文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

ラジオ週評 もう一歩の突っ込みが…  「6・4闘争の波紋」と「津波」

NHK四日、
特別番組「6・
4闘争の波紋」
では、北は根室
から南は福岡まで、八局リレ
ーで、各地の平穏なゼネスト
の模様や、高まりつつある声
なき声を録
音で紹介し
た。各階層
の声をもっ
と広く集め
ると効果的
だったが。
 同五日ドキュメンタリー・
ドラマ「苦い潮」は地チリ地震
津波の被災地大船渡市で取材
した田辺まもるの作品。津波
の前夜、寄細な漁業では結婚
もできないと上京を志した青
年が、流された家屋の跡で
”オレはどうすればよいか”
と訴える筋。三陸沿岸の貧し
い漁村の姿はよく写されてい
るが、津波のきた前後の描写
に少し迫力がほしかった。
 同日「特派員四元座談会」
でニューヨーク、ロンドン、
パリを国際電話で結び、日本
の政情に対する反響を直接聞
いたのは適切な企画だった。
英仏の国際電話はハッキリ聞
きとれるのに、アメリカのみ
空電のはいるのは今後の動向
を暗示しているかのよう。
 CBC六日、カトレヤ劇場
一時は延宝中条流医術展開」
は江戸時代の*胎医と岡っ引
きとの悪行を描いた物語。内
村直也の書きおろしで、権力
あるものは世辞を恐れないと
無反省な女医のセリフで、い
まの世相へ”わさび”をきか
せたのがお
もしろい。
同日NH
K、芸術劇
場「異端者
の*」はイ
タリア賞を得たラジオ・ドラ
マ”少年期の最後の夜”を内
村直也が訳して脚色したも
の。少年の”性のめざめ”を
描いた作品だが、美しい描写、
ほほえませる風刺、*の朗読
を聞くようなナレーションが
ひきつけた。(山本周二)