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罹災者へ隣人愛洽し

復興へ衣、食、住の總援軍
縣下の震災は紀州方面にかなり
の痛手を蒙つたが罹災者は何れ
も平靜を持し天の苛酷な試煉に
もめげず復興へ逞しく立ち上つ
た、集團的罹災の尾鷲、長島は
じめ島津村その他木ノ本町を除
く被害の沿岸各町村では流失物
の整理、倒壞家屋の取り片づけ
半壞家屋の再建など涙ぐましい
努力をつづけ今こそ眞に隣組が
一家族となつて食も住も喜びも
悲しみも共に味はい血のにじむ
急速な復興に総力をあげてゐる
縣では持永知事が陣頭に立ち
「大日本國民は現在眞に死生
の戰をつヾけてゐるのである
この位ゐの災害に挫けること
なく復興にあくまでも強く逞
しく最大の努力を拂つて貰ひ
たい復興には最善かつ強力な
對策を■て遺憾なきを期す」
と強い決意を表明し縣のあらゆ
る救護機關を動員して復興に着
手したが、一方これに呼應して
縣下各組合ではそれヾヾの使命
を發揮して■■へ挺身すること
になつた、先づ
縣食糧營團 では■災
と共に海、陸より志摩産の新
米および長島町の保有米、甘
藷など主食物を逸早く尾鷲町
はじめ各地の罹災地へ配給し
て食の安心を與へた、つヾい

縣大工工聯 ではさし
あたり津、河藝地区の組合員
數百名を動員して緊急修理班
を結成し、某方面に挺身隊と
して出動中の組合員の緊急解
除を求めて緊急修理班を結成
まづ重要部面の修理に着手し
つヾいて一般民家の緊急的修
理に取りかゝるべく早くも準
備一切なり何時でも當局の指
令に基づき或ひは希望により
出動すべく待機してをり、そ
の一部は既に建設に挺身して
ゐる、同組合は個人の家は家
主を通じて所轄警察署の許可
あり次第直ちに組合において
適宜修理する旨を述べてゐる
更に
縣瓦興業組合 では十
日役員会を開いて破損の■を
調査する一方、縣に申請して
■■■の修理挺身隊を結成す
べく計畫、 これにより急速に
瓦の増産に着手すると共に近
々中に隣接府縣の保有瓦の■
人を求めてとりあへず緊急必
要の瓦を確保し勞力方面は工
■統制組合と連絡して再建に
着手する準備を整へてをり、
また一般個人の向きに對して
は各地に臨時代行配給所を設
けて三枚、五枚といつた數も
配給すべく考慮中である
かくして聖地縣民の逞しい復興
の力は日ならずして罹災者にと
つて最大な不安である食と住の
完全は期せられた、衣もまた縣
より非常災害の塲合の衣料切符
が配給されるはずであり一般縣
民の罹災者への隣人愛は同情金
となつて寄せられるであらう

軍 歌 で 通 勤 生産陣揺がず

生産方面の復舊活動は八日から
各專門部面の工作隊を編成、生
産工塲防護團と強力本格的活動
を開始し被害の早急復舊に努力
夕刻までに早くも平常作業に復
し震害何ものぞの意氣は黑煙を
吐く大煙突の煙にもハツキリ增
産意慾を昂揚し作業終つて整然
と退社する女子工員、隊伍堂々
行進歌の齊唱に足並そろへて夜
勤に工塲へ急ぐ工員のどの顔に
も何糞こんなものに負けてたま
るかとグツト喰ひしばつた口許
に限りない賴母しさを覺える、
この意氣この氣概のある限り銃
後生産陣は微動だもせず增産へ
邁進、全市一丸復舊へ強力な前
進を續けてゐる

東紡で工員合同葬

東洋紡績某工塲では七日增産職
塲に殉職した十名の生産■■の
合同葬儀を九日午後一時から全
從業員が參列して工塲で執行し

四日市の震禍對策

四日市市では八日緊急市会をひ
らき震禍對策につき防護、死亡
者に弔慰金を贈ること、正副議
長と各地區一名都合十八名の議
員で市会の復興委員会を設置す
ることを決定した、市役所に設
けた震災應急相談には総務、受
理、調査、資材の四係を設け罹
災者の相談に應じ活動してゐる

木本町の災害復舊

南牟婁郡木本町では過般の高潮
によつて埋められた海岸通り道
路の海砂を町民の勤勞奉仕で取
■くことに災害復舊常任委員会
で■■、■三日中に着手するこ
と■に災害で中止してゐる縣營
西鄕川砂防工事を動勞によつて
再出發することになつた

鄕 土 短 信

一 町会長復舊對策協議
久居町では十日町役塲
志 で緊急町内会長会議を
開き今次震災被害箇所復舊對策
につき協議するとともに被害者
へ金一封の見舞金を贈ることと
出征遺家族へは震災見舞を兼て
歳暮慰問を行ふことを申合せた