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復興へ自己主義を愼め 資材、勞務に嚴重な取締

震災復興が逞しく展開されよう
とするとき、これを阻むものは
復興關係資材の一人占めや他を
かへりみない勞務の獨占にある
ので、これに就ては縣の統制と
ともに安■津檢事局でも嚴重な
取締を行つてゆくが、十四日同
檢事局の小西檢事は世古口縣經
濟保安課長と打合せ近く縣下の
業者代表をはじめ關係者の協議
会をひらいて復興資材供給の統
制、日傭、勞務者の就勞協定賃
金の 履行などを 徹底するとと
もに取締の面では違反者には嚴
罰主義をもつて臨み〝古着一枚
でも〟の隣人愛の要望されると
き重點復興先決を紊る個人主義
は容赦なく摘發する方針である

勞務要員を派遣 松阪の住宅修理

松阪市では十四日緊急首腦部会
議を開き震災應急對策を決定、
應急施設資金を相當支出し罹災
市民の住宅に重點主義で瓦、杉
皮その他の資材、屋根瓦葺職人
所要人夫など物資要員を市から
直接現地へ派遣し雨しのぎの出
來る範圍に市で應急設備を施す
ほか資材の確保、所要人員の緊
急動員命令を即日發した、十五
日から被害の大なる住宅から順
次復舊工作を急速に進める

松阪から醫療隊

松阪署では度会および紀北の災
害地へ既に警防團員を多數特派
したが更に十四日精鋭を紀北へ
派遣したほか醫療救護隊を結成
醫師、齒科醫、産婆、看護婦八
名は十四日一番列車で度会郡南
島地方へ救援に出動した

津の住宅腹腔資材 近く應急的に配給

津市の災害復舊對策委員会は十
五日御前十時から市役所で開き
復舊工作につき打合せるが復舊
工作は取あへず緊急を要する住
宅を對象として資材の配給、修
理方法などを決定、また同日午
後一時から開く物資對策委員会
では罹災者に對する應急物資の
配給につき協議する
住宅修理用資材は十八日まで
に町内会長が取纏めて市土木
課に申請するが申請者は全壞
もしくは半壞で現に他へ移住
してゐるものを後廻しにし居
住してゐるもので、どうして
も風雨をしのぎ得ないものに
優先的に配給する、應急必需
物資は目下經濟課で調達中で
あるが鋸、カマ、木炭、淸酒
などである

谷口刑事の責任感 愛兒の死を秘め救護に挺身

四日市市冨田署刑事谷口尚一氏
(二六)は七日の地震に妻女は産褥
に、長男は病氣危篤であつたが
二日一晩家に歸らず同僚にも秘
めて復舊救護作業に敢闘し、愛
息の訃報に接しても葬儀一日を
休んだだけで橋本署長もいたく
感激、十二日縣へ表彰方を具申
した

任 侠 の 棟 梁 あ り 病妻をあとに災害地へ

度会郡東外城田村加納の大工職
中西庄太郎さん(五〇)はさる九日
勞報宇治山田支部の緊急工作隊
員として島津村へ復興救援に赴
いたが
庄太郎さんは妻しづさん(四五)
との二人ぐらしで、出發の際
しづさんが病にたふれて入院
を要する状態だつたが仕事に
はかへられぬと隣組へ後事を
託して作業に敢闘、その後し
づさんの容態もやゝ持ち直し
た、この夫にしてこの妻の健
氣さは病床から夫を勵まして
派遣中の夫へ「十日間の作業
期間を立派に果して歸つて下
さい」との激勵を託したので
あつた

雨 傘、 ち り 紙 な ど 紀 州、 度 會 へ 急 送

縣では震災復興關係物資の急送
につとめてゐるが衣料品につい
で十四日には地下足袋四千足、
塵紙千二百締、和傘四千本を南
北牟婁、度会の各地方事務所あ
て發送通知を出した

震 災 義 捐 金 七萬五百圓へ

震災災害地救助の見舞金は十四
日現在で総計七万五百十六円五
十錢に達したが、縣では額は少
くとも義心に燃える隣人愛の一
燈の寄託をも喜んで歡迎してを
り、一千円以下の寄託は市町村
で受付けることになつてゐる
農業會診療班 縣農業
会の無醫村診療班は十四日から
二十三日まで鈴鹿郡椿村へ派遣
中勢病院の奥田内科部長はじめ
同村へ出張して毎日午後一時か
ら四時まで椿村農業会事務所で
診療に當る

國 鉄 松 阪 管 理 部 罹 災 者 へ 衣 類 を

國鉄松阪管理部では管下職員に
手持の衣類、寢具類一點以上醵
出を求め。二十日までに総務課
庶務係で取纏め罹災者へ慰籍す
ることとなつた

商工相談所 災害地へ設ける

縣商工經濟会では
十五日午前十時から理事会をひ
らき震災復興對策につき打合せ
るが、その一つとして各災害地
ごとに商工相談所を設けて商工
復興の談に應ずることとなつた

人 柱 で 救 出 作 業 勇敢な警防部員(泗市)

四日市市南町防空部員水谷仁太
郎(五二) 市川勝(四九) 平尾吉三郎
(四一)の三氏は去る七日地震のた
め家屋の下敷となり生埋めとな
つた者を水谷、市川兩氏は倒れ
た家屋の棟木を支へるため自ら
人柱となり平尾氏は敢然その下
をくヾつて柱を鋸で切斷、救助
に挺身し水谷、 市川兩氏は落下
する瓦や木材で肩部や腰部など
に負傷するも屈せず、つひに救
出したことが判り人命救助の華
として十四日警防團第二分團か
ら三氏の表彰方を具申した

震災義捐金寄附者

十四日正午現在
一万円 小磯内閣總理大臣
一万円 朝日新聞社
一万円 毎日新聞社
一万円五千円 中部日本新聞社
一万円 大阪市藤井彌十郎
一千五百円朝日新聞社震災共同
基金会▼五千円神奈川縣知事▼
二千円伊勢新聞社▼一千円伊勢
新聞社重役及從業員一同▼五千
円讀賣新聞社▼一千円三重縣会
議員一同▼十六円五十銭(二人
分)
累計 七萬五百十六圓五十錢

鄕 土 短 信

志 災害復舊に義捐金
鳥羽町林鉄工所所長林
摩 ■太郎氏は二千円同谷
岡鉄工所々長谷岡淸吉氏は千円
を何れも震害復舊資金として鳥
羽町役塲に寄附

四 國民学校災害對策
日 十三日第七校で校長会
市 を開き、地震被害對策
と市の建物疎開事業への協力に
ついて懇談した

桑 市助役ら罹災■■見
名 舞 桑名市■■十四日
市 加藤助役らが震災で全
半懷した家庭を懇ろ慰問激勵し
見舞金、金一封を贈つた

震 災 罹 災 者 へ 寄 贈 衣 類 募 る

去る七日本縣を襲つた震災は相當な被害があ
り罹災者の窮状洵に同情に堪へないものがあ
ります、これが救助の一端に資するため縣民

一,實施期間 十二月十一日から三十一日迄

の義心に愬へ寄贈衣類を募ることになりまし
た、婦人會と靑少年團が頂きにまゐりますか
ら縣民各位の切なる御同情をお願ひします
主催 縣 市 長 會、縣 町 村 長 會
翼賛會縣支部、伊勢新聞社