文字サイズサイズ小サイズ中サイズ大

まえがき

一般国道45号は、三陸沿岸地域の諸都市を連絡する幹線道路として地域の発展に寄与するばかりでなく、災害時の避難路として、また緊急物資の輸送路として重要な役割を果たしている。しかし、三陸沿岸地域は三陸沖を発生源とする地震の常襲地帯に位置し、常に津波の危険につきまとわれるという宿命をもっている。本調査では以上を背景とし、三陸沿岸の津波災害の履歴および津波防災体制の現状を把握し、津波災害の影響範囲を類推し、道路管理者の実行すべき避難活動の緊急性、道路復旧の緊急性を検討した。さらに、これらの検討結果に基づき津波災害の課題、道路管理者が果たすべき役割の基本を取りまとめるとともに、道路管理機関の津波防災体制の枠組み、交通確保、災害復旧対策等を検討し、津波災害に対する道路交通安全確保の対策計画を立案し、災害対策マニュアル(案)を策定したものである。調査にあたっては、当センター内に委員会(委員長:首藤伸夫東北大学工学部教授災害制御研究センター長)をもうけ、その指導のもとにおこなった。終始懇切丁寧なご指導、ご助言をいただいた委員長をはじめ、委員、事務局の皆様に感謝いたします。


(財)国土開発技術研究センター

三陸沿岸津波対策システム調査検討委員会名簿 平成3年度

委員長 首藤 伸夫  東北大学工学部教授災害制御センター長委 員 安藤 昭   岩手大学土木工学科教授 〃  村井 貞規  東北工業大学土木工学科助教授 〃  佐々木 隆士 岩手県土木部長 〃  岡崎 新太郎 東北地方建設局道路部道路調査官 〃  加藤 義弘     〃   道路管理課長 〃  小野寺 四郎    〃   交通対策課長 〃  古庄 隆      〃   仙台工事事務所長 〃  吉田 光雄     〃   三陸国道工事事務所長 〃  伊藤 勝一  岩手県林業水産部漁港課長 〃  帷子 幸彦   〃 土木部道路建設課長 〃  佐藤 重光   〃 道路維持課長 〃  藤田 利美  宮古市建設課長 〃  神田 健   陸前高田市都市計画課長 〃  野中 功   田老町土木水産課長 〃  早坂 征三  東北地方建設局三陸国道工事事務所副所長 〃  石井 富男        〃         建設専門官 〃  佐藤 彦徳        〃         管理課長 〃  阿部 不顕  岩手県土木部道路維持課長補佐 〃  志摩 茂嘉  (財)国土開発技術研究センター調査第2部長 〃  大住 明夫        〃          次長

三陸沿岸津波対策システム調査検討委員会名簿 平成2年度

委員長 首藤 伸夫  東北大学工学部教授災害制御センター長委 員 安藤 昭   岩手大学土木工学科助教授 〃  村井 貞規  東北工業大学土木工学科助教授 〃  佐々木 隆士 岩手県土木部長 〃  神谷 周浩  東北地方建設局道路部道路調査官 〃  山谷 外行     〃      道路管理課長 〃  白旗 稔      〃      交通対策課長 〃  竹内 俊夫     〃      仙台工事事務所長 〃  吉田 光雄     〃      三陸国道工事事務所長 〃  伊藤 勝一  岩手県林業水産部漁港課長 〃  帷子 幸彦   〃 土木部道路建設課長 〃  千田 鉄雄   〃 道路維持課長 〃  藤田 利美  宮古市建設課長 〃  神田 健   陸前高田市建設課長 〃  穂高 一二  田老町土木水産課長事務局 〃  菊地 憲男  東北地方建設局三陸国道工事事務所副所長 〃  石井 富男        〃         建設専門官 〃  佐藤 彦徳        〃         管理課長 〃  竹内 重徳  岩手県土木部道路建設課長補佐 〃  志摩 茂嘉  (財)国土開発技術研究センター調査第2部長 〃  大住 明夫        〃           次長

1.概要

1-1.調査フロー

オリジナルサイズ画像
  • 幅:4423px
  • 高さ:6308px
  • ファイルサイズ:1.5MB
調査フロー

1−2 現況の把握

1−2−1 津波災害の履歴調査

三陸沿岸に来襲した有史以来の大津波のうち、被害資料や対策事業の経緯を把握できる明治以降の津波について整理(表一1。2.1〜2参照) ・近津波−−=1=明治29年 三陸津波      =2=昭和8年   〃      =3=昭和43年 十勝沖地震津波・遠地津波−=1=昭和35年 チリ地震津波

オリジナルサイズ画像
  • 幅:4991px
  • 高さ:3761px
  • ファイルサイズ:1.5MB
表1.2.1 津波による被災状況
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4976px
  • 高さ:3368px
  • ファイルサイズ:1.1MB
表1.2.2 津波来襲後に実施された対策
1−2−2 津波防災体制の現状

三陸沿岸の津波防災体制の現状を、次の3つの項目について整理 =1=防災施設 =2=道路・交通施設 =3=地域防災計画 (1)防災施設防潮堤−−−ほとんどの沿岸で昭和8年または明治29年津波対応を整備目標としたかさ上げを実施防潮水門−−多くの河口に防潮堤と連続性を保つ防潮水門を設置津波防波堤−大船渡湾、女川湾、釜石湾(建設中)で実施 (2)道路・交通施設道路(国道45号)−−湾岸部では低地部(GH=10m以下)を海岸線と平行に通過道路情報板−−−−19ヶ所に設置(うち電光式8ヶ所) ・津波注意報・警報に関する情報は表示していない・夜間・休日の操作系統は若干複雑になっている (3)地域防災計画 地域防災計面の中で道路管理者が行う防災活動に関する事項は表1.2.3のとおりである。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:4783px
  • 高さ:6109px
  • ファイルサイズ:1.7MB
表1.2.3 地域防災計画の中で道路管理者が行う防災活動に関連する事項

2.津波災害対策の問題点と課題

2-1.津波危険区域の設定

 国道45号(岩手県種市町〜宮城県志津川町)の津波災害を軸とした道路の被災想定を行う。 被災想定では、国道45号線の浸水区域(既往最大津波)を明確にする。また、浸水区域内の危険物(ガス・オイルタンク,漁船,貯木場等)を現地調査により把握し、津波二次災害の危険性を判断することで、津波危険区域を明確にする。 表2.1.1に「津波危険区域と予想される2次災害」を一覧表で示す。また、巻末参考資料−2には国道45号縦断図を用いた「三陸沿岸道路の被災想定」(1/18〜18/18)を示す。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:5575px
  • 高さ:3403px
  • ファイルサイズ:1.6MB
表2.2.1 津波危険区域と想定される2次災害

2-2.地域のブロック区分

 国道45号の津波被災想定を受け、45号の持つ道路機能確保のための復旧のあり方を、地域性および代替路線の有無等から検討する。 以下にそのフローを示す。ブロック区分の必要性 津波災害は大規模でかつ広域的に及び、国道45号は至る所で路上障害物等で寸断されることが予想される。一刻も早い都市機能及び国道45号の機能回復のたあには、効果的復旧活動が必要である。 このためには、復旧のために必要な資材,機材,復旧活動に必要な情報収集,伝達系統等をある一定の組織単位として考える必要がある。 このような観点から、被災想定地域をブロック単位に分け、その中で活動しやすい組織をっくっておくことが必要と考えられる。 (1)地域活動と地域間の結びつき 三陸沿岸市町村を復旧体制確立のためのブロック分けする1つの指標として、地域活動および地域間の結節状況を調査する。ア.生活圏 三陸沿岸市町村を含む地方生活圏,二次生活圏を以下に示す。なお、対象市町村以外の名称は削除した。イ.通勤通学者動向の把握 15才以上人口のうち就業者および通学者を対象とし、日々の通勤通学先市町村の範囲とその移動者数を調査した。 これによると、通勤通学者数が特に多い区間は、地方生活圏および2次生活圏の中心都市(久慈・宮古・釜石・大船渡・気仙沼)とその近隣市町村との間であることがわかる。 ブロック区分としては、概ね2次生活圏の範囲でくくられる。ウ.商業圏域の把握 =1=商圏設定及び商圏中心都市の選定基準   (宮城県,岩手県消費購買動向調査より)  商圏を設定するに当たっては、各市町村消費者の買物先から買物品の流出率(商圏中心都市にあっては吸引率)を基準として次のように設定した。 1次商圏流出率(吸引率)30%以上 2次商圏流出率(吸引率)15%以上30%未満 3次商圏流出率(吸引率)5%以上15%未満 また、商圏中心都市は、上記によって設定された商圏の中から、当該市町村(地元)の購買率が30%以上で、上記1次商圏又は2次商圏に該当する市町村を1以上持っ都市をその選定基準とした。 =2=商圏構造 =1=の設定基準に従い商圏および商圏中心都市を設定すると、表のようになる。商圏中心都市は生活圏中心都市の久慈,宮古,釜石,大船渡,気仙沼の5都市と志津川の計6都市である。 地域間では、生活圏中心都市とその近隣市町村との結び付きが強く、通勤通学動向と同様な傾向を示している。したがって、ブロック区分としても概ね2次生活圏の範囲でくくられる。エ.国道45号通過交通量 全国道路交通情勢調査(S63道路交通センサス)によると、三陸沿岸における国道45号線の交通量は、久慈市,宮古市,山田町,大槌町,釜石市,大船渡市,気仙沼市等の都市内で10,000台/日を越える交通量となっている。 都市間交通量は、釜石〜大槌間で最も卓越し、日交通量は10,000台/日を越える。次いで気仙沼〜唐桑,宮古〜山田等の交通量が多い。傾向として生活圏中心5都市に志津川町を加えた6都市と、その近隣市町村との間の通過交通量が大きい。 (2)地域のブロック区分ア.地域性からのブロック区分 「(1)地域活動と地域間の結びっき」の調査結果から、当調査地域の、地域性によるブロック区分は、二次生活圏によるくくりとする。イ.行政界からのブロック区分 津波災害時に、復旧体制の核となる県土木事務所単位にブロック区分した場合、そのくくりは二次生活圏ベースとなっており、ア.地域性からのブロック区分と合致する。 したがって、地域のブロック区分のくくりは、二次生活圏によるくくりとする。 (3)国道45号津波危険区域 2-1.において津波危険区域を設定し、特に国道45号が二次災害等を受け、被災規模が大と予想される地域は以下のとおり。 国道45号の被災想定から、道路障害物,道路冠水により、至る所で同時に機能が麻痺し、交通が寸断されることが想定される。 (4)津波危険区域に対する代替路線の有無と道路ネットワークア.津波危険区域と代替路線必要地域 (2)で示した、被災規模が大と予想される地域。イ.代替路線の考え方 国道45号が津波による大規模な被災を受け、通行不能となった場合、南北を連絡する広域主要幹線道路機能としての代替路線の確保、および、資材投入等の復旧作業用道路としての代替路線確保が必要となる。 国道45号を縦横に補完する一般国道,主要地方道および一般県道を対象に現地調査を行い、代替路線としての適否を判定する。 代替路線としての選定基準は以下のとおり。 なお、冬期交通確保の点から、砂利道および冬期通行止め区間を要する路線については、代替路線から除外するものとしたが、これら路線はW=2.0〜2.5mと狭幅員で、通年にわたる代替路線機能の確保困難な路線である。 =1=ランク1……国道45号の幹線道路機能を代替。W=5.5m(2車線)以上を確保し、普通自動車相互(大型トラック)のすれ違い可能な路線。 =2=ランク2……復旧作業用道路としての代替。W=4.0m(1車線)以上を確保し、普通自動車は一方向にて通行可能。また、小型自動車相互のすれ違いを可能とする。 =3=ランク3……一般車両(小型自動車)の迂回路としての代替。W=3.0m(1車線)以上を確保し、小型自動車は少なくとも待避所を利用し、交互交通を可能とする。 ウ.代替路線の選定 =1=道路現況 代替路線の調査によって判明したことは次の通りである。 釜石以北(釜石〜種市)の道路密度は粗く、国道45号線と平行に走る路線も山地を通るため未改良で幅員も3m程度で狭い。 釜石以南(釜石〜志津川)は釜石以北に比べれば道路密度が密である。国道45号線を代替する道路も、平地部では改良されている区間もあるものの、山地部ではほとんど一車道路程度となる。 =2=代替路線 代替路線必要地域に対し、県道以上の道路を対象に代替路線を選定すると以下のとおりとなる。 国道45号線が津波の被害を受け、45号線の交通を代替できる路線は、ランク1,ランク2で、釜石以北では種市〜久慈である。 釜石以南では、内陸部に向かう国道と、これを結ぶランク2〜3の主要地方道があり、おおむね代替機能は確保される。 このように国道45号線の機能を代替できる路線が少ないことから、45号線の被災時にはある一定件のもとに狭幅員道路も代替路線として使用するものとする。 ランク3の路線の場合、片側一車線道路としての機能であり、待避所の設置,誘導員のもとに乗用車程度の通行を認めるものとする。ただし、大型車両は通行できないため、内陸部へ向う国道を利用し、国道4号,東北縦貫自動車道を利用することになる。エ.緊急物資救援道路 種市〜志津川間の道路網は、以下の3種類に区分される。 国道45号を代替できる路線はごく一部に限られている。したがって、国道45号の広域主要幹線道路としての代替機能確保は困難であり、被災時には、内陸路線(国道4号線等)の使用が不可欠である。また、復旧作業としては、生活圏中心都への連絡路を利用し、内陸からの資材搬入体制を取ることになる。 津波被害を受けた場合、ランク3の路線もある程度機能することから、これらを評価した上で、完全に孤立化する町村は、野田村,普代村,田老町,山田町,唐桑町,歌津町の計6町村が想定され、これらに対する緊急物資輸送等の対策が望まれる。 (5)ブロック区分の見直し これまでの地域性および行政界によるブロック区分に対し、代替路線ネットワーク状況を考慮した場合、45号南北方向を代替する区分1路線が3箇所と少ない一方、ブロック中心都市には必ず内陸からの区分2路線が接続していることから、災害時復旧は、沿岸市町村相互による体制よりも、内陸からの応援体制が主体と考えられる。 ここで、区分2路線を中心にブロック区分を行えば、これまでと同一範囲でくくることができる。したがって、ブロック区分は、生活圏ベースで区分するものとする。 (6)復旧のあり方 代替路線ネットワーク状況とブロック区分から、復旧のあり方を検討する。各ブロックにおける代替路線の状況から、全ブロックを2種類に分類する。ア.久慈,宮古,釜石ブロック これらのブロックの代替路線は、区分2の路線(ランク1〜2)がブロック中心都市に接続するのみである。 したがって、各ブロックにおける復旧は、各中心都市を第1に行い、その後、順次45号沿いに復旧していくことになる。イ.大船渡,気仙沼ブロック 大船渡ブロック内の都市は、全て区分2の路線(ランク1〜2)が接続しており、復旧は各々第1に行うことができる。 気仙沼ブロックにおいても、歌津町を除き全都市に区分2の路線が接続しており、各々の都市を第1に復旧が行われる。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:1374px
  • 高さ:2880px
  • ファイルサイズ:240KB
地域のブロック区分
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3106px
  • 高さ:3526px
  • ファイルサイズ:617.5KB
表2.2.1 生活圏と市町村名
オリジナルサイズ画像
  • 幅:2429px
  • 高さ:2409px
  • ファイルサイズ:422.1KB
表2.2.2 通勤通学者数都市間ランク
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3853px
  • 高さ:2481px
  • ファイルサイズ:657.9KB
表2.2.3 都市間往復通勤通学者集計表
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6087px
  • 高さ:3710px
  • ファイルサイズ:871.1KB
図2.2.1 三陸沿岸地域の通勤通学者動向
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3485px
  • 高さ:4407px
  • ファイルサイズ:914.5KB
表2.2.4 商圏構造および商圏吸引人口
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6128px
  • 高さ:3874px
  • ファイルサイズ:884.6KB
図2.2.2 三陸沿岸地域の商圏構造
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3106px
  • 高さ:4611px
  • ファイルサイズ:898.2KB
表2.2.5 都市間日交通量
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6128px
  • 高さ:3966px
  • ファイルサイズ:866.7KB
図2.2.3 三陸沿岸諸都市間国道45号 日交通量
オリジナルサイズ画像
  • 幅:2901px
  • 高さ:1527px
  • ファイルサイズ:240.6KB
行政界からのブロック区分
オリジナルサイズ画像
  • 幅:2398px
  • 高さ:4704px
  • ファイルサイズ:629.8KB
図2.2.4 地域のブロック区分
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3106px
  • 高さ:4028px
  • ファイルサイズ:1.1MB
表2.2.6 津波危険区域
オリジナルサイズ画像
  • 幅:1938px
  • 高さ:1395px
  • ファイルサイズ:151.2KB
対象車両
オリジナルサイズ画像
  • 幅:2091px
  • 高さ:1159px
  • ファイルサイズ:114.8KB
道路幅員の考え方
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5319px
  • 高さ:4059px
  • ファイルサイズ:1.4MB
図2.2.5 釜石以南道路ネットワーク状況
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5524px
  • 高さ:4038px
  • ファイルサイズ:1.5MB
図2.2.6 釜石以北道路ネットワーク状況
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3003px
  • 高さ:1159px
  • ファイルサイズ:235.5KB
種市〜志津川間の道路網3区分
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3034px
  • 高さ:5124px
  • ファイルサイズ:750KB
図2.2.7 緊急物資救援道路とブロック区分
オリジナルサイズ画像
  • 幅:2993px
  • 高さ:5298px
  • ファイルサイズ:779.2KB
図2.2.8 復旧のあり方

3.津波防災体制の枠組み検討

 津波災害に対する道路交通安全確保のための津波災害対策マニュアル(案)を策定するにあたり、既存の防災体制および現状を把握し、補完体制の確認を行い、道路管理者の津波防災における役割等について検討する。検討項目・国、地方公共団体等の防災体制・津波防災体制の現状・道路に関する津波防災体制の基本的考え方・道路管理者の津波防災における役割

3-1 国、地方公共団体等の防災体制

 ここでは、まず災害対策に関する法規について整理し、各法規の位置付けや性格について把握したうえで、国・指定行政機関・地方自治体等が策定している防災対策の中で道路に関する津波防災体制の基本的な考え方を把握するとともに、道路管理者が抱えている問題および課題について検討する。

3-1-1災害対策に関する法規

 災害対策に関する法規は、昭和34年の伊勢湾台風を契機として昭和36年に立法された「災害対策基本法」(以下「基本法」という)を柱としており、その他の法制はこの基本法を補完する性格を有している。地震,台風,火山等の特別な災害については、災害としての共通部分の対策は基本法の規定によって実施されるが、各々の災害が有する性格上付加される詳細な規定は特別法によって補完されている。 図3.1.1に災害対策に関する法規について代表的なものについて分類したものを示す。 このように防災体制の骨格をなす法規は基本法であり、以下に基本法について枠組みを整理する。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3546px
  • 高さ:2768px
  • ファイルサイズ:680.5KB
図3.1.1 災害対策に関する法規
3−1−2災害対策基本法の概要

 基本法は、わが国における災害対策の基本的事項を規定している法律であり、・災害に対処する基本的な考え方・防災に関する組織・防災計画・災害予防のための措置・災害応急対策・災害復旧等の災害全般についての包括的な基本方針と枠組みを定めている。 (1)各指定機関 基本法に定めている指定機関は表3.1.1に示す4つに分類されている。道路管理者の観点からみると建設省は指定行政機関、東北地方建設局は指定地方行政機関という位置付けになる。 (2)責務 国、都道府県、市町村および指定(地方)公共機関の責務について表3.1.2に整理する。 (3)防災に関する組織 基本法では、防災に関する組織として、中央防災会議、地方防災会議(都道府県防災会議、市町村防災会議およびその協議会)を規定しており、災害応急対策を実施する機関として非常災害対策本部、災害対策本部を規定している。表3.1.3に防災に関する組織について整理する。 (4)防災計画 基本法は、防災に関する責任を有する中央防災会議、行政機関、公共機関、地方公共団体その他の団体に対して日頃から防災に関する計画を樹立し、その実施を推進すべきことを義務付けている。表3.1.4に各種防災計画の概要を示す。また、これらの防災体制をまとたものを図3.1.2に示す。 次にこれらの防災計画のうち、「防災基本計画」、「建設省防災業務計画」、「地域防災計画」および津波と同様広範囲な災害が想定される都市型地震の震災対策推進の基本方針として決定された「大都市震災対策推進要綱」、「東海地震の地震防災対策強化地域に係る地震防災基本計画」について概要を整理する。ア.防災基本計画 防災基本計画は、基本法34条の規定に基づき昭和38年6月14日中央防災会議決定として定められたものであり、次の6章から構成されている。 =1=基本計画の目標と基本構想 =2=防災体制の確立 =3=防災事業の促進 =4=災害復興の迅速適切化 =5=防災に関する科学技術の研究の推進 =6=防災業務計画と地域防災計画において重点を置くべき事項 これらのうち、津波防災対策を検討するにあたって関連の深い=6=について整理したものを参考資料−4に示す。 内容は、災害予防に関する事項、災害応急対策に関する事項および災害復旧に関する事項に分類されており、以下の項目が津波災害対策マニュアル(案)の策定に際して参考となる。・災害防止に関する事項………防災教育、防災訓練、災害危険区域の指定・災害応急対策に関する事項…予警報の伝達・警告方法、情報収集、広報宣伝、避難、建設機材(現況把握と緊急使用)、技術者(現況把握、従事命令)、復旧資材の需給、通信、交通輸送、危険物の保安、交通規制、応急工事・災害復旧に関する事項………実施の基本方針イ.建設省防災業務計画 建設省防災業務計画は、建設省の所掌する事務に係る防災に関する方針を定めたものであり次の2編から構成されている。 =1=建設省防災業務計画 =2=東海地震の地震防災対策強化地域に係る建設省地震防災強化計画 これらのうち、津波防災対策を検討するにあたって関連の深い項目について整理したものを参考資料−5に示す。 建設省防災業務計画も防災基本計画と同様、災害予防計画、災害応急対策計画および災害復旧計画に分類され、津波災害対策に関連する項目もほとんど同じである。これらに加えて、地域防災計画の作成の基準について記述している。 また、東海地震の地震防災対策強化地域に係る建設省地震防災強化計画では、ソフト面の対策はもちろん地震防災上緊急に整備すべき施設等のハード面の対策についても言及している。ウ.地域防災計画 地方公共団体の地域防災計画は都道府県が作成する都道府県地域防災計画、市町村が作成する市町村地域防災計画の2種類がある。 都道府県地域防災計画は、全国都道府県で作成されており、この計画は防災基本計画に基づくとともに指定行政機関、指定公共機関が定める防災業務計画に抵触するものであってはならない。 内容は都道府県に係る指定地方行政機関、当該都道府県、区域内市町村、指定(地方)公共機関、区域内の公共的団体、防災上重要な施設の管理者が、防災に関して処理すべき事務または業務の大綱が定められており、表3.1.5に示す。 次に市町村地域防災計画は、全国のほとんどの市町村において作成されており、その内容は都道府県地域防災計画とほぼ同様であるが、対象が小さくなっているためより具体的に定められている。 本調査の対象となる三陸沿岸の代表的な地域防災計画(岩手県・宮城県・宮古市・陸前高田市・田老町)の内容について参考資料−6に示す。 これらの地域防災計画の構成は、県レベルでは一般対策と震災対策(宮城県は原子力防災計画も含む)にわけており、その内容は、県、市町村とも災害予防計画、災害応急対策計画および災害復旧計画の3つに分類している。 また、大部分の地域防災計画は気象災害を主な対象として構成しているが三陸沿岸地域の場合、津波災害に関する予防計画および応急対策計画の項目を儲けているのが特徴である。エ.大都市震災対策推進要綱昭和38年に防災基本計画を策定後、昭和39年の新潟地震、昭和43年の十勝沖地震で大きな被害を受け地震に対する社会的関心が高まり、さらに昭和46年のサン・フェルナンド地震はロサンゼルス市を中心とする都市部に相当な被害を与え、都市型地震被害に対する効果的な対策を講じる要請が強くなり、同年中央防災会議において都市における震災対策推進の基本方針として大都市震災対策推進要綱が決定された。この要綱は、次の4本の柱から構成されている。 =1=大都市震災対策に関する基本的な考え方 =2=事前対策 =3=災害応急対策 =4=震災復興 これらのうち、津波防災対策を推進するにあたって関連の深い項目について整理したものを参考資料−7に示す。 その内容は慈善対策と災害応急対策に別れており、項目については、前述の防災基本計画や建設省防災業務計画とほぼ同じである。オ.東海地震の地震防災対策強化地域に係る地震防災基本計画 東海地震の地震防災対策強化に係る地震防災基本計画は、大規模地震対策特別措置法の規定により指定された地震防災対策強化地域において、地震観測に異常が発見され、地震発生のおそれが大きいという地震予知情報が出された場合に、内閣総理大臣が警戒宣言を発し、発災するまでの間に地震による被害を最小限にとどめるために、防災関係機関と地域住民が一体となって地震防災応急対策を実施するための基本的な方針を示したものであり、中央防災会議の専門委員会の答申に基づき、昭和54年に中央防災会議において決定された。参考資料−8に津波防災対策を推進するにあたって関連の深い項目を整理する。 内容は、前述の計画とほぼ同様であるが、交通対策に関しては警戒宣言時の運転者のとるべき行動の要綱について定めており、避難は原則として車を使用しないこととしている。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3567px
  • 高さ:2911px
  • ファイルサイズ:824.1KB
表3.1.1 各指定機関
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3649px
  • 高さ:5472px
  • ファイルサイズ:1.5MB
表3.1.2 防災に関する責務
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3761px
  • 高さ:4376px
  • ファイルサイズ:1.1MB
表3.1.3 防災に関する組織
オリジナルサイズ画像
  • 幅:2758px
  • 高さ:3987px
  • ファイルサイズ:868.7KB
表3.1.4 防災計画
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5647px
  • 高さ:3761px
  • ファイルサイズ:1MB
図3.1.2 防災体制の系統
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3255px
  • 高さ:1771px
  • ファイルサイズ:354.6KB
表3.1.5 都道府県地域防災計画の内容
3-1-3道路に関する津波防災体制の基本的考え方

 3-1-2に示す各種の防災計画の内容は、予防対策、応急対策および復旧対策に分類することができ、これらの対策について道路に関する津波防災の観点から整理し、表3.1.6に示す。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3751px
  • 高さ:4755px
  • ファイルサイズ:1.2MB
表3.1.6 道路に関する津波防災体制の基本的考え方・1
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3720px
  • 高さ:2809px
  • ファイルサイズ:735.4KB
表3.1.6 道路に関する津波防災体制の基本的考え方・2

4.道路管理関係機関の体制検討

 地域の防災計画の骨格をなす地域防災計画と道路管理者の防災計画の特徴を整理し、道路管理者の防災計画のありかたについて検討する。検討項目・地域防災計画と道路管理者の防災計画・道路管理者の津波防災体制

4-1地域防災計画と道路管理者の防災計画

 地域防災計画と道路防災計画の防災計画の特徴を整理し、情報収集提供および応急対策等連携のありかたについて検討する。

4-1-1地域防災計画と道路管理者の防災計画の特徴

 これらの防災計画は双方ともわが国の防災体制の骨格をなす災害対策基本法に基づくものであるが、地域防災計画は県や市町村を対象とした面的かつ総合的な防災計画であり、道路管理者の防災計画は、行政区分に関係なく線的かつ専門的な防災計画である。 両計画の連携のありかたについて検討するため、まずそれぞれの計画の特徴について整理し、表4.1.1に示す。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3669px
  • 高さ:5544px
  • ファイルサイズ:1.2MB
表4.1.1 地域防災計画と道路管理者の防災計画の特徴(1/2)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3710px
  • 高さ:5340px
  • ファイルサイズ:1.2MB
表4.1.1 地域防災計画と道路管理者の防災計画の特徴(2/2)
4−1−2連携のありかた

 地域防災計画と道路管理者の防災計画は密接な関連があり、相互に補完して災害時に有効に機能する防災体制を確立する必要がある。 そのため、両計画の特徴を十分考慮した上で連携のありかたについて検討し、以下に示す。 (1)情報収集提供情報収集提供は津波予報・通信・災害情報の収集報告に分類でき、それぞれの項目についての連携のありかたを図4.1.1に示す。 (2)応急対策 応急対策は障害物除去・交通応急対策・交通施設災害応急対策に分類でき、それぞれの項目についての連携のありかたを図4.1.2に示す。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3515px
  • 高さ:3823px
  • ファイルサイズ:553.7KB
図4.1.1 情報収集提供に関する連携のありかた(1/2)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3443px
  • 高さ:5472px
  • ファイルサイズ:1MB
図4.1.1 情報収集提供に関する連携のありかた(2/2)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3464px
  • 高さ:4981px
  • ファイルサイズ:1MB
図4.1.2 応急対策に関する連携のありかた
4−2道路管理者の津波防災体制

 地域防災計画は、各地域毎に策定されたものであり、道路管理者が構築すべき津波防災体制は広範囲に渡って確保できるものでなければならない。 また、これまでの検討結果から、道路管理者が行うべき津波防災対策の基本的な考え方として次のことが考えられる。・広範囲な孤立化をできるだけ少なくする。・復旧をすみやかに行う。・地域防災計画との役割分担を明確にする。・可能な限り道路利用者へ津波情報を提供する。 また、マニュアル策定にあたっては従来から構築されている地震等の災害対策要領をできるだけ利用し、津波災害の特徴について配慮すべき対策を補完する部分をマニュアル化する必要性が大きく、ここでは主として事前対策、注意報・警報時対策および緊急時対策を検討する。 表4.2.1に道路管理者の津波災害対策マニュアルを策定するにあたって必要な項目を示す。 津波は、風水害等の災害と違い、次のような特性を有している。・地震発生後の時間的猶予が少ない(特に近地津波の場合)。・いったん津波が来襲すると、いちどに広範囲に渡って被害を与える。 したがって、講じる対策が限定されると同時に被災後の迅速な対応が必要不可欠となる。 そのため、津波防災対策では事前対策、注意報・警報時対策および緊急時対策を十分検討し、万一津波が来襲するときに備えて対策を講じておくことが重要である。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:5483px
  • 高さ:3884px
  • ファイルサイズ:1.4MB
表4.2.1 津波災害対策マニュアル策定に必要な項目(1/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5472px
  • 高さ:3833px
  • ファイルサイズ:1.4MB
表4.2.1 津波災害対策マニュアル策定に必要な項目(2/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5567px
  • 高さ:3933px
  • ファイルサイズ:1.4MB
表4.2.1 津波災害対策マニュアル策定に必要な項目(3/3)

5.事前対策の検討

5-1防災教育

(1)問題点 道路管理者が迅速・的確な津波防災対策を講じるためには、道路管理者自身が津波に関する基礎的な知識と津波災害に関する知識を有することが必要である。 また、道路利用者に対して具体的な津波防災教育手段が確立されていない。 (2)対策 津波の常襲地域である三陸地方においても、「津波意識の風化」現象が起こり始めており、特に若年層においては津波意識の低下が著しい。また、日本海中部地震(1983年5月26日)では、秋田県能代市は消防分署から津波来襲の報を受けとった後に急拠2台の広報車を使って避難広報を実施しており、同男鹿市消防本部でもNHKテレビから警報発令を知った後、県の消防防災課に事実かどうか問合せて広報車を走らせているといった事例もあり、事前の防災教育が不十分であったことは否めない。 このような事例を踏まえ、道路管理者は津波防災対策を実行する際、津波発生のメカニズム、津波の規模および津波がもたらす被害等を事前に把握しておくことが重要である。 具体的な対策としては、三陸国道工事事務所(維持出張所含む)において、「津波および津波災害に関する基礎知識」講習会の開催が考えられる。 =1=回数………少くとも年1回(例えば年度当初) =2=項目………・地震および津波に関する基礎知識      ・津波災害対策マニュアルの内容      ・津波注意報・警報発令時および津波発生時に具体的にとるべき行動に関する知識      ・職員が果たすべき役割(動員体制と任務分担)       ・今後津波対策として取組む必要のある課題等 また、道路利用者に対しても、津波来襲時に円滑に避難ができるよう、「津波注意報・警報発令時にドライバーが取るべき行動」講習会の開催が望まれる。 講習場所としては、「5-4道路利用者に対する宣伝・広報」に示すように運転免許取得・更新時における講習が望まれる。 講習会の具体的な内容は、次のことが考えられる。 =1=回数………年2回 =2=項目………・過去の被災事例      ・地震および津波に関する基礎知識      ・津波注意報・警報発令時の情報入手方法および取るべき行動      ・津波危険区域に関する知識      ・避難地、避難路、その他避難対策に関する知識等 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:2945px
  • 高さ:1042px
  • ファイルサイズ:171.2KB
職員・ドライバーに対する講習会の開催計画

5-2 防災訓練

(1)問題点 津波による災害を最小限にとどめるため、津波に重点を置いた防災訓練が必要である。 特に、外来者を対象とした避難訓練はほとんど実施されていないのが現状である。(ただし、陸前高田市では平成2〜3年に外来海水浴客を含めた避難訓練を東北地方で初めて実施している。) (2)対策 防災基本計画(昭和38年6月14日中央防災会議決定)では、防災業務計画と地域防災計画において重点を置くべき事項として「各地域の具体的な災害の想定に基づく総合的な防災訓練推進に関する計画」を掲げている。したがって、三陸地方では津波がもたらす災害を考慮した防災訓練を行い、万一津波が来襲した場合に道路管理者として円滑な防災活動が行えるようにしておくことが大切である。 具体的な対策としては、三陸国道工事事務所(維持出張所含む)において、津波を想定した防災訓練(総合防災訓練、個別防災訓練)の実施が望まれる。津波防災訓練の具体的な内容としては、次のことが考えられる。 =1=総合防災訓練・地域の実施する総合防災訓練への参加(将来的には沿岸市町村、建設省、県を含めた訓練を一斉に実施することが望ましい) =2=個別防災訓練・情報の収集伝達訓練・職員の動員訓練(夜間・休日を配慮した訓練、有線途絶を想定した訓練等) ・防災業務の訓練(資機材や人員の手配、交通対策、緊急点検等)  なお、これらの防災訓練は年1回以上実施するものとし、訓練時に道路利用者等の積極的参加を求めるとともに訓練に伴う混乱を防止するため必要な広報を行う。 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:2893px
  • 高さ:1041px
  • ファイルサイズ:152.7KB
総合・個別防災訓練計画
5-3津波危険区域および路上障害物・危険物の把握

(1)問題点 津波による道路交通危険区間は、地域防災計画には一部記載されているものの、国道45号全体の広域的な危険区間は明らかでない。 また、津波によって路上に障害物や危険物が散乱する可能性も大きいが、どのような障害物・危険物があるのかをあらかじめ把握しておく必要がある。 (2)対策 これらの問題点を解決するためには、まず津波危険区域(路上障害物・危険物含む)マップの作成を行い、あらかじめ道路管理者が危険区域を把握しておくとともに、道路利用者に対しても適切な広報を事前に行っておくことが重要である。 津波危険区域マップ作成にあたっては、三陸沿岸に来襲した明治以降の主要3津波(明治29年津波・昭和8年津波・昭和35年チリ地震津波)の浸水域を図示することとした。図5.3.1に全体案内図を、図5.3.2に津波危険区域マップ(例)を示す。 なお、津波危険区域マップには、予想される路上障害物・危険物についても併記した。 路上障害物・危険物については、現地調査をもとに作成し、表5.3.1に示す。 全体の津波危険区域および路上障害物・危険物マップを参考資料−10に示す。 さらに、上記マップをもとに防潮堤等の効果や地形条件を考慮し、地方自治体や港湾管理者等他機関と調整、協議を行い地域毎に詳細な調査を実施し、通行規制区間としての津波危険区域の設定を行う必要がある。 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:2914px
  • 高さ:1364px
  • ファイルサイズ:270.5KB
津波危険区域および路上障害物・危険物のマップ作成、通行規制区間の設定計画
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6015px
  • 高さ:4437px
  • ファイルサイズ:2.6MB
地図 図5.3.1 津波危険区域マップ全体案内図(1/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6015px
  • 高さ:4360px
  • ファイルサイズ:3.5MB
地図 図5.3.1 津波危険区域マップ全体案内図(2/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6026px
  • 高さ:4360px
  • ファイルサイズ:2.7MB
地図 図5.3.1 津波危険区域マップ全体案内図(3/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6004px
  • 高さ:4106px
  • ファイルサイズ:3.5MB
地図 図5.3.2 津波危険区域マップ(例)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6048px
  • 高さ:3841px
  • ファイルサイズ:2.2MB
表5.3.1 津波危険区域と予想される2次災害
5−4 道路利用者に対する宣伝・広報

(1)問題点 三陸地方には、夏季を中心にマイカーによる観光客が多数訪れるが、これらの外来者の多くは、津波に関する知識が不十分である。 また、地元においても特に若年層における津波意識の低下が著しい。 さらに、道路利用者を対象とした津波に関する知識を啓発する手段が乏しい。 (2)対策 まず、マイカーを利用した外来者に対しては、観光名所における津波防災知識の普及を行う。 具体的には、外来者が立寄る頻度の高い観光名所等に、パンフレット、リーフレットおよびポスター等を配置し、津波に対する知識のうすい外来者の啓蒙を図ることが考えられる。 次に地元の道路利用者に対しては、「津波注意報・警報発令時にドライバーが取るべき行動」講習会等を開催し(5-1防災教育参照)、津波防災教育を推進するとともに、県公安委員会と協力して、運転免許取得・更新時における講習を行うことが望ましい。 これらの両者共通の広報内容としては、次のことが考えられる。津波危険区域のドライバーへの周知たとえば、道路沿いに設けられたパーキング等において、観光案内とともに津波の知識を道路利用者へ広報する等の対策が重要である。 このように津波危険区域をドライバーが把握することによって、円滑な避難が期待できる。参考に伊東市の津波広報例を図5.4.1に示す。 津波注意報・警報発令時のドライバーに対する情報提供方法・内容の周知 特に近地津波の場合、警報発令から津波来襲ま'での時間的余裕が20〜30分程度と短く、あらかじめドライバーに対して情報提供方法・内容を周知徹底しておく必要がある。 三陸地方においては、その地理的条件からラジオの難聴地区が多く、情報提供手段としては、既存の電光式道路情報板を用い、「津波注意報発令中」・「津波警報発令中」等の表示を行ってドライバーが円滑に避難できるようにすることが望ましい。 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3907px
  • 高さ:3002px
  • ファイルサイズ:1.7MB
図5.4.1 伊東市の津波広報例
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3200px
  • 高さ:2352px
  • ファイルサイズ:389.2KB
津波注意報・警報発令時のドライバーに対する情報提供方法・内容の周知計画

6. 注意報・警報時対策の検討

6−1津波情報の入手

(1)問題点 津波情報には、地震による体感(地震=津波が来るという認識),市民からの通報およびテレビ・ラジオ情報等があるが、津波防災体制を構築する上での判断基準を明確にする必要がある。 (2)対策 津波防災体制の構築は、気象庁による津波注意報・警報を基本とする。 津波予報の入手は、NHK等の報道の方が早い場合があり、各職場においては、地震発生時に、テレビ・ラジオの視聴により、津波情報入手体制を整える必要がある。 また、遠地津波のように、地震が体感されない場合もあるため、テレビ・ラジオの緊急放送対応装置の設置が望ましい。 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3025px
  • 高さ:1082px
  • ファイルサイズ:188.4KB
注意報・警報時対策の計画

6−2 津波危険度の判定

(1)問題点 津波の来襲には時間的余裕がないため、津波情報入手後、ただちに津波防災体制作りの判断を行うことが必要である。 (2)対策 津波防災体制の発動は、「道路災害対策要領」(建設省三陸国道工事事務所)に準拠し、以下のとおり決定する。体制区分の基準一 注意体制(イ)大雨注意報等が発令され、時間降雨鍬が20mmに達し速続降雨最が50mに達した場合、または災害(維持的災害)の発生の恐れがあると認められた場合(ロ)震度4の地震が発生した場合、ただし震度4で被害が大きい場合は「震災対策要領(案)」に移行する。(ハ)津波注意報が発令された場合(二)雪量観測点の積雪量が10cm以上になることが予想される場合、または雪量観測点の2分の1が注意積雪深を越えた場合(ホ)降積雪のため通行規制を行うことが予想される場合(ヘ)支部長が必要と認めた場合二 警戒体制(イ)大雨警報が発令され、降雨最が1時間30m以上になる事が予想される場合、及び連続降雨景が100m以上になる事が予想される場合回(ロ)大雪警報が発令され、積雪量が50cm以上になった場合(ハ)津波警報及び高潮警報が発令され、かつ道路災害が予想される場合(二)通行止めを伴う災害が発生した場合(ホ)支部長が必要と認めた場合三 緊急体制(イ)重大な災害が発生した場合(ロ)支部長が必要と認めた場合 (出典:道路災害対策要領,昭和62年度,三陸国道工事事務所)

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3024px
  • 高さ:806px
  • ファイルサイズ:156.6KB
津波防災体制の発動
6−3 体制発動の確立について

(1)問題点 津波防災体制発動の決定過程および権限代行者を、事前に取り決めることにより、迅速な体制作りを確立する必要がある。 これは、「道路災害対策要領」で定める「体制発令連絡系統図」で対応することができる。 (2)対策ア.体制発動 注意体制,警戒体制各々における体制発動の決定過程,連絡方法および権限代行者は、「道路災害対策要領」(三陸国道工事事務所,仙台工事事務所)における、震災対策要領(案)支部注意体制および警戒体制発令連絡系統図によるものとする。表6,3.1 注意体制,震災対策発令連絡系統図(三陸国道支部) 表6.3.2 警戒体制,震災対策発令連絡系統図(三陸国道支部) 表6.3.3 注意体制,震災対策発令連絡系統図(仙台支部全体) 表6.3.4 警戒体制,震災対策発令連絡系統図(仙台支部全体) イ.津波防災体制の位置づけ 既存の各災害対策要領における津波災害対策の位置づけを明確にする。図6,3,1に現状の要領における地震時および津波注意報・警報時系統図を示す。 津波災害対策の場合は、各要領で定める各々の体制(注意,警報等)の中で、要員および行動等の組織体制について、今回検討した「津波災害対策マニュアル」項目を組み込むことが重要である。ウ.津波防災の特殊性 過去の事例では、震度3程度でも大津波が来襲した経緯があることから、軽度の地震や遠方での地震においても津波情報の入手を迅速,的確に行い、津波防災体制を早期に確立する必要がある。 また、津波災害は他の災害と異なり、情報の入手から災害発生までの時間的余裕(近地津波で約20〜30分,遠地津波で約24時間)があるため、被災を最小限とするよう、道路交通規制等の初動対策の実施が可能である。したがって、津波情報入手後の注意又は警戒体制発動と同時に、初動対策を実施することが重要である。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3753px
  • 高さ:3576px
  • ファイルサイズ:678.2KB
図6.3.1 現状各要領における系統図
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6268px
  • 高さ:4238px
  • ファイルサイズ:1.3MB
表6.3.1 震災対策体制発令連絡系統図(三陸国道支部)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6390px
  • 高さ:4149px
  • ファイルサイズ:1.8MB
表6.3.2 震災対策体制発令連絡系統図(三陸国道支部)平成3年4月12日現在
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6169px
  • 高さ:4272px
  • ファイルサイズ:1.4MB
表6.3.3 震災対策体制発令連絡系統図(仙台支部)〜全体
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6103px
  • 高さ:4260px
  • ファイルサイズ:1.2MB
表6.3.4 震災対策体制発令連絡系統図(仙台支部)〜全体
6−4初動対策について

(1)問題点 津波注意報・警報の発令から、津波来襲までの時間的短さから、注意報・警報時に取り得る初動対策を実施する必要がある。(近地津波で20〜30分,遠地津波で24時間の来襲時間内に行動出来るもの。) (2)対策ア.初動対策の実施 初動対策は、津波注意報・警報発令後の各体制発動と同時に実施するものとし、道路利用者の安全確保のため、津波注意報段階では、「津波があるかも知れない」ということを広報し、ドライバーに注意を促す。また、警報が発令された場合、それが近地津波が遠地津波かにより、避難の緊急性を判断し、車両の規制,誘導を実施する。 道路管理者は、津波に関する的確な情報を入手し、以下の初動対策を実施する必要がある。(交通規制に関しては、「5−9.交通規制と誘導について」参照)  なお、初動対策の実施は、注意又は警戒体制の権限代行者の指示によるものとする。 したがって、広範囲な津波危険区域に対し、「道路災害対策要領」で定める警戒体制要員の他、遠地津波の警報発令時(警戒体制)における交通誘導員を、他事務所,警察,自治体等を含め、事前に協議,決定しておくことが重要である。 なお、現状の道路情報板設置状況では、津波危険区域に対応した規制,広報は困難である。長期的には、津波危険区域を考慮した道路情報板の設置を行い、近地津波時の交通規制,広報に対処するものとする。(「5-6.情報活動の考え方」参照) イ.他機関との調整 現在、各市町村は津波防災対策として各々独自の調査,勧告,命令を実施している。これに対し、道路管理者の行う初動対策の時期および内容が一致しない場合、情報錯綜による混乱が懸念される。 したがって、事前に自治体等他機関との協議,調整を実施し、緊急時での防災相互通信用無線(466MHz)の活用等により、初動対策における他機関との発令内容,時期の統一化を実施することが必要である。 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3973px
  • 高さ:1789px
  • ファイルサイズ:506.3KB
津波注意報・警報発令後の初動対策
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3432px
  • 高さ:1435px
  • ファイルサイズ:312.4KB
初動対策の計画

7.緊急時対策の検討

7-1 緊急体制確立時

7-1-1 内部の連絡系統について

(1)問題点 地建、事務所および出張所等の内部の連絡系統は、道路災害対策要領に記載されており、問題はない。 また、連絡手段についても、建設省多重無線通信網が整備されており、有線が途絶した場合でも連絡可能である。 (2)対策内部の連絡系統は図7.1.1のようになっており、現状では問題ない。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3697px
  • 高さ:3057px
  • ファイルサイズ:566.7KB
図7.1.1 内部の連絡系統
7-1-2 外部関係機関との情報連絡について

(1)問題点 県や市町村、警察および消防等の外部関係機関との情報連絡体制は、それぞれの連絡先(電話番号)のみ記載されており、具体的にどの部署とやりとりするのかが明確でない。 また、連絡手段についても一般加入電話のみであり、有線が途絶した場合の連絡が困難である。 (2)対策 まず県との情報連絡体制は、「異常気象時における道路交通連絡活動要領」(昭和52年5月10日付建設省道交発第30号)にもとついて図7.1.2に示すように取り決められているが、どの部署とやりとりするのかは明らかでない。 その他の防災関係機関については図7.1.3に示すように電話番号のみが記載されている。 これらからわかるように、関係機関との連絡は警察・道路交通情報センター等の電話番号のみが記載されている場合が多く、特に市町村や消防については全面通行止または時間帯通行止等の際における道路情報連絡先として電話番号が記載されているのみである。 したがって、発災直後の情報連絡の緊急性等を考慮すると、外部関係機関との情報連絡一覧表(担当部署、電話番号)の作成が望ましい。 また、有線途絶時の連絡手段として、各機関それぞれが表7.1.1に示すような無線網を整備しており、これらは図7.1.4に示す系統で結ばれている。 この図からわかるように、各機関毎の通信体制は比較的よく整備されているものの、機関相互(特に各地方に分散している機関相互)の無線網はほとんど整備されていない。 したがって、防災関係機関相互が円滑に情報連絡を行うためには、「5-6 情報活動」で示したように、防災相互通信用無線の活用が望まれる。 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:2982px
  • 高さ:2983px
  • ファイルサイズ:386.8KB
図7.1.2 道路管理者間(国と県)の情報連絡体制
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3984px
  • 高さ:4691px
  • ファイルサイズ:900.6KB
図7.1.3 県以外の防災関係機関との連絡系統
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5882px
  • 高さ:3918px
  • ファイルサイズ:1.2MB
表7.1.1 各機関の無線網
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5452px
  • 高さ:3741px
  • ファイルサイズ:832.2KB
図7.1.4 各機関の無線網の系統
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3223px
  • 高さ:663px
  • ファイルサイズ:128.3KB
外部関係機関との情報連絡一覧表の作成計画
7-1-3 情報手段の確保の考え方

(1)問題点 体制発令時の連絡系統は、大規模災害対策運営計画や震災対策運営計画に記載されており、毎年度更新しているため問題はない。 また、三陸国道工事事務所には災害時優先電話や非常・緊急扱いの通話が可能な電話も設置しているため輻輳時にも対応可能である。 次に有線途絶時の連絡方法としては多重無線回線を利用することが前提となっているが、衛星中継回線を利用した災害対策連絡網についても検討する必要がある。 被災後の道路利用者や報道機関等からの問合せについてはどの部署で対応するかが明らかでないため、問合せが各々の電話に殺到する恐れがある。 さらに被災後の状況確認のために道路の寸断等で現地へ行くことの不可能な場合の状況把握方法についても検討する必要がある。 (2)対策ア.体制発令時の連絡系統 体制発令時の連絡系統は表6.3.1〜5に示すように事務所の電話番号と自宅の電話番号が併記されており、毎年度当初に更新している。勤務時間外に各々が地震等を感知して事務所へ参集する場合、確認のための電話を事務所にかけると一時的にその対応に追われることが懸念されるため、所内電話の利用制限を行うことが望ましい。イ.災害時優先電話および非常・緊急扱いの通話が可能な電話 災害発生時には、一般加入電話が輻輳するケースがある。参考として図7.1.5に日本海中部地震における東京からの通話状況を示す。 したがって、事務所内の電話も有線が途絶しなくともかかりにくくなることが十分考えられる。 このような場合、NTTでは重要な通信を確保するために、発信全体を規制する発信規制や輻輳中の特定地域への通話のみを規制する対地規制を行うが、災害優先電話はこのような規制がかかった場合でも影響を受けることなく優先的に利用できる。したがって、事務所や出張所においても防災活動を円滑に行うため、災害時優先電話加入を行うことが望ましいが、三陸国道工事事務所では加入済であり問題はない。ただし、災害時優先電話は発信を目的とするものであり、着信で使われると役に立たないため、電話番号は他にあまり周知せず発信専用で用いることが好ましい。 また、災害時に非常事態が発生もしくはその恐れがある場合、緊急を要する手動接続通話は「非常扱いの通話」や「緊急扱いの通話」として他の手動接続より優先して接続することになっている。したがって、災害時優先電話の加入を行うとともに、非常・緊急通話(手動接続)が可能な電話機の確保を行うことが重要である。ただし、これらの非常・緊急通話を使用する場合は、機関および通話の内容等に制限があり、やむを得ない特別の理由がある場合を除いてあらかじめNTTが指定した電話番号の契約回線からの発信に限られている等制限が多い。一例として「非常扱い」の通話の可能な非常通話(手動接続)を表7.1.2に示す。ウ.有線途絶時の連絡方法 建設省の場合、万一有線(一般加入電話)が途絶しても、多重無線通信回線を利用して内部の連絡は可能である。 しかしながら、地震によってこれらの無線設備が利用不能になることも考えられ、地上系のバックアップ回線として、衛星通信回線を利用した災害対策連絡網の構築を考える必要がある。 現在、通信衛星には6/4GHz帯(マイクロ波帯)2台と30/20GHz帯(準ミリ波帯)6台の通信用中継器が搭載されており、30/20GHz帯の中継器のうちの1台が建設省、消防庁、郵政省、電力会社およびJR等に割り当てられている。 建設省では、割当てられた回線を、非常災害時の地上回線のバックアップ(動画伝送も可能)、災害現場との通信回線の設定および本省と地建間のデータ通信用ネットワークの設定に使用することとしている。 すでに消防庁では衛星通信系の消防防災無線として図7.1.6に示すような回線を構築しており、建設省においても各地建に可搬型局を整備し、地震災害等が発生し、多重無線通信回線が利用できない場合に備えておくことが望ましい。エ.外部からの問合せ対策 津波災害発生直後には、地域の住民等ふらの問合せが市町村はもちろん道路管理者に対しても殺到することが予想される。その場合、応対に多大な時間を割く必要が生じ、災害対策活動に支障をきたすことも少くない。これらの問合せ対策としては、事務所・出張所における問合せ対策要員の確保を行うことが必要であり、さらにイ.で示したように防災連絡専用の災害時優先電話を確保し、かつそれを非公開にして問合せの殺到を防止することが望ましい。また、各種の情報メディアを活用した積極的な広報活動も有効である。 次に報道機関も災害時には被災地域に集中し、活発な情報収集、報道活動を展開する。これらの問合せは、原則的には市町村等に集中すると考えられるが、道路管理者に対する問合せも十分予想されるため、あらかじめ対策を講じておくことが必要となる。 例えば、長野県西部地震の場合、多いときには200人以上の報道関係者が滞在したといわれている。災害対策本部の置かれた王滝村では、おもに議会事務局長と企業課職員の2人が当ったが、当初は災害関連の業務が多く、また初めての大災害で不慣れということもあって、報道機関との問にしばしば摩擦を生じたり、報道関係者による電話の使用のために役場の業務に支障をきたすなどの問題を生じている。 このような問題点に対処するためには、あらかじめ災害時における広報担当者の決定を行うことが重要であり、可能な限り情報を即時に公開する体制を整備しておく必要がある。さらに、広報板を利用した最新情報の提示や定時の記者発表等の報道機関との協定を行っておくことが望ましい。参考に高知市における報道機関対応計画例を表7.1.3に示す。オ.被災状況の把握方法 津波被害の状況を把握しようとする場合、道路の寸断や道路障害物(木材・船舶等)等により、道路管理者が現地に急行して確認することができないケースも十分考えられる。 現在、表5.5.7に示すように15名に道路情報モニターを委嘱しており、道路災害に備えて連絡体制を構築している。そこで、まず第一一のステップとして道路情報モニターによる被災状況の把握を行うことが必要である。しかしながら、道路情報モニターは津波危険区域に適した配置にはなっていないため、第二のステップとして、津波危険区域を考慮した道路情報モニターの追加を検討する必要がある。さらに、これを補完する連絡網として業者間の連絡網の活用を行うことも考えられる。そのためにはあらかじめ業者と協定を結んでおくことが必要である。 (3)計画

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3201px
  • 高さ:3576px
  • ファイルサイズ:607.9KB
図7.1.5 日本海中部地震時の東京からの通話状況
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3818px
  • 高さ:4525px
  • ファイルサイズ:1.1MB
表7.1.2 非常通話の適用表の一例
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3300px
  • 高さ:1987px
  • ファイルサイズ:272.9KB
図7.1.6 通信衛星を利用した回線構成概念図(消防庁の場合)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3520px
  • 高さ:4283px
  • ファイルサイズ:930.4KB
表7.1.3 報道機関対応の計画例(高知市)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3742px
  • 高さ:4790px
  • ファイルサイズ:842.1KB
情報手段の確保の計画・1
オリジナルサイズ画像
  • 幅:3786px
  • 高さ:1766px
  • ファイルサイズ:318KB
情報手段の確保の計画・2

8.今後の課題

 1〜3章において津波災害対策の検討を行い、整備すべき項目についても短・中・長期計画に分類した。 津波災害対策マニュアル(案)の策定にあたっては、これらの計画のうち短期的に必要な項目については取り込むことを前提とした。 ここでは、今後検討する必要性の高い中・長期的な課題について整理し表8.1に示す。この中で車両による避難については、徒歩避難を原則としているにもかかわらず、現実にはかなりの割合の人が自動車によって避難している現実を踏まえると検討の必要性は大きい。 車両による避難を考える場合、都市毎の地形、都市規模、現況の道路ネットワーク、避難地および住居配置等によって、その適否が異なり、さらにパニック時の人々の行動についても研究する必要があるため一律の結果を得ることは困難である。ここでは図8.1に車両による避難に関する調査研究の考え方を示す。 また、津波を考慮した道路ネットワークを構築するためには、国道や県道のみで検討しただけでは不十分であり、三陸沿岸の生活道路による迂回路や避難路の検討が必要となる。そのためには市町村も含めた総合的な津波を考慮した道路整備を行うことが重要である。

オリジナルサイズ画像
  • 幅:3818px
  • 高さ:5243px
  • ファイルサイズ:1.1MB
表8.1 中・長期的な課題の整理
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4061px
  • 高さ:5397px
  • ファイルサイズ:929.1KB
図8.1 車両による避難に関する調査研究の考え方

資料編

オリジナルサイズ画像
  • 幅:5926px
  • 高さ:3753px
  • ファイルサイズ:1.8MB
参考資料-1 国道45号日交通量
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5860px
  • 高さ:4194px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 1/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5849px
  • 高さ:4106px
  • ファイルサイズ:1.1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 2/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5827px
  • 高さ:4095px
  • ファイルサイズ:1.1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 3/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5850px
  • 高さ:4073px
  • ファイルサイズ:1.1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 4/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5849px
  • 高さ:4073px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 5/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5860px
  • 高さ:4084px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 6/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5960px
  • 高さ:4073px
  • ファイルサイズ:1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 7/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6048px
  • 高さ:4128px
  • ファイルサイズ:1.3MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 8/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5928px
  • 高さ:4118px
  • ファイルサイズ:1.4MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 9/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5860px
  • 高さ:4150px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 10/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6103px
  • 高さ:4084px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 11/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5849px
  • 高さ:4084px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 12/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5860px
  • 高さ:4139px
  • ファイルサイズ:1.1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 13/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5982px
  • 高さ:4117px
  • ファイルサイズ:1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 14/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5860px
  • 高さ:4083px
  • ファイルサイズ:1.1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 15/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5926px
  • 高さ:4128px
  • ファイルサイズ:1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 16/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6014px
  • 高さ:4117px
  • ファイルサイズ:1021.7KB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 17/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5838px
  • 高さ:4106px
  • ファイルサイズ:1.1MB
参考資料-2 三陸沿岸道路の被災想定 18/18
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5926px
  • 高さ:3741px
  • ファイルサイズ:1003.6KB
参考資料-3 災害対策基本法に定める指定機関
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5960px
  • 高さ:4426px
  • ファイルサイズ:1.6MB
参考資料-4 防災業務計画と地域防災計画において重点を置くべき事項(1/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:4437px
  • ファイルサイズ:1.6MB
参考資料-4 防災業務計画と地域防災計画において重点を置くべき事項(2/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:4426px
  • ファイルサイズ:1.4MB
参考資料-4 防災業務計画と地域防災計画において重点を置くべき事項(3/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5982px
  • 高さ:4447px
  • ファイルサイズ:1.8MB
参考資料-5 建設省防災業務計画の概要(津波防災対策に関する事項)(1/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5993px
  • 高さ:4426px
  • ファイルサイズ:1.6MB
参考資料-5 建設省防災業務計画の概要(津波防災対策に関する事項)(2/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6015px
  • 高さ:4437px
  • ファイルサイズ:1.7MB
参考資料-5 建設省防災業務計画の概要(津波防災対策に関する事項)(3/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5982px
  • 高さ:4448px
  • ファイルサイズ:1.6MB
参考資料-5 建設省防災業務計画の概要(津波防災対策に関する事項)(4/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:3863px
  • ファイルサイズ:1.6MB
参考資料-6 三陸沿岸の代表的な地域防災計画(1/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:3852px
  • ファイルサイズ:1.6MB
参考資料-6 三陸沿岸の代表的な地域防災計画(2/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5949px
  • 高さ:3852px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-6 三陸沿岸の代表的な地域防災計画(3/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:6037px
  • 高さ:3874px
  • ファイルサイズ:876.4KB
参考資料-6 三陸沿岸の代表的な地域防災計画(4/4)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:4448px
  • ファイルサイズ:1.5MB
参考資料-7 大都市震災対策推進要綱の概要(1/2)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:4437px
  • ファイルサイズ:1.3MB
参考資料-7 大都市震災対策推進要綱の概要(2/2)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:4426px
  • ファイルサイズ:1.4MB
参考資料-8 東海地震の地震防災対策強化地域に係る地震防災基本計画(1/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5971px
  • 高さ:4459px
  • ファイルサイズ:1.4MB
参考資料-8 東海地震の地震防災対策強化地域に係る地震防災基本計画(2/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5949px
  • 高さ:4459px
  • ファイルサイズ:1.2MB
参考資料-8 東海地震の地震防災対策強化地域に係る地震防災基本計画(3/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4636px
  • 高さ:4017px
  • ファイルサイズ:1018.6KB
参考資料-9 現地調査写真集
オリジナルサイズ画像
  • 幅:9579px
  • 高さ:6456px
  • ファイルサイズ:6.2MB
写真 久慈ブロック
オリジナルサイズ画像
  • 幅:8531px
  • 高さ:5948px
  • ファイルサイズ:5.5MB
写真 宮古ブロック
オリジナルサイズ画像
  • 幅:8564px
  • 高さ:5949px
  • ファイルサイズ:5MB
写真 釜石ブロック
オリジナルサイズ画像
  • 幅:8575px
  • 高さ:5948px
  • ファイルサイズ:5.7MB
写真 大船渡ブロック
オリジナルサイズ画像
  • 幅:8553px
  • 高さ:5937px
  • ファイルサイズ:5.6MB
写真 気仙沼ブロック
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5827px
  • 高さ:4272px
  • ファイルサイズ:1.7MB
地図 参考資料-10 津波危険区域マップ(1/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5805px
  • 高さ:4271px
  • ファイルサイズ:1.9MB
地図 参考資料-10 津波危険区域マップ(2/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5871px
  • 高さ:4305px
  • ファイルサイズ:1.4MB
地図 参考資料-10 津波危険区域マップ(3/3)
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5783px
  • 高さ:4050px
  • ファイルサイズ:1.7MB
地図 津波危険区域マップ 1.折立地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5750px
  • 高さ:4050px
  • ファイルサイズ:1.7MB
地図 津波危険区域マップ 2.志津川地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5805px
  • 高さ:4051px
  • ファイルサイズ:1.7MB
地図 津波危険区域マップ 3.伊里前地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4073px
  • 高さ:5794px
  • ファイルサイズ:1.3MB
地図 津波危険区域マップ 4.津谷地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4061px
  • 高さ:5794px
  • ファイルサイズ:1.9MB
地図 津波危険区域マップ 5.大谷地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4062px
  • 高さ:5772px
  • ファイルサイズ:1.8MB
地図 津波危険区域マップ 6.唐桑地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5772px
  • 高さ:4095px
  • ファイルサイズ:2.6MB
地図 津波危険区域マップ 7.気仙沼地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4051px
  • 高さ:5761px
  • ファイルサイズ:1.9MB
地図 津波危険区域マップ 8.荒谷前地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4050px
  • 高さ:5783px
  • ファイルサイズ:1.8MB
地図 津波危険区域マップ 9.広田地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5761px
  • 高さ:4084px
  • ファイルサイズ:2.5MB
地図 津波危険区域マップ 10.陸前高田地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4083px
  • 高さ:5794px
  • ファイルサイズ:2.3MB
地図 津波危険区域マップ 11.大船渡地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4062px
  • 高さ:5761px
  • ファイルサイズ:2MB
地図 津波危険区域マップ 12.綾里-白浜地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4061px
  • 高さ:5827px
  • ファイルサイズ:2.7MB
地図 津波危険区域マップ 13.越喜来地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:4062px
  • 高さ:5761px
  • ファイルサイズ:2.3MB
地図 津波危険区域マップ 14.吉浜地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5794px
  • 高さ:4116px
  • ファイルサイズ:2.1MB
地図 津波危険区域マップ 15.唐丹地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5750px
  • 高さ:4062px
  • ファイルサイズ:1.9MB
地図 津波危険区域マップ 16.釜石地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5794px
  • 高さ:4083px
  • ファイルサイズ:1.7MB
地図 津波危険区域マップ 17.鵜住居-両石地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5761px
  • 高さ:4073px
  • ファイルサイズ:2.2MB
地図 津波危険区域マップ 18.大槌地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5783px
  • 高さ:4062px
  • ファイルサイズ:2.2MB
地図 津波危険区域マップ 19.船越地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5772px
  • 高さ:4062px
  • ファイルサイズ:1.7MB
地図 津波危険区域マップ 20.山田地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5794px
  • 高さ:4072px
  • ファイルサイズ:1.8MB
地図 津波危険区域マップ 21.津軽石地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5772px
  • 高さ:4028px
  • ファイルサイズ:2.2MB
地図 津波危険区域マップ 22.宮古地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5794px
  • 高さ:4028px
  • ファイルサイズ:2MB
地図 津波危険区域マップ 23.女遊部地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5805px
  • 高さ:4006px
  • ファイルサイズ:2.4MB
地図 津波危険区域マップ 24.田老地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5794px
  • 高さ:4039px
  • ファイルサイズ:2MB
地図 津波危険区域マップ 25.小本地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5783px
  • 高さ:4017px
  • ファイルサイズ:1.5MB
地図 津波危険区域マップ 26.島の越地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5816px
  • 高さ:4050px
  • ファイルサイズ:1.7MB
地図 津波危険区域マップ 27.田野畑地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5760px
  • 高さ:3974px
  • ファイルサイズ:2.1MB
地図 津波危険区域マップ 28.普代地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5749px
  • 高さ:4017px
  • ファイルサイズ:1.9MB
地図 津波危険区域マップ 29.野田地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5793px
  • 高さ:4040px
  • ファイルサイズ:1.8MB
地図 津波危険区域マップ 30.久慈地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5783px
  • 高さ:4028px
  • ファイルサイズ:1.8MB
地図 津波危険区域マップ 31.八木港地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5782px
  • 高さ:3995px
  • ファイルサイズ:1.6MB
地図 津波危険区域マップ 32.種市地区
オリジナルサイズ画像
  • 幅:5827px
  • 高さ:4083px
  • ファイルサイズ:871.8KB
地図 津波危険区域マップ 33.八戸-角浜地区

平成3年度三陸沿岸津波対策システム調査第1回検討委員会議事 要旨日時:平成3年9月10日場所:岩手県陸前高田市町字曲松キャピタルホテル1000

1.調査の進め方 (1)本調査の課題として、道路整備のあり方の提案まで行うものとするが、国道45号の機能確保が中心であり、避難路の整備については市町村の役割が重要である。 (2)道路の津波危険区間等について、地滑り箇所や浸水実績図のように、これらを公表することはこれまで例がないが、それぞれの地方公共団体で対応すべきことであると考える。 (3)当調査の役割としては地域防災計画において参考にしてもらえる資料を提供することまでとする。(4)平成3年度の調査計画については基本的な承認を得た。 2.現在までの調査結果について (1)津波災害時の国道45号の迂回路の存在が、三陸沿岸地域の南北で疎密の差がある。将来の道路整備計画における提言として報告したい。 (2)迂回路として提言されているものの中でも、地震に伴う山崩れなどを想定すれば迂回路として機能することの確実性に問題があるものもあるのではないか。 (3)津波来襲の際には国道45号から派生している道路も同時に被害が生ずる。復旧優先度を誰がどのように決定するのか。(4)日本海中部地震の際の復旧工事では、工事業者や復旧資材が建設省によって独占され、県や市町村の復旧対応が遅れたという経緯があった。道路管理の関係機関の間での協力業者の重複の問題にっいては、ケーススタディによる解決の方向の提示という方法をとりたい。 (5)道路上の車両の撤去については、建設省,自治省,警察庁など4省庁で法的な問題を検討したものがある。これは公表されていないが参考にすべきものと思われる。 (6)津波災害時の石油の火災発生などに対処して道路警戒を行うために・沿岸市町村に特殊消防がどれだけ配備されているのか調査した方がよい。 3.津波災害対策マニュアル(案)について (1)非常に網羅的な形で構成案が提出されているが、他の災害に対処するのと共通する部分は省略した方がよい。以前に東北地建で作成した地震対策のマニュアルと著しく違うのは「第0段階」の部分である。 (2)津波予・警報に対して道路管理者は対応をとらなければならないとしても、既往最大津波で決定した区間すべてを交通規制するのか。道路法46条,47条(通行の禁止または制限)が津波に関しても適用できるか。 4.津波予・警報の伝達,災害情報の収集と伝達 (1)現状の気象庁の津波予報は予報文の形式としてはオオツナミ,ツナミ・ツナミチュウイ等の精度であり、非常に粗い。現在改良の途上であるが、変化し定着するまでに少なくとも10年の時間が必要であろう。 (2)道路交通への情報提供は地震情報の段階から行って、海岸地域では注意を呼び掛けるべきである(「ただいま地震がありました」)。 (3)道路利用者への宣伝・広報の方法が問題で、道路情報板の他に、ドライブインの利用や専用施設の設置も考えるべきである。 (4)沿岸が長大であるので、災害情報を効率よく収集し、解析して対策に役立てるようにすることに力を注いだ方がよい。モニターの配置だけでは情報を集めきれないだろう。 5.その他 (1)来年1月を目標に成果のとりまとめを行う予定である。

平成3年度三陸沿岸津波対策システム調査第2回検討委員会議事 要旨日時:平成4年2月29日場所:道路保全センター東北支部会議室

1.防災教育について・密度の濃い防災教育として、津波危険区域内住民に対し、免許更新時におけるパンフレット配布等の防災教育の実施も有効である。 2.人材・資材について・大規模災害発生の場合は、災害救助法の適用による、自衛隊の派遣要請も考えられるが、本マニュアルでは、道路管理者として必要な(確保すべき)人材・資材に焦点を絞ってとりまとめた。 3.防災相互通信用無線について・津波注意報・警報時における各市町村の独自の体制および行動を、道路管理者が迅速に入手する必要がある。したがって、防災相互通信用無線の466MHz(メガヘルツ)帯の活用により、市町村の情報入手が重要である。 4.道路情報板について (1)整備方針の課題・津波危険区域を考慮した上で、国道45号上の他、内陸からの連絡路,迂回路を含め、面的な情報板配置および表示内容を検討していく必要がある。 (2)情報板設置例・津波専用の情報板(場合によっては遮断機もとりつける)設置も考えられる。ただし、使用頻度が何年に1度と少なく、メンテナンス上の問題もあるため、津波専用情報板設置には、十分な検討が必要である。 (3)その他・将来的に、三陸縦貫道が供用した場合、一般道路(インターアクセス道路)上に道路情報板が設置される。今後の課題として、この情報板への津波情報提供機能の追加が考えられる。なお、当情報板の先行投資については、費用面での負担が大きく時間がかかる。現在透光式のものはフリーパターンに更新を始めている状況である。・情報板できめ細かに情報を与える方がよいのか、その他のメディアで与えるほうがよいのか検討する必要があり。警報の発令状況だけを表示した方がよい。)帯の活用により、市町村の情報入手が重要である。 5.迂回路について (1)迂回路の信頼性について・今回調査は幅員による通行可能車両の判定までである。しかし、迂回路のもっ地震時の道路安全性,信頼性を確保するため、各路線の法面や構造物等の現状診断を実施し、信頼度の把握とともに、今後の道路整備の目安とする必要がある。 (2)孤立化が予想される市町村について・孤立化とは、道路機能の途絶によるものをいい、現実には海上,空輸等により、緊急物資は搬入される。・しかし、各地域内においては、街路を含め現有道路改良による迂回路,避難路の確保が今後の課題となる。なお、現状では孤立化する日数は長くても2日程度であり、生活物資はなんとか輸送できるだろう。ただし火災の影響で復旧に手間取ることが考えられる。 6.初動対策における交通規制と津波危険区域の設定について (1)初動対策における課題・各市町村は独自に調査,勧告,命令を実施している現状にある。したがって、道路管理者の発する命令等との相違が予想される。今後、各機関との協議により、発令内容の一体化を実施することが必要である。 (2)交通規制実施上の問題点と課題・通行止め等の交通規制は、道路法第46条に則り、事前に道路交通規制区間を決定する必要がある。したがって、今後、津波危険区域の設定とともに、道路交通規制区間を決定する必要があるのではないか。・注意報・警報発令後1時間もあれば来襲の有無は判断できるため、原則的には規制を実施する方向で考えたい。・以上の意見より本調査では規制は近い将来に検討すべき事項であり、できるものから実行するというスタンスで考えたい。 (3)津波危険区域の設定についての課題津波危険区域の設定にあたっては、防潮堤の効果や地形状況を考慮し、正確な調奄・検討に基づいて決定する必要がある。また、何年かに一度の更新の実施も必要である。さらに、道路管理者だけでなく、港湾,自治体等各種機関との調整を実施し、各地域毎に危険区域を設定する必要がある。以上の検討,調査により設定された津波危険区域に対し、道路交通規制区間を決定する必要がある。 (4)その他・県や市町村では体制に入るのに1時間ぐらい必要であり、道路交通センター等へ情報の集中化を行ったらどうか。 7.報告書とりまとめ3月中を目安に、委員長および事務局にて平成3年度報告書をとりまとめるものとする。以上