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社告・海嘯遭難者義捐金

地震、洪水、火事、旱魃、孰か人生の災禍にあらざら
ん然れども其尤も憫むべきハ海嘯の害より太甚し
きハなし何となれバ其來るや特に急劇にして而し
て遂に之を避くるの道あらざれバなり抑ゝ今回の
三陸東海岸に起りし大海嘯ハ連日の本紙に掲載す
るが如きの次第にて其家屋人民の流失溺没夥しき
數に達し實に近古未曾有の非常なる一大變災と謂
べく此内辛くして危難を免れたるも忽ち衣食に窮
し活路に迷ひ悲愴慘擔名状すべからざるの不幸に
観りしものも極めて多からん此慘苦を視て一滴の
涙なきものハ人にあらざるなり吾社ハ乃ち此に世
の大慈悲心大義侠氣に富める有情者に訴へ汎く義
捐金を募り以て聊か遭難者救助の一部に充んとす
其義捐金取扱手續ハ率ね左の如し
一義捐金ハ十錢以上に限る
一義捐金ハ必ず其住所姓名を明記し本社に送致
 せれるべし
一本社ハ義援者に対して一々其領取書を出すべ
 し
一義捐金募集締切期日并に其配譽方法手續等ハ
 追て報告すべし
明治廿九年六月
村山合名東京朝日新聞會社

雜報・赤十字社看護婦派遣

 日本赤十字社より巌手
縣下に派遣したる醫員大森英太郎氏ハ去る十八日
午前十時縣廳に至り書記官と同行して直に宮古に
向ひたる由なるが此地縣廳を距る事廿七里餘にし
て同氏の報告に依れバ被害地に達するにハ何れも
三十里餘あり其間六里の外ハ人車通ぜず故に何處
に何程の傷病者ありて幾何の救護員を要するか
未定なりとの事なるを以て本社ハ成るべく救護に
看護婦を使用するの目的なれども今後切めて車馬
の通じ藥器材料の運搬も出來得るを待ちて看護婦
を派遣するの外なし勿論救急の準備ハ既に完全せ
るを以て何時請求を受くるも更に差支なく派遣時
得るの都合となり居りし所へ一昨廿一日午後一し
十分大森氏盛岡發電にて「十九日午後當宮古に着
く此地方に負傷者三百許りあり看護婦四名綿沙綿
花阿麻仁油紙繃帶携へ當地へ派遣されたし途中危
險なし云々とありしに依り日本赤十字社ハ昨廿二
日請求の如く早速決行することヽなしたり今回遭
難地へ看護婦を派遣するハ之を以て始とす

雜報・本願寺の救恤

 本派本願寺にてハ今度巌手宮
城賴森三縣下へ救恤として取敢へず金一千七百圓
を贈譽し且つ門末へ對し左の諭達を發したり
  訓告第二號 末寺一般
今回巌手宮城賴森三縣下に於ける大海嘯ハ古來多く見ざる處の
一大災厄にして其悲況慘状ハ筆紙の盡すべきに非ず甚しきハ全
郷擧て激浪に捲去られ擧族悉く水中に葬らる其辛うじて萬死を
遁れし者も父兄妻兒を喪ひ家屋財貨を蕩盡せられ昨災厄に死せ
ざる者も今亦飢餓に泉下に入らんとす豈に悲慘の極にあらずや
是に於て哉我大法主にハ深く之を御悲嘆あらせられ取敢へず別
記の通り三縣下救恤の爲め義捐あらせられたり門末一同に於て
ハ御眞意を体し同胞救濟の厚誼を鑑み此際速に義捐の擧に出で
ざるべからず特に僧侶に在てハ身を衆に先んじ各自檀徒を率い
て其誠意を盡さしめざるべからず此段特に諭達す

  明治廿九年六月二十日 執行長 日野澤依
  別記
一金一千圓 巌手縣へ
一金五百圓 宮城縣へ
一金二百圓 賴森縣へ

雜報・三縣出身在京有志會

 海嘯被害地宮城巌手
,A{r森三縣出身の在京有志者ハ去る廿日午後一時よ
り新肴町開花亭に集會して罹災民の救助方法を協
議せしが當日出席者ハ武者傳次郎、千葉胤昌、吉田
正章、佐藤琢二(以上宮城)南部晴景(南部家々令)
佐藤昌藏、阿部浩、鵜飼節郎(以上巌手)藤田重道、
原十目吉(以上賴森)等其他數名にして左の救助手
續を議決し千葉胤昌氏ハ即夜仙臺に向け鵜飼氏ハ
一昨日賴森に向け各出發したり

雜報・三陸海嘯罹災人救助手續

一宮城、巌手、賴森三縣下の海嘯罹災人民救助に關する政府への
交渉及請願の運動ハ三縣選出の代議士諸氏主として之に任じ
他の有志者ハ之が應援を爲すべし
一事務所を東京々橋區南鍋町一丁目八番地に置き罹災上に關す
 る調査を爲し且其の事務を處理するものとす
一事務所の經費ハ代議士諸氏及其他有志諸氏の醸金を以て之に
 充つるものとす
一事務所ハ代議士諸氏の意見に依り政府への交渉及請願の容れ
 られたるを機として解散すべし
一事務員ハ帝國濟民會事務員之に當る

雜報・三陸嘯害救濟會 今回の三陸嘯害に付在京東
北地方の有志相謀り{~田錦町に三陸嘯害救濟會と
いふを組織し第一着に當地より大工百名に白米千
石を齎らし被害地へ向け出發せしめんとの手筈中
にて其出張所を陸前國石巻仲町阿部新七方に
設け同所にて被害地方の情況を審査し救濟の方法
を爲す由

雜報・全國從軍新聞記者弔慰會義捐金

金三十円横濱市元濱町二丁目大谷嘉兵衛●金十圓日本橋區大馬傳
町一丁目長井利兵衛●金二圓麹町區紀尾井町六子爵井伊直安●金
一圓宛奈良縣☆☆治右衛門●同柏田久太郎●同田中z(漂次郎●同村
井善四郎●同{h苣r三●金五十錢宛奈良縣安田宗平●同藤田芳
太郎●同玉置格●同植野清市郎●○同内藤富之●同乾奈良吉●同賴
木新次郎●同森田寅藏●同西村元十郎●同倉谷新重郎●同志☆☆
次●金五圓奈良縣奈良町中村雅眞●金三圓埼玉縣浦和町男爵千家尊
☆●金二圓本所區表町二十四子爵酒井忠彰●金一圓京橋區元數
寄屋町三ノ八石川米太郎●金五十錢宛奈良縣安井嘉吉●同池川與
三郎●同西尾小左衛門●同☆田忠次郎●同藤田礼三郎●同川本直
次郎●同平井由太郎●同柿本重左衛門

大海嘯義捐金

一金百圓
銀座四丁目十五番地
村山ます
一金十圓
淺草區瓦町六番地
大丸屋
一金五圓
同區金龍山下瓦町廿五
今井まつ
一金五圓
日本橋區蠣殻町一丁目
澤商店
一金二圓
同同店員中

一金三圓
日本橋區新材木町
八島崎榮助
一金三圓
同區馬喰町一ノ十一
石村庄左衛門
一金三圓
銀座一丁目洋服師
柴田光之助
一金三圓
八十五錢築地二丁目
國光社内植字部共和會
一金三圓十五錢

同社内機械、鉛版鑄造科
一金二圓
日本橋區元濱町一
本多庄七
一金二圓
淺草千束町二丁目
鈴木z(漂次
一金五十錢
同所
平柳
一金二圓
埼玉縣北足立郡川口町
永瀬庄吉
一金五十錢

入母いね
一金五十錢

入妻やす
一金二圓
永瀬織物工塲有志中

一金一圓
内藤新宿二ノ七三
與洋服店
一金一圓
本所相生町五ノ七
,A{|橋米吉
一金十圓
築地一丁目
妙延寺
一金一圓
常州那珂郡大宮町
,A{|岡猪之松
一金一圓
,A{~奈川縣中郡☆☆秦野村
山口太平
一金一圓
京橋區新肴町十二
土屋兼三郎
一金一圓
芝區濱松町二ノ廿七
渡部常子
一金一圓
京橋區山下町三十二
朝田
一金一圓
本所太平町二丁目
八島勝嘉
一金一圓
洲崎辨天町房總樓
☆☆喜次郎
一金一圓

同樓内娼妓、雇人中
一金 圓
小石川表町廿二
酒川健治
一金一圓
茨城縣龍ヶ崎町
菅沼利助
一金一圓
岩代二本松町
田中幸介
一金一圓
栃木縣|K磯停車塲
六笠嘉平
一金一圓
麻布三軒家町二十八
谷元道之
一金五十錢

同せい子
一金五十錢

同常子
一金廿錢

同小吉
一金廿錢

同久滿子
一金廿錢

同榮治
一金廿錢

同鐡五郎
一金十錢

石原武彦
一金十錢

朝倉宗太郎
一金一圓
,A{~田區佐柄本町十二
八島九兵衛
一金五十錢

同人妻
一金三十錢
同所
平野寅吉
一金一圓
遠州相良
小山平吉
一金二十錢
同所
小山米造
一金三十錢
小山藥館
店員一同
一金五十錢
本所相生町五ノ卅三
吉田龍藏
一金五十錢
芝區{~明町廿一
嚴文子、☆吉、外志子
一金五十錢
下谷區下谷町二ノ六
益川まつ
一金五十錢
南佐柄本町
七藤田
一金五十錢
,A{~田美土代町二ノ一
八幡金次郎
一金五十錢
日本橋區濱町二ノ十四
龜井庄次郎
一金五十錢
信州須坂
坂田喜作
一金二十錢
同町
井出榮吉
一金五十錢
京橋區采女町精養軒料理塲
野平與助
一金二十錢宛

田中勝造田中清次郎宇田川
幸次郎松永萬吉堀内吉次郎
伊東金次郎森田萬吉佐藤吉
太郎林竹次郎
一金十錢宛

龜山政吉鄕梨鄕次郎早川友
次郎
一金一圓
茨城縣結城町大町☆町
碇幸太郎妻ひで


同人弟子星野榮作
一金五十錢
千葉縣久留里町
長谷川文次郎
一金廿五錢
京橋區☆濱屋町十三
森田むら
一金二十錢
鮫ヶ橋町二丁目
濱田半次郎
一金二十錢
千葉縣東葛☆郡浦安村
無名
一金二十錢
茨城縣結城町ステーション

☆☆市松
一金二十錢
騎兵三連隊三中隊
☆☆宇源次
一金二十錢
南葛飾郡一ノ江村
岸田しづ
一金十錢宛

同すみ江しをなつ
一金二十錢
静岡縣御殿塲
小石川與一郎
一金二十錢

同喜作
一金十錢宛
鈴木常作芹澤勇作小早川熊


一金二十錢
日本橋區新大阪町一
堀越勝四郎☆卯之吉
一金十五錢
南傳馬町二ノ十
☆☆堂日里
一金十五錢
日本橋區瀬戸物町小島方
坂田政吉
一金十錢
近江國蒲生郡北比都佐村
,A|K崎敬一郎
一金十五錢
淺草區材木町四十二
小澤方川合直吉

小計 金百八十圓六十錢
合計 金三百九十二圓八十七錢

前號元數寄屋町篠原富之助分金十錢ハ廿錢の誤又新星倉吉ハ新里倉吉の誤り又金六十錢同
樓内平松たけ、清水保☆野花とあるハ平松、清水、☆野、たけ、ふく、はなの六名なり