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社説 津波禍の救援、復旧を急げ

わが国の太平洋沿岸一帯
は、二十四日未明突然、大
津波に襲われ、北海道から
本州、四国、九州の各地は
思わぬ大被害をこうむった。
 いままでに判断したところでも、
死者、行くえ不明百数十人、負傷者
六百余人、被害者十三万人にも上
り、家屋の流失、損壊、浸水もおび
ただしいほか、田畑、船舶、交通機
関、真珠イカダなども大損害を受け
た。三重県の尾*市ほか北海道、東
北の市町村で災害救助法が発動され
たことをみても、この津波の恐ろし
さが寄せられる。
 われわれは津波の犠牲者に深く哀
悼の意を表するとともに、被災者を
心からお見舞いする。わけても昨秋
の伊勢湾台風の災厄に重ねて被害を
こうむった人びとには、心から同情
を禁じえない。このうえは、不幸な
災害にあった人びとが、一日も早く
復興に立ち上がるよう望みたい。
 政府や地方自治体もそのために全
力をあげなければならない。いま何
よりも必要なことは、救援と復旧の
応急対策である。非常食糧、医薬品、
復興物資などについての万全の手配
はもちろん、家を失った人びとに対
する住宅の建設も急がなければなら
ない。救援、復旧対策については、
伊勢湾台風の際には政府や地方自治
体の手ぬるいやり方のために、被災
者は苦い体験をしているだけに、対
策の送球実施を強く望みたい。
 これとともに、われわれは再びこ
のような災害をくり返さないために
必要なことを指摘したい。その第一
は警報の敏速な発出と伝達である。
死傷者、行くえ不明が多数に上った
のは、津波の襲来時が払*であった
ことにもよるが、警報が遅れたため
に、緊急避難の時間的余裕がなく、
文字通り”寝耳に水”になったから
である。
 こんどの津波は南米チリの大地震
によるものであるが、これまで外国
の地震によって、津波を経験したこ
とがないという安心感から、ハワイ
の津波情報センターの津波情報を無
視し、警報を出すのが遅れたという
のは大きな失態である。台風の予報、
警報とともに、津波についても二度
と失敗をくり返さないよう戒心と努
力を気象庁に望んでおく。
 第二は、伊勢湾台風など前の台風
で破壊された海岸堤防の復旧を急ぐ
ことである。こんどの津波は高潮が
台風だけに限らないことを教えてい
るが、この教訓を肝に銘じて、早期
復旧に努力を要望したい。第三は「災
害基本法」の制定である。こんどの
津波をみても、災害はいつどのよう
なものが起こらぬとも限らないのだ
から、まずこの法律を制定して対策
に万全を*さなければならない。
 思いもかけぬ今回の災害は、われ
われに多くの教訓を残している。こ
れに学んで、二度と同じ災害をくり
返してはならないのである。

災害対策で開会応じぬ  山本国対委員長答える

自民党は二十四日午後の執行*会
で、二十五日午前十時から衆院建
設、農林水産、運輸、社労の四委
員会と*運理事会を開き政府委員
から津波被害の説明をきくことに
したが、四委員会の連合審査**
えている。また社会、民社両党*
欠席して*単独審査する方針だ。
なお衆院***の自民塔理事*
同日午後五時会合、二十六日衆
院本会議を開いて**の津波報
告をきくことをきめ、二十五日
**一度話し合うことにした。

自民党二十四日、津波被害対策
について衆院で四委員会を二十五
日開くことをきめたが、社会党の
山本*会対策委員長は二十四日の
記者会見でつぎのように語った。
 いまのところ自民党の呼びかけ
 に応ずく気はない。二党間で作
 っていく災害対策特別委で検討
 し、**措置で十分救済できる
 という。

所得税など減免 大蔵省、津波被災者に

大蔵省は二十四日、津波被災者に
対し、昨年の伊勢湾台風の場合に
準じ次のような税法上の救済措置
を決め全国国税局に通達した。
◇所得税 一、住宅、家財が五十
*以上の被害を受けた場合(イ)
年五十万円以下の所得者は所得
税を免除(ロ)八十万円以下は税
額の五0*を軽減(ハ)八十万
円から百二十万円までは二十五*
を軽減。
一、被害額五十智以下の場合は所
得金額一〇智以上の部分を課税
対象から控除(雑損控除)する。
一、給与所得者の場合はいずれも
税金の還付または徴収を猶予。
一、商品、原材料、農作物などが
被害を受けた場合、その損失額
は事業所得の計算から控除。
◇法人税 法人資産の損失額は損
金算入(非課税)を認める。欠
損を生じた場合は青色申告法人
に限り五年間の繰り返し控除を
認める。
◇徴収猶予 被害後一年以内に納
付する所得税、法人税、酒税、
物品税などは納入期限から一年
以内徴収猶予を認める。

国鉄、救援物 資の運賃免除

国鉄は青森、岩手、宮城県下の津
波災害に対する救援物資などに
ついて、つぎのように運賃を減免
することを二十四日決めた。
一、被災者に送る救援物資は被災
地の県知事、日赤支援部長あての
分に限り無料。期間は六月二十
三日まで。
一、被害者が復旧用に購入する物
資の輸送費は県知事、市町村長
の証明書があれば五割引き。期
間は八月二十三日まで。

繊維製品は 自由化しない  日独通商協定

ポン二十四日発【共同】一月十五
日からポンで開かれていた日本、
西独貿易自由化交渉はこのほど妥
結、今晩中に調印される。
 協定内容は調印まで明らかにさ
 れないが、ポンの日本大使館筋
 によると、繊維製品の自由化は
 「いまのところ不可能」という
 ことで、日本の主張は通らなか
 った。