市田中末松▼一千円
東京都川村哲治▼一千円志摩郡
鳥羽町林邦太郎
累計金
三十四万四千二百八円三十三錢