文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

先週のべスト 『津波の教訓』  =中島 健蔵=  (NHK①25日後11時10分)  思い切った救済、予防予算を

 二十四日未明に日本の太平洋岸
の全体を襲ったチリ地震津波につ
いて考えられることは、まず警報
がおそかったということだ。チリ
の地震の大きさについてはすでに
新聞が報じているし、二十三日午
後にはハワイの津波被害の第二報
がはいっているのだ。警報がおく
れたことはかくせない。津波の名
前をどうつけようかなどはどうで
もよいことだ。問題は対策をどう
するかだ。すみやかに中央対策本
部をつくって、つなぎ融資をする
なり予算費を出すなり救助法を運
用すべきだ。死者、行くえ不明二百
人、流失家屋三千戸以上の大災害
だ。やれ国会を召集するから集ま
れのと、なにをグズグズしている
のか。伊勢湾台風でひどい被害を
うけて一年もたっていないという
ことは、日本では災害は決して臨
時や不時のことではない。年中、
しょっちゅうありうることなの
だ。だから相談ぬきでいつでもサ
ッと手を打てるようにすべきだ。
そして毎年、例外なしにあること
だから、思い切って予防、救済の
予算を大幅にとることだ。

国ぐるみで災害からの”自衛”を

 こんどの津波でも自衛隊が各地
で救済に働いたことは喜ばしい。
日本は災害国だ。日本を自衛する
第一番は災害から国土を守ること
だ。日本にはなによりも災害防止
隊が必要である。南方での気象報
道は在日アメリカ空軍がやってい
るが、これも手うすであるとい
う。こんなこともアメリカにたよ
らず日本でやるべきである。津波
は五十五年ぶりかもしれないが災
害は毎年のことだ。そして天災の
特徴はいつどこで起こるかもしれな
いという点だ。いまこそ国ぐるみ
天災防止を本気でやらねばならな
い。それが日本を自衛し、日本の
安全を守ることなんだ。NHKで
も津波助け合い運動をはじめたが
そんなことをしないですむように
国家が災害救助を完全にするとい
うのが私の意見だ。